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いつか帰るところ

㈱ヒューマンリソースマネジメント研究所
なつカウンセリングルーム 代表
土肥なつみです。

「人生を彩る居場所をつくる」を企業理念とし、
起業研修・カウンセリング・人材育成コンサルティング等を行っています。
私の自己紹介はこちらのマガジンをご覧ください。

今日は私の日記です。
特に有益なことは書いていませんが、忘れないうちに今の気持ちを綴っておきたいと思います。

先日、18年前に私を採用してくれたお店が閉店しました。
自己紹介マガジンにも書いた、あのファミレスです。

地元の友達からのLINEで知って、急遽予定を調整して母と最後にランチを食べに行ってきました。

入ってみると昼の12時過ぎということもあってか、平日なのに店内は満席、お待ちの列が出来ていました。
閉店前の数週間はこんな風に忙しくなるんだと昔上司に教わりました。

この店は私が通っていた高校の近くで、今の生活範囲とは離れた場所にあるので食事に行くのは数年ぶり。
「また今度でいっか。」
と思っていました。
行けば、いつも必ずそこにある。
それが当たり前だと思っていました。

形あるものはいつかなくなってしまうけど、まさかほんとにその日がくるなんて。
今でもまだ信じられていません。

お待ちの列に並んでいると、昔この店で一緒に仕事した元上司の姿が。
閉店の噂を聞いて最後にやってきたそうです。

店内を見回すと、ちょっとクセ強な感じのお客様に
学生さんにすっぴんスエット女子、窓の外から見える改造車。
いつも通り、18年前と変わらない光景が広がっていました。

あの防犯カメラ、実は偽物なんだよなぁ…(当時あまりにも治安が悪かった)
あの窓際の席に、いつもたくさん頼む常連さんの家族がいたなぁ…
裏の草刈りをいつもやってた大学生の先輩、今どうしてるかなぁ…

緊張して小さな声でモゴモゴしながら初めてやったレジ、
連続でオーダーミスして店長にお前はハンディ使うな!って怒られたこと、
閉店作業みんなで手伝って近くの居酒屋で朝まで飲み会したこと、

ぜーんぶ昨日のことのようで。

18年前、もしこの店に拾ってもらえてなかったら私は一体どうなってただろう?

もしかしたら別のバイト先に採用されて、そこそこに働いて、フツーの学生生活送ってたかもしれないし、
どこにも採用されずに家出少女のまま、更生されないまま、酷い人生だったかもしれない。
芸能界を続けて全然違うところに住んでたかもしれないし、
事務所から逃げられず薬漬けのままだったかもしれない。

人生って本当にいつ、どこでどうなるか本当に分からなくて
今私がこの店の前で、胸を張って「ありがとう」が言えるのは奇跡なんだ、きっと。

一生懸命働く事楽しさ、
人に感謝すること、
ごめんなさいが言えるようになること、
大人になるために大切なことは全部このお店が教えてくれました。

店として形はなくなってしまうけど、私の心の中で、これからもずっとこの店は
オレンジの電気を煌々と灯して、あの日の私を迎え入れてくれる。

私はこれからも、研修や講演でこの話をずっとし続けるし、
世の中の働く人たちの職場が、その人の“居場所”になるように。
講師として、カウンセラーとして、コンサルタントとして
これからも走っていこう、というか、走っていかなきゃ。

ありがとう。そしてさようなら。

<後日談>
このお店は完全に閉店ではなく、近くのショッピングセンターの中に打ち換えになるとのことでした。(良かった~!)
このお店が、働くみんなの居場所になりますように。


最後までお読みいただきありがとうございました。
弊社ではコミュニケーションを中心とした企業研修、人材育成コンサルティング、社内相談窓口代行を行っております。
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