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社会の中でパワーバランスが変わろうとしている。/未来の働き方を考えよう 書評

ちきりんさん著書の「未来の働き方を考えよう」を読んだ。
近頃、「働き方改革」や「自分らしく生きよう」「好きなことを仕事にしよう」という声が大きくなっている。それら自体は、ポジティブなことなのかもしれない。でも、ただ聞こえが良いだけで、自分にどういうメリットがあるのかはイマイチ分からなかった。

僕も会社を経由せずに、ご飯を食べていける仕組みを作れれば、それはそれでワクワクしそうだと思った。それらの疑問を解消しようと思い、この本を読んだ。

会社と個人のパワーバランスの変化

フリーランスや副業がメジャーになりつつある中、どうしてこのような流れが生まれたのか。それはインターネットの発達によって、今まで会社でしか出来なかったことが、個人でも出来るようになったから。

昔は何かを作るのにも、お客さんに買ってもらうにも、会社という組織を経由しないと出来なかったし、自分の懐にもお金は入ってこなかった。それをインターネットが、個人で物を作ることを容易にし、お客さんと直接やり取りすることを可能にした。

事務作業は外注出来るし、Twitterやブログ等で様々なHow toを発信する人も出てきた。その結果、会社にいなくても、家で好きな物を作って、欲しい人に売ってお金を稼げるようになった。

今までは会社に入らないとやりたいことは出来なかったし、お金を稼げなかった。しかし、今は会社に行かなくてもそれが出来るようになり、「会社って必要ある?」という流れが生まれつつある。

これが所謂、IT革命だと、ちきりんさんは言う。産業革命の時、貴族と市民のパワーバランスが逆転したように、現在では会社と個人のパワーバランスが変わろうとしていると。

確かに僕の周りでもフリーランスを名乗る人はちょこちょこいるし、収入の差はあれど、副業もみんな始めれるようになった。
会社に入るという目的が、お金を稼ぐことなら、会社に入らなくてもお金を稼ぐことが主流になっていく日は近いのかもしれない。


一昔前は字が綺麗に書けることが価値だった

パソコンが生まれ、そしてスマホが生まれたことによって世の中は大きく変わった。プログラミングや動画編集といったスキルが賑わってるのもその影響だ。これは読んでいて驚いたのだが、昔は字を綺麗に書けることが価値だったらしく、就活の時には結構重要なポイントだったらしい。

パソコンが世の中に浸透する前は、書類は紙に直接書いていたし、連絡も手紙だった。しかし今、字が綺麗に書けても、重宝されるのは硬筆教室の先生とかお寺?ぐらいなんじゃないかなと思う。

要するに、「今当たり前のように重要視されている技術も、時を経てば無価値になっていってもおかしくないよ」ということ。字を綺麗に書く必要がなくなったように、英語やプログラミングが特別必要じゃなくなる未来が来たっておかしくない。


40代でジョブチェンジするのが主流になる

会社から個人に移り変わろうとしていて、世の中が求めるものが変化する速度は、どんどん大きくなっている。そこでちきりんさんは「40歳でジョブチェンジしたら良いんじゃない?」と言っている。

人生が100年続くと言われる昨今、同じ仕事を20代から80〜90代までやるとしたら、60〜70年同じ仕事をやるようになる。これだけ身の回りのものや仕事が移り変わる中で、同じ仕事を60〜70年も続けるのは流石に飽き飽きしてくるし、そもそも仕事自体が無くなっててもおかしくない。

今までは同じ会社にいることがベターだったし、そこから外れる人は、恐れ知らずの冒険者のように見られていた。でも時代が変わって、みんなが冒険者にならざる負えなくなってきた。

そのジョブチェンジも、会社から会社に移ることもあれば、会社から個人。学校に再入学して、全く新しい仕事を始めるとか、色んな選択肢を40代で用意するべきだと言っている。40代なら20代の時とは違って、どんな働き方が自分に合ってるのかよく理解しているからだ。

お金がいっぱい欲しいなら沢山働けばいいし、そこそこで十分なら、サクッと働いてあとは遊ぶとか。ガッツリ稼いで暫く休んだ後に、新しい仕事をするとか。そういった多様な選択を今では選ぶことが出来る。

貯金を蓄えて死ぬまで逃げ切るより、自分自身で働き方を形成して、貯める力より稼ぐ力を付ける方が大事だよね。ということだ。


自分の生き方を自分で決める

とは言え、「何をやったら良いのか分からない」と思う人もいるだろう。

まずは、自分の手に入れたい人生を具体的に思い浮かべてみるといい。
週に何時間働いて、月収はいくら欲しいのか。家は賃貸か、一軒家が欲しいのか。ある程度思い浮かべれば、自分の理想的な生活に何が必要なのか見えてくる。

個人で稼ぐとはいっても、別に起業しろというわけじゃない。身近なアイテムを使って、世の中の人は今、何を求めているのか分かるようにする練習をすれば良い。それこそSNSでバズりそうな記事を考えてみてもいいし、YouTubeで今どんな動画が流行っているのか知るのも、その感覚を養える。

そして時代が求めてるものを察知して、そこに自分の技術を提供し、その対価としてお金を貰い、ご飯を食べる。これが個人で稼ぐということ。 そしてそれは夢物語でもなく、どんどん現実味を帯びてきている。

みんな自分の生き方を今一度自分自身に解いてみるべきなのかもしれない。


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