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好転のきっかけは極限まで絞った市場から

今の商売で成果が出せないのは過去から蓄積された現状に問題があるからである、という話

年末に中途半端に終わった自室の整理を再開すべく、朝から取り組んでいる。

ほとんどは過去に参考にした本や資料などの廃棄を中心に整理を進めていたのだが、当時は貪るようにして読み込んだマーケティング関連の本や資料がわんさか出てきたのだ。

大掃除あるあるだが、ついついそれらのものを懐かしく手を止めてパラパラとめくっていたのだが、付箋や赤線を引いた箇所にはやたらと「絞る」、「決める」、「捨てる」といったワードがメモされていた。

当時の会社の状況は、売る上げの低下を食い止めるためにできる限りカテゴリーを広く捉え、よもやなんでもござれのリフォーム屋のような業態で、いただける仕事はとにかくこなすようなスタイルで儲からないながらも忙しく働いていたのを記憶している。

しかしながら、不得意やはじめて取り組むジャンルの仕事も多く、ひとつの仕事をこなすのに今考えればかなり無駄な時間と労力を割いていたのである。そんな調子であるからに、クレームも少なくなく、それをカバーするためにさらに無駄な時間と労力を割くという、なんともお粗末な状態であったのだ。

そんなことでは利益など出るはずもなく、どうしたらもっと効率的に、そして高い利益が得ることができるだろうと、悩んだ末の情報収集として、今まさに処分しようとしている本やセミナーなどの資料を手にとっては貪るように読み込んでいたのである。

失敗を繰り返しながらも一貫して更新していったのは、メモにも記していたように「絞る、決める、捨てる」といった市場の絞り込みである。現在もその都度更新しているが、その当時は過去の市場を180度転換するような大きい決断であり、今ままでの市場を捨てるということに躊躇がなかったかといえば、それはウソになる。

正直、そこそこの売上げを上げているカテゴリーまで思い切って捨てるという行為はなかなか踏ん切りがつかない。決して一気に変えてしまうことを推奨はしないが、気持ち的にはタイミングを見て少しずつ新しい市場に移行するという方向性は考えてみる価値があると思うのだ。

なぜなら、今の状況を構成している売り上げは過去の蓄積であって、その内容が至らないからこそ、現状が苦しいのだ。であるならば、その乏しい要素は新しい可能性のある分野に移行することで今よりはマシになることが期待できるからだ。

無理なくということであれば、年間の売上げの下位数社、ないし数カテゴリーから廃棄してその分のリソースを何か新しい分野にチャレンジしてみることで可能性の幅は少しずつ広がっていくだろう。現状に何も更新する施しを加えなければ、苦しいままか、ジリ貧に傾いていくことは想像に難くない。

そんなことを考えながら過去の知識を処分するに至るということは、もはやその知識が陳腐化されたという意味でクリアできたと思っている。

それでも、マーケティングやランチェスター戦略の王道である、絞った上で強みを集中するという方法はこれからも事あるごとに応用していく施策になるだろう。

強みを生かせる状態まで市場やカテゴリーを絞ることで自社の価値を最大化することが可能である。廃棄には勇気が必要だが、決断も経営のうち


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