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向かい風にどう向き合うのが正解か

コロナに続き、ロシア・ウクライナ情勢の影響が顕著になる日本の経済。末端の建設業にも向かい風が吹いている、という話

つい先日まで、現場や仕事仲間とで挨拶代わりに話していた話題といえばコロナ禍による仕事の影響。ロシア・ウクライナ情勢が悪化の一途を辿るようになり、まず起こったのが建築資材の値上げ。

去年秋ごろ、コロナの影響で値上げを通告されたばかりだが、今度は戦争の影響ということで再度、各メーカーから値上げの通告をされた次第だ。価格の改定に伴い、各業種に大きな影響を与えたこともあるが、そもそもの資材の供給が鈍り、工事自体がストップ、または延期ということで、建設業全体的にコロナ以上の停滞感が蔓延している。

今日、工事をお願いした外注業者と世間話をした際にも、仕事の受注率が下がっていると報告があり、先日のゴールデンウィークは10日間キッチリ休みをとることを余儀なくされたそうで、従業員にとっては嬉しい大型連休となっただろうが、経営者にとっては不本意な連休であったと想像する。

このところ、この業者に限らず、仕事にあぶれた会社が多く見られ、このままいけばコロナ禍のときより、倒産件数が激増するのではないかという感覚を持たざるを得ない。

コロナ禍での影響は飲食業や観光業とは違い、建設業界においては一過性のものであったが、今回の向かい風はそれとは比べ物にならないほど深刻な様相なのだ。戸建住宅やアパートなどの木造建築は特に深刻で、コロナに続き、今回の戦争の影響で二度目のウッドショックを喰らっている。

どこも木材が手に入らず、建設の目処が立たないため、戦争という嵐が過ぎ去るのを傍観しているほか手立てがないのだ。

弊社の業種も少なからず影響を受けているが、発注物の遅延程度で、通常の倍の納期ではあるが、供給が完全にストップしているわけではないので、遅延の為のお願いや謝罪はつきものになってしまったが、なんとか事業を止めることなく営業できている。

しかしながら、いつ弊社の業種にも火の粉が降りかかるやもしれない状態である。会社を守るにはどんな姿勢をとり、向き合うのが正しいものか。現在すでに仕事にありつけなくなってしまった業者の立場に立って考えてみるなら、きっととにかく支出を減らし、それでもなお、費用がかからない方法で集客力を弱めない姿勢を貫くだろう。

言うは易く行うは難しだが、完全に会社の資金が枯渇してしまう前に、傍観だけは避けなくてはならない。今のリソースをフルに活用し、既存客に営業をかけまくるとか、OB客に電話をしまくるとか、資金をかけなくともできる泥臭い施策はいくらでもあると思う。

銀行から追加の融資を受ける、または現在の返済をリスケしてもらう、国からの補助金を得るなど、とにかく会社の資金が枯渇しないように1円でも多くの資金をかき集めるとともに、暇になってしまったことで遊んでしまっている従業員総出でお手製のチラシを作り外営業に回ってもらうなど、方法は考えればあると思うのだ。

稀に見る向かい風に気持ちも弱くなりがちだが、ため息は事態が収まってからつく方がいい。この状況がいつまで続くかは見当もつかないが、今はただ会社として生き延びることだけに集中する時期だろう。

弊社も楽観視はできないが、一社でも優良な会社が倒産しないことを今は願うばかりである。

未曽有の事態に立ちすくむことだけはしてならない。とにかく動く、落ち込むのはその後だ


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