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【1年の読書記録】本と巡った1年と、だいすきな作家さんたち。

読書を習慣化するようになって、あと何ヶ月かで2年になるのかぁ。
今年もそろそろ、1年の読書まとめの記事を書いていこうかなって思っていますが。
その前に、昔書いた記事をここにも残しておこうと思います。


※これは、2023.6.27に書いた記事を再投たものです。

本を読むことを、少しだけ習慣化しようと思ったのは、2022年の7月頃。

その時は、何となく、「もっともっと上手く文章を書きたい」だとか「言葉をもっと知りたい」だとか「何処か違う場所へ行きたい」だとか思っていて、夏休み実家へ帰省した時に、高校生の時によく行っていた地元のイオンの本屋さんで、ごそごそっと本を買って帰った。
あまり、よく考えずに、直感で選んだ本だった。

その時に、買った本の中にあったのが、カツセマサヒコさんの『夜行秘密』と一穂ミチさんの『スモールワールズ』。


どちらも夢中で読んで、読んですぐの、そのままの頭で、30分程で書き上げた読書感想文。


そして、もともと持っていたTwitterアカウントのひとつを読書メインにしたのが、2022年の8月。

色々あったけれど、なんだか居心地が良くなってしまって、今もそのままここにいます。


私は、何か気になるものや人がいると、ひとつのもの(人)をとことんまで知りたくなってしまうタイプである。

好きな本があれば、その作家さんの本をすべて読みたくなってしまうし、
好きなアーティストがいれば、すべてのCD及びDVDを買う。出ている雑誌もすべて読むし、買う。
もちろん、CDなんかは初回盤と通常盤の両方揃えて、棚に交互に並べ、時折眺めてはうっとりしている。新曲が出れば、フラゲに走り、その日からしばらくは同じ曲を永遠と聴いている。そのくらい頭がおかしいと自負している。

すべての五感を使って楽しむのが、「嗜む」ということであると勝手に解釈している。


さて、この1年間の読書においては、自分の好きなジャンルや雰囲気が掴めたような気がしています。

まだまだ読めていない作品や作家さんもいるけれども、ひとりでも、ひとつでも大切なものが見つかっただけ幸せなのだと浸っている。

昔も好きだった作家さんだとか、この1年ではじめて出会った作家さんだとか。
何名かいるので、掻い摘んで紹介していきます。

昔から好きだった島本理生さん


高校生の頃。学校近くのイオンで待ち合わせしたり、帰りのバスが来るまでの時間に本屋さんで立ち読みを、結構な頻度でしていた。
そこで、毎日少しずつ1冊の本を読んで、読了したり(あまり良く無いけれど笑)、気になるものは買ったり…していた。

その時に一番好きだった本は、島本理生さんの『ナラタージュ』。
何故だかわからないけれども、表紙からすごく惹かれて、家でぼろぼろ泣きながら読んでいたのだけ覚えている。


大人になって、再読したけれども、やっぱり素敵だよね、島本理生さんの書く心理描写って。

何作か読んだんだけれども、その中でも『ファーストラヴ』は、少し違った感じ。

人間の、男女の、親子の、深くて暗くて嫌なところがあぶり出されるような小説。

みんな愛されたいだけなのに…と切なくなってしまう。


島本理生さんは、関係性の難しい、白黒つけ難いグレーな関係を描く作品が多いなぁ、という印象なんですが…。
その中でも、特に『憐憫』は、とても繊細に美しく描かれていて、素敵でした。


1年のほとんどを共にした、吉本ばななさんの作品

Twitterで読書アカウントの方々とお話ししていると、本当にみなさん素敵に本を紹介しているな、と思って。
しかもそれは、各々の気持ちの赴くままで心のまま。
どの本も「楽しそう!読みたい!」って思ってしまう…。(だから皆さん積読多め)


フォロワーさんのひとりに「吉本ばななさん」の作品を教えていただいた。

ばななさんの作品は、どれもこれも全部好きで…。
強いて言うのであれば、最初の頃の小説が特に好きでして…。
『キッチン』とか『とかげ』とか『白河夜船』だとか…すごく好きなんですよね。

1番最初に『キッチン』を読んだ時の衝撃は、今でも忘れられない、、、。

aikoのライブに向かう途中のバスの中で読んでいたんですが、ちょっと衝撃的すぎて、一回本を閉じて「これは…参ったな…」って言っていた気がする。すごいじーんときた。

