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桃の花のある暮らし

期待しすぎないことが、
嬉しいに繋がること


皆様こんにちは、
絵本作家のまつしたゆうりです。
 
だんだん日差しに力強さが戻ってきて
春の気配を感じる今日この頃。
 
3月3日の桃の節句に
お雛様のご準備をされたり
桃の枝を求めて飾ったりされているかと思います。
 
が!
 
桃の花の開花って
もう少し先なのをご存知です?
 
本来なら3月中ば〜4月初め頃に咲くのだそう。
(今年の旧暦3月3日は、4月11日)
 
これって
旧暦の暦の日にちを
そのまま新暦に持ってきてるから
おこっちゃうズレなんですよね。
(約ひと月、遅く来る感覚)
 
なので
旧暦の暦に合わせようとすると
なかなか桃の枝をゲットできないのですが!
 
我が家では一昨年から桃の木を育てているので
毎年旧暦に合わせて
桃のお花見が出来るようになりました。

子供の背丈くらいしかない小さな木なのですが、
小さいからこそ、
毎年蕾を付け満開の花を咲かせてくれる姿に
無性に勇気付けられています。
 
 
そもそもこの桃の木を買ったのは
桃の葉をアルコールに漬けて
あせも予防のチンキを作りたかったから。
 
なので「お花は咲かなくてもまあいいやー」
くらいの、気楽な心持ちでお迎えしたんです。
 
が。
 
買った本人がびっくりするくらい
初年度からいくつもいくつもお花を咲かせ
新しい枝も伸ばしてくれて
 
そして何と!!!
桃の実まで付けてくれたんです…!!
 
もうほんと
棚からぼた餅の心地で。
 
 
「桃栗三年柿八年」という言葉があるように
桃と栗と柿は
「実が付くまでに時間がかかるんだなあ」
というイメージがあったので
初年度から実るなんて思ってもみなかったんですよね。
 
だから初年度
ひと粒の実が成って
大きくなっていって、
普通に売っている桃の四分の一くらいの
小さなおままごと道具のような桃だとしても
飛び上がるくらい嬉しい出来事に感じたなあと。


 
これってね
 
もし
「普通に売ってる桃くらいの実をいくつも収穫したい!」
って目的で育てていたら
こんなに嬉しくはならなかったんだろうなあと
思うんです。
 
 
葉っぱだけのときは
「ちゃんと花が咲くんだろうか」とやきもきして、
花が咲いたら咲いたで
「実になるんだろうか」とそわそわして、
実が出来たら出来たで
「大きくなるんだろうか」とハラハラする。
 
何かに期待することって
楽しみな心地を増やすきっかけにもなるけれど、
過度な期待は心を無駄に擦り減らす要因にも
なるんじゃないのかなあと、
思うんですよね。
 
 
こんな風に
「これはこうなって当たり前」
「これはこうするべき」
の心持ちで
つい接してしまってることって
日常で結構ありません?
 
 
家族に、
友達に、
周りの人に、
自分にだって。
 
見えない鎖のように
「こうあるべき」
の呪い?をかけちゃって
お互い(より自分の方が)
苦しくなっちゃってることも
あるのかもなーと。
 
 
だから
「洗濯物が籠に入ってない!」とか
「食べたものを片付けてない!」とか
思い通りにいかないこと
想定外の細かなイライラ案件って
絶対どこでも誰でも人と関わって暮らすたび
出てくると思うんですけど
 
例えば「片付けでいえば」
そもそも「片付けれる」という前提でいるから
イライラしちゃうんだなあと(笑)
 
 
「桃の花が咲かなくてもいい」
と同じように
「片付けれなくてもいい」と思って接していたら、
もし、たまたま片付けてくれた時がきたら
「やっと片付けおったなコイツ」じゃなくて
「え?!片付けれるの?凄いじゃん」と
めちゃめちゃ嬉しくなる。
 
みたいなくらいの方が
お互いストレスなく生きれるのかもなーと。
 
 
何より自分に
「こうあるべき」
「こう出来るべき」
の呪いの言葉をすぐ吐いちゃいがちの人には
ぜひ試してみてほしい!
 
  
ふと俯瞰してみたら
今日、美味しいご飯が食べれるのも
あったかいお風呂に入れるのも
美味しい空気を吸えるのだって
何なら生きてることだって
 
奇跡のように
有り難いことだって
思うことも出来るんですよね!
 
そう思うだけで
多少のことは
どーでもいいというか
自分でままならない些末なことでイライラするよりは
 
自分で出来ることに全集中して
相手に(自分にも)期待しすぎないで
ゆるりと構えて暮らしていきたいなと
桃の木との暮らしを通して
気付かせてもらえました。
 
皆さまも
「桃の実が付いたらラッキー♪」
くらいのゆる募な心地で
ぜひぜひ、毎日をゆるり暮らしてみる
きっかけになれば嬉しいです。
(とはいえ イライラしちゃうものですけどね!笑)

 
 
そうそう!
 
昨年は桃の実が
10個程付きましてですね!!
 
実り終わりに肥料をあげたのが
良かったのかもしれません。
(感謝を形にするのも大事!)
 
たくさん実が付き過ぎると
ひとつずつが大きくなりにくいので
悩みに悩んで3つだけ残しました。
 
熟してから食べたら
お店で買う桃より甘すぎなくて、
でも命の輝きはギュッと濃密で、
昔々の桃は小さかったと文献で読んだことはあったけれど
 
きっと大好きな奈良時代の人々が食べていた桃は
こんなサイズで
こんな味だったんじゃないかなあと
体感できた日でした。
 
 
甘いものが少ない時代
この甘さがどれほど贅沢だったか。
 
「今の常識の基準だけで比べない」
というのも大事だなあと
思うんですよね。
 
昔々の中国では神や仙人に力を与える
樹&果実と思われていたそうで、
日本の古い物語集、古事記にも
桃の実で災いを退けたお話もあるくらい
特別で、素晴らしい木。
 
別の時代や価値観のレイヤーを重ねるだけで
「私の知ってる味と比べて美味しか美味しくないか」
だけじゃない感じ方が
出来るのかも知れないなと思うのです。
 
 
春は華やかな桃色の花で楽しませてくれて
初夏は艷やかな緑の葉っぱで薬効を与えてくれて
晩夏には甘やかな果実を実らせてくれて
冬は小さな蕾が愛らしく。
 
どの季節の桃も
「こうあるべき」じゃない心で
今年も接していけたらいいなあと
その心で
いろんな人に
自分に
今年も向き合っていきたいなと
桃を見るたびにこの心を思い出しつつ。
 
 
それではまた来月、
暮らしの草花から気付いたお話をシェアしていきます!
ここまでお読みくださり有り難うございます、
また来月も心がふわり軽く輝く欠片をお届けできれば嬉しいです。

今月の一枚 「桃の花香る日」

※こちらの原画は、次の記事更新までの期間限定で
ちょこっとお手頃価格で販売します。
合言葉「桃栗三年」を備考欄にご記入してご購入ください*
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まつしたゆうり
 
「心をつなぐ扉を描く」絵本作家、水彩画家、文筆家

共感覚で見える色と、言葉を模様に込め、
心をつなぐ扉となる物語をお届けします。
やわらかく、神秘的で、ちょっと切ない絵。 鳥好き、日々着物暮らし。
https://www.yuuli.net/

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