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ロンリー仮面ライダー【井上勝正『サウナの賛歌は人間賛歌!!』第20回】

そのサウナの魅力は、そこにいる人を見ればわかるーー。”サウナそのもの”熱波師・井上勝正が、人を通じて”サウナそのもの”が醸し出す熱量のもとを探ります。

この間息子と映画を観た、邦画だ。
ちょっと「変な映画」だ、ボクは息子とずっとこういう風な変な映画を2人で観たいと思っていた。

少し以前の息子は最先端の物が好きだった。
映像、そしてその画面に映るキャラクターだってそうだ。

それを好んでいた。

でもある時期から変わった。
ある時期から全てではないが多少の古さを感じさせ、そして不完全な物を見ても楽しめる様になった。

息子と観たその映画は50年以上も前のリメイクもしくはリブート作品であり、それは迫力ある再構成作品だとボクは感じる。
劇中流れる音楽も、エンディングで流れる曲もオリジナルで「荒野を渡る風、ひょお ひょおと…」歌いそうになってしまった。

しかしこれはボクには優しいのだけれど観る者を選ぶ鬼気迫る作品だ。

映画のキャラクター達、そのフォルムは今の息子位の年代の人からしてみれば少しひょろっとしていて「カッコ悪い」はずだ。

なんともその衣装がフィットしていない感があり、どこか敢えて不完全なのだ。
俳優のセリフも特徴的な言葉で喋る。

これは「変な映画」なのだ。

こういう作品は海外で違う文化で育った人達が観ても解るわけがないと思う。
例えばマニアであっても違う文化で育ち、風習も食べてきた物もましてや目にしてきた物が違う人達がそれを観て理解出来るわけがないのだ。
それぐらい決定的に「解らない」だろうと思う。

ボクはそれを息子と観たかった。
ハリウッド作品とは違う映画だ。


1978年、ボクは父親井上二郎と
当時、大阪の阿倍野近鉄百貨店にあった映画館で「スターウォーズ」を観た。
衝撃的だった。
「スターウォーズ」に出てくる宇宙船や登場するほぼ全ての物が「汚れていた」のだ。
それは意図して汚されているのが子供のボクの目からしてもわかった。
乗り物の塗装が剥げたりしているのだ。
「宇宙船はピカピカとちゃうんか!
ボロボロで汚れてる宇宙船なんかあるんか!」
そう思う反面、目からは鱗がボロボロ落ちていった。
そしてそればっかり見るから内容は入って来ない。

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