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薩摩オハラハー DAY5

屋久島一周記


3/28(火)。天候の安定しない島なので、この日は縦走の予備日として予め1日フリーにしていました。蓋を開けてみると縦走は予定通りに終了し、この日の天気は最高だったので、レンタカーで島一周してみました。周囲100kmの大きな島ということで、丸一日かけてじっくりと名所を巡りました。

まずは宿からレンタカー店に行く道中にある益救(やく)神社を参拝。

平安時代に出され、当時の「官社」をまとめた書物である「延喜式神名帳」に日本最南端の由緒ある神社としてその名が登場する古社。古くは「屋久」島ではなく、「益救」島だったらしい。

深田久弥も「日本百名山」でこの神社に触れており、この「宮」のある「浦」へと流れる川の源流部の山だから「宮之浦岳」になった、という内容を述べています。

滝シリーズ

車を借り、9:30に宮之浦を出発。屋久島空港、初日に訪れた安房と島を反時計回りに移動し、島の南側にある滝スポットに到着。

屋久島南部を流れる「鯛ノ川」の上流中流下流に、それぞれ3つの滝を観察することができます。

まずは下流。海に落ちる滝、「トローキの滝」。

トローキの滝

後方には、険しいモッチョム岳が聳えます。洋上のアルプスと称されるだけあって名峰揃いの屋久島。モッチョム岳は標高こそ低いものの、宮之浦岳以上の難易度があるそうなので今後登ってみたい山です。

続いて、少し山間部を登ると「竜神の滝」。

滝はもちろんのこと、ここから切り込んだ谷越しに眺める海の景色が素晴らしい。

そして、さらに登ると屋久島を代表する名瀑、千尋(せんぴろ)の滝。

千尋の滝

モッチョム岳の裾にある巨大な花崗岩の岩盤を鯛之川が刻み、壮大なV字谷の景観を作り出しています。
展望台からは遠望のみですが、一枚岩の上を流れる雄大な姿を望むことができました。

中間・栗生

海岸部を道なりに進み、中間集落に入ると「中間橋」のたもとには巨大なガジュマルがあります。幹からは無数の気根が伸び、中央に空いたトンネルが印象的。

中間を過ぎると、個人的に楽しみにしていた栗生の集落。

「水曜どうでしょう」の屋久島釣り対決のロケが行われた場所です笑

好きな方はピンとくると思いますが、集落にはちゃんと「栗生小」がありましたよ笑

新栗生橋
「そのジャージ栗生んじゃねえ」が生まれた場所笑

島西部にさしかかると、海は太平洋から東シナ海へと名前を変え、海の青さは一段とその深みを増していきます。さすがは東シナ海。美しい海の色です。

栗生川沿いに5分ほど山間部へ分け入ると、石楠花の森公園。
石楠花の美しさはもちろんですが、川の色の綺麗さに圧倒されました。
こういう環境で沢登りしたら最高だろうな。

この先は西部林道というちょっとした難所なのですが、その手前には名瀑「大川(おおこ)の滝」。

大川の滝

屋久島最大の滝であり、その流れは二刀流。
千尋の滝とは異なり、こちらは滝壺付近まで歩いて行くことができます。

西部林道

栗生を過ぎると、次の集落は永田。しかし、栗生から永田にかけての海岸線は世界自然遺産エリアとなっており、人の手が入っていない照葉樹林が広がります。

そこには通称「西部林道」と呼ばれる1車線の道路が海を臨む山肌を縫うように通っており、路線バスなどの大型車両は通行できません。

よって、待機帯を上手く使いながら徐行するという高度な運転技術が求められるのです…。

ここは、ヤクシカ、ヤクザルの一大生息地となっている森。それぞれ本州~九州にかけて生息するホンドジカ、ニホンザルの亜種ですが、傾斜と雨の多い屋久島で生活するために、シカは足が短く、サルは雨で体を濡らさないように長い毛を持つ…といった独自の特徴を備えています。

永田・一湊

徐行続きの西部林道を抜け、少し海側に分岐すると屋久島灯台。

山が海に落ち込む岬は、空と海の青が美しい屋久島らしい風景です。

永田の集落へ下りていくと、永田いなか浜。
集落からは屋久島第2の高峰永田岳の姿が見えるはずでしたが、曇っていてこの日は会えず。

永田川の流れに乗って屋久島の奥岳から運ばれてくる風化した花崗岩の白砂で覆われた砂浜が一面に広がります。太平洋一円を回遊しながら生活するウミガメは、昔も今もここに上陸して産卵を行います。

一周までもう少し

宮之浦の手前、一湊(いっそう)の港の風景も最高でした。
こちらの港で揚がる「首折れ鯖」は屋久島名物(この日の夜に食べることになる)。

16:00にレンタカーを返却して島一周は無事終了。
晴天の中、「♪銀の龍の背に乗って」を聴きながら走る屋久島一周はいいものでした。

屋久島酒場放浪記

翌日の午前発の高速船で鹿児島へ戻る予定だったので、この日は屋久島滞在最終夜。どうしても「首折れ鯖」を食べてみたかったので、最終夜は少し奮発して島の居酒屋を予約しました。

多分、人生で一番美味しかった店なのは間違いない。

首折れ鯖はもちろん、握りも揚げ物も締めのお茶漬けも全てが極上でした…。

首折れ鯖の刺身
珍味カメノテ 
酒のアテになるために生まれてきたような味をしている
地魚握り
大将曰く「日本一のお茶漬け」
がんばります!

カウンターで隣だった外国人トレッカーや、お店の方々との会話も楽しかった。北海道もそうですが、一見辺境に見える地に各地からいろいろな目的で集まっている人たちの会話は楽しいです。

滞在中何度も往復した宮之浦大橋

次回は島を出て、鹿児島に向かう道中と桜島観光の様子を書いてみようと思います。

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