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【商売】だから「運転資金」は必要なのだ

商売において、不測の事態はつきものである。その際になにより心強い存在が会社の預貯金、内部留保という運転資金である、という話

昨日の夜はとある建設関係の経営者の方と食事を共にしていた。

最近の商売についてあれこれ話をしていたのだが、その方は現在ちょっとした問題を抱えているようであった。



その問題とはズバリお金に関することで、着手した工事が予想以上に長引き、資金繰りに困っているというような内容である。業種によっては仕事をしてもその代金が支払われるのが1ヶ月以上先、なんてことは珍しくない。大きな工事を請け負っている会社では3ヵ月先や半年先なんてことだってある。

その方の業種であればおおよそ1ヶ月から1ヶ月半のサイトで代金が支払われる感じであるが、現場で問題があり、工事も大詰めであるにもかかわらず、最後の仕上げができない状態ゆえ、請求書が出せないようなのだ。



そんな問題を抱えていても仕入先の支払いは発生する。それを自転車操業で資金を回しているのなら大きな痛手。実際にその方は会社の現預金がほとんどないということで、一時的に自分で持ち出しのお金を工面する必要があるという。

これはまだ工事さえ完工できれば回収可能なケースだが、発注者が支払いを逃げていたり、倒産したなんて事態であれば持ち出したお金は返ってこない可能性が高くなるのである。



いずれにしてもお金の問題を抱えてしまうと、メンタル面に支障をきたし、その他の仕事でもミスなどを誘発してしまう。こうなると負の連鎖が止まらなくなり、通常の売上げもガタ落ち、下手すれば取引相手の信用まで落とす事態だって考えられる。

わたしも資金繰りの不安は何度も経験済みであるし、今でもタイミングのズレから予定していた売上げが次の月に持ち越すなんて事態もよくある話。その際には会社の現預金から一時的に補填しているが、その現預金もそうした今までの痛い経験から学び、毎月コツコツと積み上げてきたものだ。



商売では何が起こるかわからない。運転資金として使い道は定めていない余裕を持つことで、不測の事態にも焦らずに行動ができるもの。積み上げるだけの余裕がない、ということであれば、それは商売の内容自体を改善する必要があるのだ。

昨日は重たい空気の中、「お金を貸してほしい」という相談ではなかったが、なんとも考えさせられる夜であった。

商売の場合、余裕があるから平常運転ができる。その余裕を作るのも仕事のうち


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