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厳しく指導することの大切さ。女王の教室に学ぶ指導法②

厳しい社会の現実

担任が繰り返し伝えているのは「世の中はそんなに甘くない」ということ。
貧富の差、学力の差によって生活は全然異なっているということを伝えているのかと思う。
「幸せになれるのはたったの6%」とも言っている。

現場にいると、次々に子どもの心が折れ、逃げているような現状があると思う。

愛することと甘やかすこと

このドラマの担任は、とんでもなく厳しく指導する人だ。放送した当初は抗議する団体もいたようだ。かなり過激なシーンもあったわけだから無理もない。
しかし、よくよく考えてみると、子どもは「育てたように育つ」。厳しく指導したことで、結果的に子どもは大きく成長した(あくまでドラマの話ですが)。厳しさがなければ、子どもの成長は小さいものだったかもしれない。

例えば、学習ができない子に対して、「できなくてもいいんだよ」と言ったらどうか。「大丈夫。教えてあげるよ。」という声がけは?
一見すると、優しくて親切丁寧な先生のように見えるが、自立するためにはどんな言葉が最適なのだろうか。
指導によっては、自分で何とかしなきゃと考え、行動に移せるようになるかもしれない。

子どもに寄り添って愛情をもって接することはとても大切だが、場合によっては子どもが大人に甘え、助けてくれると思い、大人に依存してしまうこともある。結果、いつになっても自立できず、親のせい、教師のせいと他責。

担任は「自分のことは自分で責任を持ちなさい」と強く伝えた。
なんでも他人のせいにばかりしてしまう人間が多いと感じたのだろう。
実際、何か子どもに問題があると、真っ先に担任に矛先が向けられる。
それだけ子どもの責任を預かっているというのは重々承知だが、実際はどうかわからないものだ。
子どもが抱える問題というのは、複雑であるはずだ。学校の友達や担任との関わりだけではない。学校外の友達関係もあるかもしれない。親との関係もあるだろう。今はネットでもつながっている。そうした様々な原因に対して、子どもは人のせいにして、あとは教師や親に訴えておわり。
「せんせい、〇〇くんからイヤなことをされました」クラス子どもが頻繁に訴えてくる。
「先生、うちの子こんなことされてるんですけど!」と保護者。

これでは子どもは自立できない。このドラマはそう訴えているのではないだろうか(極論ですが)。

もちろん、教師に助けを求められたら解決に向けて手を差し伸べるだろう。
しかし、自分で問題に立ち向かうという力がなければ、学校を出てから困るのは子ども自身である。
だからこそ、もっと自分たちで考えて、行動してほしい。そのような思いが担任にはあったのだと思う。

学校は自分を鍛えるところだ。

いつまでも弱いままでいてはいけない。
将来のために、強い心を身に着けてほしい。
そのような思いがある教師は、たとえ愛情があったとしても、決して甘やかさず、子どもたちのために厳しく接しているだろう。

ジレンマとしては

一点気になったことがある。
困っている子どもがいたときに、どこまで見守るかという点だ。
女王の教室では、いじめ問題に対し、担任が仲介したり、指導したりするという様子は一切見られなかった。
子どもに自立を促すなら、極論としてはありなのかもしれない・・・いやいや、どう考えてもナシだ。
やはり、現在の子どもの実態を考えると、完全に見守る(いや、これは放置と言ってもいいだろう)ことで解決するわけがない。
そして、24時間子どもの様子を監視することも不可能だ。

理想は「自分でいじめに立ち向かって解決!」だが、小学生の段階ではなかなか難しい。
最低でも、教師が仲介し、子ども自身が自分の考えを伝え、解決に向かっていくしかないのだろうと考える。
いじめ問題は子どもの自殺に追い込むほど強烈なものだ。
この点は、絶対に見習ってはいけないものだと思う。


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