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授業中パニックになる子への対応ヒント(辞書引き編)

パニックになる要因は指導の仕方にある

 国語の時間、国語辞典を使った学習をする。3年生で国語辞典を使えるようになることを目指す。教科書で国語辞典について学ぶのは2~3時間程度だ。ページ数も4~5ページ程度。多くの教室では、2~3時間、国語辞典の使い方を学習して終了。あとは、「自分たちでできるようになりなさい」となる。これではできない子はできないままだ。

 国語辞典で語句を調べることができるようになるには、たくさんのステッ
プがある。特別な支援が必要な児童にとっては、一つ一つが大きな壁となる。指導者がこのことを理解して対応することができれば、パニックになることはない。
 今回は、
「辞書引きの技術を身に付ける段階」
「辞書引きの技術を使いこなす段階」
の2つの段階に見られる児童の困り感ととその対応を記す。

辞書引きの技術を身に付ける段階でのパニックへの対応


【五十音順を身に付けさせる】
 国語辞典は五十音で語句が掲載されている。教師はこのことが当然であると思って指導する。しかし、児童にとってはこれが当然ではない。通常、3
年生で国語辞典の指導を初めて行う。しかしながら、3年生だからと言って
五十音が身に付いているとは限らないのだ。特に特別な支援が必要な児童に
は、この点が抜けている児童もいる。教師が「あいうえお順です」と言っ
ても「あいうえお順」が何なのか分からない。だからパニックになる。従って、国語辞典の指導に入る前に、「五十音」の指導を行っておく必要がある。「あいうえお」と順番に読ませていく指導から「あかさたな」の順に読ませる指導など様々な読み方を経験させておく。この指導が第一段階となる。

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