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【新事業】「儲かりそう」より「知っている」という発想から始める

ビジネスプランを考える際に、成果を最重視するよりも、自分が知っている領域からの転換などから発想した方がいい、という話

とある同業者の方の新ビジネスについて意見を求められた。

こういった機会は度々あるのだが、往々にして自身の商売がふるわない方にかぎって夢見がちなプランを立てる傾向にある。

話を伺った方がそういった属性の方かは別として、この手の話を聞いていると思わず心配になることが多いのもよくある話だ。



まず基本として、そのプランがどのような構造だから儲かる、といった安易な発想を広げがちで、その程度の構造で儲かるのなら他の誰かがとっくにやっているのでは?と思ってしまうのだ。

そしてよくあるのが「儲け」を重視するあまり、自身の商売とはまったく別分野の業種で新しいこと始めようとする。そのチャレンジ精神を否定するわけではないが、その時々で流行や業界の勢いなどは確かにあると思うが、自身があまり知らない領域に突っ込んでいくのはリスクしかないと思うのだ。



たとえ、一時の波に乗れたとしても、その波がその後も続く保証はないどころか、その波をフックに自社のリソースを考慮して独自で修正を行えないかぎり、波に乗り続けることはできないだろう。

それくらい「知らない」という要素は不確実な商売の世界ではリスクとなることを自覚した方がいい。

その一方で、自身がよく知っている、という分野であれば、ある程度のマイナス要素も事前に予想もできるし、その分野の特性を生かしたピボットなどの対応もできるかと思うのだ。



であるからして、新しいことを始めるには、「儲かる」という幻想より「知っている」から挑戦できるという低いハードルからスタートするのが賢明だ。

知っている分野でのスタートでさえ、おそらくはじめから上手くいくようなことはないだろうし、そこに「儲かる」いがいの他の熱意のような理由がないかぎりモチベーションを持続することはむずかしい。



新規事業でももう一花咲かせたい、という気持ちはわからなくもないが、まずは現在の事業である程度の経験を重ねて成果を出すことが先決だと思う。そうすれば商売の本質が理解できるし、どのようなプロセスで思うような成果に辿り着くか、という感覚も身につくと思うからだ。

儲け話などその辺に転がっているわけはない。「もう少し堅実な方向で考え直したらいかがか?」と意見したわたしに彼は「保守的だな」とあきれていた。

「知らない」という事実はそのままリスクに変貌する



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