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【ターゲティング】「売上げ」か「顧客」か、その選択を誤ると未来は厳しい

一過性の売上げを求めて、既存顧客の対応が雑になれば、本来の商売は立ち行かなくなる。甘い蜜にはいつだって毒がある、という話

昨日の夕方、仕入先の営業と来月の案件について打ち合わせを行った。

仕入先の4月から今月までの売上げは前年比50%越えと好調であるが、来月以降は受注の見込みが激減する見通しだそうだ。

それも国からの補助金事業が影響しており、その補助金の消化が今月で終わることから、例年の売上げに戻ってしまうか、最悪の場合それ以下の数字に減少するという予想らしいのだ。



仕入業者ということで、その先の納品先が補助金事業に邁進した業者が多ければ、当然影響は大きい。聞くところによると、8割方の業者はこの一過性の追い風を逃すまいと、自社のリソースを投下したようなのだ。

おそらく同業者のほとんどは今月までの売上げは好調なのだろう。だがしかし、その売上げに対しての利益は本当に会社を満たすことのできる内容だったのだろうか、わたしには疑問である。



弊社の4月から今月までの売上げはまずまずの前年比10%超え程度。それでも売上げや利益の内容を考えると危機感しか抱かないのだ。

しかしながら他社と比べて安心できるのは、既存顧客によってあげた売り上げという点。補助金事業にはほとんど関与せずであったため、例年通りの売上げに少し上乗せしたかたちであり、来月以降ガクッと下がるようなことはないだろう。



以前にもnoteに書いたが、商売をしていれば誰だって売上げは欲しい。だがその売上げをどのようにして上げたかが重要なのである。

今回のような補助金事業で群がってくる顧客は、普段は接点のない顧客層であることが多い。それゆえ、補助金で目的を果たしたら離れていくような関係性なのだ。



そこを接点に常連顧客として取り込んでいける戦略を持ち合わせている会社や、一過性の売上げの割り合いを考えて、既存顧客の仕事もバランスよくこなしていける体勢が整っている会社なら問題はない。

問題なのは目先の売上げに飛びついてしまい、大切な既存顧客の対応が後回しなどの雑な対応に終始してしまう会社である。



事実この数ヵ月、弊社のところに「今の業者の対応が悪い、御社で面倒を見てくれないか?」という類の問い合わせは何度かいただいている。そのすべてが補助金の余波とは思わないが、顧客は自身に意識が向いているか敏感に見ていると思うのだ。

顧客との関係性は一朝一夕には構築できない。育てていく必要があるのだが、そんな関係性も破綻するのは一瞬であり、いつだって顧客は「意識」という誠意を求めている。

そこを重要視すればおのずと自社の顧客は誰か、という問いには答えがであるはずである。目先の欲にとらわれた代償は大きい。

世の中の波に翻弄されず、自社の一番大事な存在は何か、という問いを常に持つ

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