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意外性が得られたPUI PUI モルカー「むしゃむしゃおそうじ」

※注意書き:今回の主役である褐色モルカーに搭乗している人間を「いけすか野郎」と呼称していますのでお気をつけ下さい。

褐色のモルカーが蝶と戯れている景色が印象的でした。都会近郊の街でしょうが牧歌的できれいですね。

以前この回の予想をしました。

自分で公式Twitterのリンクを埋め込んでおいて全く気づかなかったんですが今回のモルは寧ろモル側から能動的に恐らく所有者にとって意図しない行動をしていたようでした。

ドライバーがポイ捨てしたゴミを食べてしまうテディ。調子に乗ったドライバーは、走行中にどんどんゴミを捨てていく。ところが…

ぼくは内容の先ばれみたいのをとにかく避けるように生きている傾向があるように自分でも思っているのですが、その防衛本能が自動的に働いて埋め込み引用内の字部分を上手い具合に完全スルーしていた。ぼくにとってはとても良いことですが恐らくそのせいで予想は大方外れたことでしょう。

仮に予告内容を微塵も見なかったら今回の話をどう捉えるか

乗車している人間はおよそ好青年とはいえないいけ好かない男。風評被害を与えるわけにはいきませんが、どこか日本の3ピースロックグループであるTRICERATOPSのベーシストである林に似ている。彼(林)は好青年ですが、なまじモル搭乗者が似ていていけ好かない行動をしているとなると一気に周りに迷惑を掛けるタイプのサブカル野郎に見えてしまうのはなぜでしょうか。

いつもは蝋人形みたいな人間モブを登場させていますが今回はそうでないようで、キャスト発表欄に名前が乗っている。したがってこの回を見てファンになったかたにも便利ですね。

余談でした。

いけ好かない男はモル内から何かを投げ捨てる。かなり意欲的に。そして象徴的に。

自分が処分したものをモルカーが食べたことについて驚きや予定していなかった感覚を覚えているようなリアクションを見せる。

この時点でぼくは、このいけ好かない男が「自分のモルカーが廃棄物を食べてしまうなんて、ぼくはひどいことをしてしまった」とか考えているのかと思いました。あまりにポジティブですね。

それを感じたのは特に走行中のモルに気付かれないように、走行方面と逆方向に何かを廃棄した時。もちろんモルは耳ざとく落ちたなにかに気づき食べてしまいます。いけすか野郎はこれに憤慨した様子を見せる。

しかし、廃棄物を食べたモルカーが車線を変更するほど喜んでいる様子を見て、もしかしたらこれはモルカーと遊べているような良いことなのかも知れないと考えた、とぼくは仮定してしまいました。初回に見た限りはですね。

そしてモル内のダストボックスを浮かれた表情で取り出す。今度はその中身を自発的に褐色モルの眼前に投げつける。ぼくは割とこの行動について、ペットと遊んでいるような感覚を両者とも味わっているのだろうかと捉えました。ぼくは割と平和な頭を持っているみたいですね。

「むしゃむしゃおそうじ」means it

しかし題名の「むしゃむしゃおそうじ」という単語を顧みるに、モルカーにとって掃除しなければならないようなものが物語内に登場したはず。おそらくそれはいけすか野郎が撒いた物体のこと。

物語冒頭こそ、脇道に停車モルさせて(という恐らくこの世界のマナーに従って)飲み食いをしていたいけすかでしたが、モルが廃棄物を食べたことによってモル体(車体)がガタガタ動き興が削がれた。そしてとりあえず目的地があるだろう逆方向へ発進した。

続いて先程書いた

そしてモル内のダストボックスを浮かれた表情で取り出す。今度はその中身を自発的に褐色モルの眼前に投げつける。ぼくは割とこの行動について、ペットと遊んでいるような感覚を両者とも味わっているのだろうかと捉えました。

ですが、これはこんなポジティブに捉えることなどできず、車内の廃棄物がよくわからないが自分に迷惑がかかることなく処理できるのであればそれに身を任せてやろうといういけすかの短絡的な思考だったのかも知れないと思えました。

もちろん微塵もそんなに都合のいい廃棄物処理の手段などなく、自分に迷惑どころか自分自身が褐色モルにとってすら不要物であるという示唆が含まれた精神的肉体的報いを受けることになるという部分が恐らく最大のカタルシスであるのですが……

そして題名の「おそうじ」とは褐色モルによる自発的な掃除ではなく、(おそらく)本能的なものにしたがって廃棄物を処理させられていた褐色モルの様子が傍目からみれば「むしゃむしゃおそうじ」に見える、という皮肉的な意味が込められているのかも知れない。

後記

実写をストップモーションで動かす、という手法が取られているため本人の演技力プラスマイナスアルファという作用がはたらいている珍しい作例だとは思いますが、それを踏まえてもいけ好かない野郎氏によるいけ好かない演技は相当のものだったという感想で締めたいと思います。お読みくださりありがとうございました。




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