見出し画像

自信はありますか?※若手教師の評価

私は若手教員。6年目だから。初任の勤務校のまま、6年目を迎えた。

「若手」っていつまで呼ばれるのかはわかりませんが、まあ10年くらいなんでしょうかね。その次は「中堅」教員ですもんね。

自信に気を付けて

さて、あるドラマを見て考えこんでしまったことがある。
それは、「だんだん慣れてきて経験を積んだ若手が、天狗になって自分の能力を過信してしまう」という現象のことだ。
そのドラマでは、中堅やベテランが「私もそういう時期ありましたねー」と言っている。若手に対してベテランが「気を付けて」と注意している場面もあった。

んんー確かに。と思わず自分事にとらえた。
言われてみれば3年も経つとさすがに一通りの教員生活を知ったようなものと思ってしまっていたかな。
最も大事な仕事である「担任」という仕事。学習指導、生徒指導。保護者対応。まずこれは覚えるよね。
そしてその他の校務も任されるようになってくる。私は管理職から学校研究もやるようにと言われた。はじめは不安だったが、慣れてくれば自信を持って各担当教員に指令を出すようになっていた。
そして慣れたら「自信がつく」。困ったことに、周りからのアドバイスを受け入れず、自分の(たった数年の)経験で物事を判断してしまうといことだ。
大きなインシデントはなかったものの、やっぱりヒヤッとするような場面は何度かあった。学年主任や管理職への報告はするとしても、相談をせずに指導してしまうことも。

さて、こういった現象は何なのか。ちょいと検索してみると、
「ダニング=クルーガー効果」というものらしいことがわかった。

自分の能力は低くとも、なぜか自信たっぷりになってしまうことだ。
ど素人が自信満々に仕事をしているというのを見た人もいるかもしれない。
自分は他人よりも優れている、と錯覚してしまうのだ。

自信満々にパフォーマンスをするも、結局挫折を経験してしまう。その後、やっぱり上には上がいる、と自分を省みて、コツコツ努力をしていく。
その結果、能力も自信も徐々に上がっていく、というのが一般的な成長なんだろう。グラフに示されている通り。

さて、ここまでがダニング=クルーガー効果の説明だが、問題は「何をもって教員は能力が高いのか」ということだ。

すぐれた教員ってどんな人?

教員の能力評価ってどうやっているの?といつも不思議に思う。
第一に、「学級が安定しているクラス」を作った人は優秀な教員なのか、ということさえ疑問だ。
もちろん、安定していることは素晴らしい。だが、もしかしたら崩壊クラスを引き継いだのかもしれない(だれが持っても安定するクラス、というのも存在しないとは思うが)。

文部科学省の資料を見てみよう。

「令和の日本型学校教育」を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について関係資料https://www.mext.go.jp/content/20210312-mxt_kyoikujinzai01-000013426-3.pdf

はい。よくわからんが、大雑把には書いてある。
この方針をもとに各自治体で定めている評価基準(規準?)のようなものがあるんだと思う。

うーん。指導力が「高い」ってのはどんな状態なのかな。
同僚の授業を参観させてもらって、心から尊敬する先生を見つけることはある。やっぱり「すげぇ」ってなる。
ただ、客観的に、何をもって「指導力が高い」といえるんだろうか。リストくれ。

例えば「一斉授業が成立している」という評価項目があったとしよう。
現代において、一斉授業が必要か、と問われるとハイとは言い切れない。
AL(アクティブラーニング)を推進しているわけだし。

各都道府県のそれっぽい評価項目を見てみると、例えば「集団を掌握できる」なんてものも。うーん。掌握?
「授業において問題解決が~」って、問題解決だけが学習指導ではないし…。

各教員によって指導方法は異なる。一斉授業でバンバン進めたい教師もいれば、もはや自習みたいにどんどん習得される教師もいるだろう。
または、現代で求められている資質能力に合わせて、ALだったり、PBL(プロジェクト型)とか。他、ファシリテーションを意識したものとか、様々取り入れる教師もいる。
多分、後者の方が評価は高いんだろうね。

じゃあ子どもの姿を見て評価するのかってのも違うよね。当然、クラスのテストの得点で評価するのもおかしい。だって子どもの知能なんて先天的なものもあるし、環境や親の収入によっても様々。

いよいよ教員の評価ってなんなのかわからなくなってきた。数値化なんてできないだろうね。人間だもの。教育だもの。

そんなわけで、まとめとして。

  • とりあえず若手は調子に乗りすぎず、慎重に。

  • 資質能力はもっと細かいリストがあるといいんだけど、そんなことはきっとできないだろう。

  • 客観的に資質能力の評価をすることは難しい。

  • 少なくとも「授業改善に努めている」状態は、評価されると思う。

  • 指導方法は人それぞれ。何が正解かはわからない。

  • 「教育」は、理屈が通らないものがたくさんある。

  • だいたいのベテランは、経験もあるし、自分より能力が高い、と思った方がいいのかも。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?