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インタビュアー蒲田健の収録後記

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収録後に感じたこと考えたことを語ります!
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2018年4月の記事一覧

蒲田健の収録後記:池澤夏樹さん

蒲田健の収録後記:池澤夏樹さん

「始まりと終わり」、ではなく、「終わりと始まり」

池澤夏樹さんの最新刊「終わりと始まり 2.0」

モノ申し続ける作家である池澤さん。口調は激高しているわけではない。

ある意味淡々と理を積み上げてゆく。しかし根底にある思想は極めて骨太である。

月一で新聞に連載しているコラムをまとめた今回の一冊。2013年から

2017年までのものが収められている。震災への対応、トランプ政権の誕生、

アラ

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蒲田健の収録後記:堀潤さん

蒲田健の収録後記:堀潤さん

大きい主語から小さな主語

堀潤さんの最新刊「SNSで一目置かれる 堀潤の伝える人になろう」

かつては一部の限られたメディアによって発信されてきた情報は、

SNSの急速な進化によって誰もが発信しうるものになってきた。

誰もが「伝える人」になれる環境。

しかしながら伝えやすさが上がるのに比例して、リスクも上がってくる。

かつては不用意な発信をしたとしても小さな範囲で終息していた類のものが、

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蒲田健の収録後記:文月悠光さん

蒲田健の収録後記:文月悠光さん

臆病だけれどもそれだけではなくなった

文月悠光さんの最新刊「臆病な詩人、街へ出る。」

史上最年少で中原中也賞を受賞した女子高校生は、年を経てやがて大学生になり

卒業した。

華々しいデビュー以来、周りの期待に応えなければというプレッシャーの中、

彼女は色々なことに対し臆病になり、一歩踏み出せない状態となる。

そんな中、編集者との話で、一歩踏み出せないことに対する挑戦をエッセイとして

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蒲田健の収録後記:大澤真幸さん

蒲田健の収録後記:大澤真幸さん

ウルトラマン≒日米安保条約

大澤真幸さんの最新刊「サブカルの想像力は資本主義を超えるか」

早稲田大学の人気講義の書籍化。

ITデバイスの急速な普及により、現代社会に暮らす特に若者たちは身の周りの

物理的にとても狭い範囲で生活が完結しかけている。一方でグローバルレベルでの

世界へのアクセスも希求している。この二つの欲望の中に引き裂かれている。

転換点の源流は、資本主義vs社会主義の構図が

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