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自律神経とドライマウス

ドライマウスとは?

自律神経の乱れは唾液の量と密接な関係があり、副交感神経の働きが弱まると、唾液の量が減り、「ドライマウス」と呼ばれる状態になります。

ではドライマウスになると、体にどのような影響があるのでしょうか?

①口内炎ができやすくなる
②口臭が発生しやすくなる
③虫歯ができやすくなる
④誤嚥しやすくなる
⑤歯周病になりやすくなる

特に歯周病の原因となる菌や、歯周病の炎症が原因で、重大な病の発症リスクが高まったり、深刻な病を重篤化させることが、近年の研究により明らかになっています。

歯周病菌により発症リスクが高まる病気


①脳梗塞、心筋梗塞、狭心症などの冠状動脈性心疾患
冠状動脈性疾患とは、血管が詰まって発症する疾患のことです。
歯周病の原因となる菌には、血管内に沈着物をつくる働きがあり、歯周病の人はそうでない人に比べ、致命的な心臓発作を起こす可能性が約3倍になるという研究もあります。

②糖尿病の発症、悪化
歯周病菌が炎症を引き起こす際、「炎症性サイトカイン」という物質が放出され、炎症性サイトカインが血液中に増えると、血糖値の上昇をおさえるホルモン、「インスリン」の働きが悪くなり、糖尿病の原因や重篤化に繋がります。

③誤嚥性肺炎
誤嚥によって唾液中に含まれる細菌が肺に入ってしまうことで、肺炎を起こしやすくなります。

⑤認知症、うつ、統合失調症などの中枢神経疾患、精神疾患
歯周病菌や、歯周病の炎症に伴って放出される有害物質は、中枢神経や内分泌系にも悪影響を及ぼし、認知症やうつ、統合失調症の誘因の一つとなります。

⑥早産、低出生体重児
歯周病菌や炎症性サイトカインが血流に乗って子宮に達すると、子宮周囲の筋肉の収縮が促され、早産のリスクが高くなります。
また、歯周病菌やその他の有害物質はへその緒を介して胎児にも影響を及ぼします。
歯周病にかかっている妊婦さんは、低体重児出産の危険性が4倍になるといわれています。

自律神経が乱れ、口の中が乾きやすくなることで、虫歯や口内炎になりやすいだけではなく、重大な病気を引き起こす可能性も高まってしまいます。


唾液の役割

健常な大人の1日の唾液分泌量は1リットルから1.5リットルといわれており
これは1日に排出する尿量とほぼ同量です。

安静時に分泌される唾液の働き
①口腔内を保護する作用
②再石灰化を促進し、歯を修復する作用
③発声を滑らかにする作用
④細菌の増殖や感染を防ぐ、免疫作用
などがあります。

咀嚼時の唾液の働き
①デンプンを分解する消化作用
②口腔内の洗浄作用
③飲み込みを滑らかにする作用
などがあります。


それぞれ多くの働きがあり、ドライマウスになる事で、歯周病の他にも、
虫歯になりやすかったり、風邪を引きやすくなります。

ドライマウス度チェック方法

ではドライマウスを確かめる為にはどうすればよいのでしょうか?

ドライマウス度のチェックには安静時に量る方法と
ガムなどを噛む事で、唾液腺を刺激して量る方法があります。

①安静時の唾液量チェック
椅子に座って、10分間口の中に湧き出た唾液をコップに出す。

→1ml以下ならドライマウスが疑われる。
 ※計量スプーンなどで量る。

②咀嚼時の唾液量チェック
○サクソンテスト
乾燥したガーゼを2分間噛む。ガーゼに吸い取られた唾液量を測定する。
→吸い取られた唾液が2g以下ならドライマウスが疑われる。
 ※キッチンスケールなどで測定


○ガム法
ガムを10分噛む、分泌された唾液量を測定する。
→分泌された唾液量
 3ml未満:重度のドライマウス
 3〜7ml:中等度のドライマウス
 7〜10ml:軽度のドライマウス
 10ml以上:正常
 
 ※計量スプーン、カップなどで測定

安静時、咀嚼時、両方の唾液量が充分に
あることが、健康な口腔内環境と
健康な生活には必要です。


ドライマウスと自律神経


口内炎が出来やすい、
朝起きた時に口が乾く、
口臭が気になる。
などのお悩みがあればその原因は
ドライマウスかも知れません。

また、唾液量が少なくなる誘因として、
自律神経が密接に関係しています。

「肩が凝る」「安静的に疲れやすい」
「目覚めが悪い」「頭痛や目眩がする」
「気分が落ち込みやすい」
などのお悩みがある方も、
その原因は自律神経かも知れません。
自律神経の乱れは唾液に現れます。

健康な生活の為に
ますはドライマウス度をチェックし、
自分の状態を知ることから始めてみましょう

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