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【独自】リフォーム界における「オバちゃん」という最高のポジション

商売において、いかに顧客とのコミュニケーションを重視して共感性を得るか。親近感、安心感、信頼感、などを持ち合わせた存在とは?という話

昨日の夕方、とあるリフォーム会社の女社長が事務所を訪ねてきた。

ある商材についての情報収集ということであったが、熱心にわたしの話を聞く姿に衰えぬ商売への熱意を感じていた。この社長とはもうかれこれ20年近い付き合いである。

創業者の社長が亡くなられた後、当時パート事務員として働いていた彼女がそのまま会社を引き継いだと聞いて驚いたのを鮮明に覚えている。リフォーム会社といっても当時から現在に至るまで、社長と年配の職人が一人という体制であるが、社長の努力もあり商売自体は右肩上がりという印象を持っている。



20年間忙しくできている理由は社長のポジションにあると思っている。商圏内には数えきれないほどのリフォーム会社があるが、どれも変わり映えのしない、言ってしまえば特徴のない会社ばかりである。

業務システムやデザインセンスこそリフォーム会社の体をなしているが、それはもはや当たり前の基準として独自性や差別化の要素にはなっていない。

その点、社長の会社は業務システムやデザインセンスこそ平均以下であるが、それ以上に社長自身の年齢に近い顧客層の心をつかむノウハウに長けている。



一般のリフォーム会社が狙う30代~50代の機能的でデザインに富んだリフォームを求める需要ではなく、50代後半からのバリアフリーを含めた「人生最後のリフォーム」を検討する顧客層にササるのだ。

現場で井戸端会議のように話を盛り上げ、そこで顕在化された問題を解決するリフォームを提案する。そこではオバちゃん(失礼)だから説得力のある提案ができるし、オバちゃんだから共感できる点も多く、顧客層の心をつかむことができると考えている。



そして、社長のような高齢の女性でリフォーム業を営んでいるポジションが少ないことも目立つ要素になっているし、社長の容姿(本当にどこにでもいそうな近所のオバちゃんである)も相まって仕事を切らさず商売を続けられている。

それを何の戦略もなく当たり前のように行っている社長に凄みを感じるのだ。昨日の打ち合わせのあと、なんとなしに「いつも忙しそうですごいですね」と伝えた。

それに対し「なんもすごくないよ、自分がされたらうれしいと思うことを実践しているだけだから」と返された。

このシンプルなマインドを軸にできるのは簡単なようでむずかしい。自分に置き換えて少し考えなおしてみようと思った次第。

自社の特性を活かし、何ができるかを明確にすると提供できる「価値」が見えてくる


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