インフレの激流のなか、展覧会図録の革命は起きるのか?
突然ですが、紙の価格の高騰がえげつないです。
昨年比で、1.5倍ぐらいになってます。
過去、東日本大震災の時にも紙の価格高騰がありましたが、あれは製紙工場がストップしたことなどにともなう、一時的なものでした。
ただ、今度は状況が違います。原油価格や輸送費など紙の生産に関わるあらゆるものの値段が上がっているので、いつ収束するのか見通しがつかないどころか、さらなる価格上昇の可能性の方が高いです。
なんでそんな話を急にしているかというと、美術館は結構印刷物を作るから、切実な問題なのです。
基本的に予算は前年度をベースにしてつけるので、印刷会社から見積もりをもらって「え、いつもの部数を刷るのにこんなにかかるの!?」と目ん玉が飛び出る今日この頃です。
使う紙のグレードを落としたり、厚みを薄くしたり、部数を減らしたり、あれやこれや工夫をしてしのいでいます。
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さて、ここから本題の展覧会図録の話にうつります。
図録も印刷物なので、当然ながら現在の急激なインフレの影響を受けています。
先日、印刷会社の営業さんと話をしていたのですが、そこで出たのが「これからはわざわざ印刷物を作るということの意味合いが変わっていくかも」というような話でした。
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