見出し画像

PTがリハ特化デイサービスの施設長になって良かったこと、大変だったこと

私は現在、スポーツトレーナーとして働いていますが、前職はデイサービスの施設長をしていました。整形外科クリニックからリハビリテーション特化型デイサービスに転職し、施設長を勤めた私の経験から、理学療法士がデイサービスの施設長になって感じることや仕事内容、メリットやデメリットについてご紹介します。デイサービスの規模にもよりますが、私は小規模デイサービスで理学療法士として個別機能訓練をおこないながら、施設全体のマネジメントをしていました。理学療法士と施設長を兼務しているからこそ、プレイヤーとマネージャーの両方の苦悩ややりがいを感じていました。これからデイサービスで働く理学療法士や施設長を目指している方などに、リハビリテーション特化型デイサービスの施設長の苦悩とやりがいを知っていただきたいです。

リハ特化デイサービスの施設長になって良かったこと3選

リハビリテーション特化型デイサービスの施設長になると、責務も増えますがやりがいやメリットも比例して増えます。具体的にメリットに感じていたことについてご紹介します。

その①:収入の向上

最初からお金のことで生々しいですが、リハビリテーション特化型デイサービスの施設長になってよかったことの1つは収入が向上したことです。デイサービスへの転職前には整形外科クリニックに勤めていましたが、人よりも多くの患者様をリハビリしても給料は一定でした。整形外科クリニックでは役職にも就いていなかったため、転職後のデイサービスでは収入が大幅に向上しました。具体的には、月収で5万円以上、賞与を含めた年収では100万以上向上しました。
事業所や運営会社によるとは思いますが、私の勤めている事業所では施設の売り上げが上がると施設長の給与に反映されるため、努力したことがダイレクトに収入に繋がる事はモチベーションになっていました。

その②:時間のコントロール

施設長になったことで、出勤時間や退勤時間をある程度自分でコントロールできるようになりました。やらなければならない業務は多かったですが、1か月の業務を自分でスケジュールを組んで対応できるため、プライベートの予定に合わせてその日1日の業務量や退勤時間をコントロールすることができます。定時は8:30出勤、17:30退社ですが、ご利用者様は16:30に送迎するため、7:30と早めに出勤して事務作業を済まし、16:45に退勤することも可能でした。理学療法士を対象としたセミナーが平日でも夕方から開催されることが多かったため、セミナー参加に合わせて退勤時間をコントロールすることができました。

その③:リハビリ以外の業務を経験できる

個別機能訓練(リハビリテーション)以外にも営業から請求までのさまざまな業務を経験でき、集客からご利用者様からお金をいただく所までの全体の流れを経験できます。私が病院に勤めていた時には請求業務は医療事務がおこない、営業や集客もおこなったことはありませんでした。将来的に独立して、自分で店舗や施設を持ちたい人には全体の流れと業務を経験できることは大きなメリットでした。

リハ特化のデイサービスの施設長になって大変なこと3選

リハビリテーション特化型デイサービス施設長の仕事は多岐にわたるため、業務の割り振りやそれにともなう人間関係がストレスとなることもあります。また、売上のことも気がけなくてはならないため、売上や数字を求められることがストレスになる場合もあります。

その①:業務を指示・分担するマネジメントが大変

デイサービスでの業務は個別機能訓練以外にも多岐に渡り、量が多いため1人では対応できません。私は当初仕事を人に振ることが苦手で、大変な仕事だから自分でやろうと仕事を抱え込んでいました。しかし、とても全て1人でできる業務量ではなく、立ち行かなくなりました。その際に仕事を振ったことで嫌われてしまうのではないかと他の職員にお願いすることに気が引けてしまい、転職当初はマネジメントに苦労しました。特に責任感が強すぎる人や頼みごとをするのに気が引けてしまう人はマネジメントに苦悩します。
また業務負担をスタッフ間でバランスを取らなければ不平不満が出てしまいます。全体のバランスを取るためにはできるだけ全ての業務を把握している必要があるため、転職当初は覚える業務量と種類が膨大で苦労しました。

その②:利益・売上を求められる

デイサービスの施設長を勤める上で、切り離せないのが利益・売上です。どんなに良いサービスをご利用者様に提供しても、売上が成り立たなければ、デイサービスの運営を続けていくことはできません。私が勤めていた事業所では、施設長の給与の中に目標達成手当があり、毎月のご利用者様人数と売上に目標設定があり、達成も有無で手当額が増減していて、売上に対してシビアな職場です。しかし、売上至上主義では、ご利用者様もスタッフもついてきてくれません。利益を求めながらもご利用者様優先の施設運営をしていくバランス感覚が必要です。

その③:請求業務

請求業務とは実費分をご利用者様に、介護保険分を各都道府県の国民健康保険団体連合会(通称:国保連)に請求するために主に月末にご利用月のご利用状況を集計、請求する一連の業務です。お金に関わるものなのでミスが許されず、確認作業も複数回おこなうため、時間と集中が必要な業務です。国保連への請求には期限が定められているため、期限が差し迫ると請求業務が終わるまで帰宅できないこともあります。


リハビリテーション特化型デイサービスの施設長は、施設運営の上で多くの責務がありますが、その分やりがいや見返りも大きいです。評価から統合と解釈をし、アプローチを図ってから再評価する理学療法の一連の流れは、組織を運営する上でも流用できる考え方です。また、理学療法士は普段から論理的思考をおこないながらも、患者様やご利用者様の感情やモチベーションにも配慮してると思います。優れた理学療法士は論理的に物事を考えながらも相手の感情理解に努めていて、組織マネジメントする上ではそのバランスは非常に重要です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?