だいすきで、もう、表紙に触れるだけで愛おしい感じ…。

あの言葉も好きだし、あれも良いし…はぁ、あの部分も、うっとりするわ…ってドキドキする。

ちなみに、短いお話なので、サクッと読めます。

吉本ばななさんの作品は、どこかファンタジーの中にあって、けれども現実世界との繋がりを見せてくれて、ここぞと言う時に、ガッシリと掴んでくれる。
けれども、力強く掴むのではなくて、蜘蛛の巣みたいな繊細なネットでやさしく受け止めてくれるような…落ちてくるところを捕まえて優しく包んでくれるような感じ。(これは、『ちいさな幸せ46こ』にも出てきていた気がする)

『死』が描かれているお話が多いんだけれども、落ち込ませずに、前向きにさせてくれる言葉ばかりで、いつも救われる。

本当に大好きな作家さんです。

最近読んだ、『小さな幸せ46こ』も好き。


ばななさんの本は、もっともっと、いろいろ読みたいなぁって思っては買って、まだ読めていないものがたくさん!!


吉本ばななさんと似たような衝撃を受けたのは、「千早茜さん」。

言葉選びが秀逸で、とても繊細に美しく描かれていて…最初の一文で惹き込まれました…。

恐らく…吉本ばななさん好きな人は好きだと思う。何となくだけど。


ぺらりとページを捲る音、ざらざらする紙の触り心地。触れる本の良さを教えてくれる『吉田篤弘さん』

読書アカウントの人たちを見ていると、本当にみんな、好きな作家さんやジャンルは違うのに、「本を読むこと」は同じで、そしてそれだけで優しくなれて、いつもほっこりしながら、やり取りを眺めている。←


私が今まで拘っていなかった、本の装丁・挿絵・紙質。
そんなところにまで愛情があるんだなぁと知る。

1冊1冊、拘りがあって、本って読むだけのものでも無いんだなぁと。
なんだか、ものを大切にしている人をみると、心がとろとろと柔らかくなる。



本を作るところから、読者へ渡り、読まれるところまで、想像を張り巡らせて、独特の世界観を繰り広げる作家の「吉田篤弘さん」。

この作家さんの描く世界観とか、言葉もとても好き。

吉田篤弘さんの本は、しずかな夜に、ベッドの中でひっそりと読むのに向いている気がする。

本当に、ひとつひとつの物語に出てくる、登場人物それぞれに優しいストーリーが結びついていて、読み終わった後に、ほっこりする。

ドラマティックな内容ではないんだけれども、これから温かな物語が続いていくんだろうな…というのを想像させる天才で、つづきは無くてもつづきが気になってしまう作品達。

絶対に、絶対に吉田篤弘さんの本は、一度は読んでみて欲しい。

【まとめ】1年間で読んだ本

そんなこんなで、わたしの好きな作家さん達も交えて、1年間の振り返りをしてみました。

疲れすぎてて読めなかったり、毎日読めなかったり、1日30分も読めなかったりもするけれども、なんとなくぼんやり続けています。
読書を習慣化とする方には、読書量は到底敵わないんだけれども、楽しめているので、まぁ良しとしています。


人生に寄り添い、救ってくれるような素敵な本に、この1年も、もう一度出会えますように。


(以下、2022.7〜2023.6の1年で読了した本達。敬称略)

あ】
正欲/朝井リョウ
木曜日のココア/青山美智子
娼年/石田衣良
爽年/石田衣良
スモールワールズ/一穂ミチ
光のとこにいてね/一穂ミチ
愛するということ/エーリッヒ・フロム
きらきらひかる/江國香織
ぬるい眠り/江國香織
生きるための哲学/岡田尊司
試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。/尾形真理子
ライオンのおやつ/小川糸
犬も食わない/尾崎世界観、千早茜

か】
愛がなんだ/角田光代
夜行秘密/カツセマサヒコ
明け方の若者たち/カツセマサヒコ
アタラクシア/金原ひとみ

さ】
星の王子さま/サン・テグジュペリ
そうか、もう君はいないのか/城山三郎
週末は彼女たちのもの/島本理生
憐憫/島本理生
ファーストラヴ/島本理生
あなたの愛人の名前は/島本理生 ︎︎︎︎︎︎君が降る日/島本理生
イノセント/島本理生
火口のふたり/白石一文
アパートたまゆら/砂村かいり

た】
男ともだち/千早茜
西洋菓子店プティ・フール/千早茜
傲慢と善良/辻村深月
ザリガニの鳴くところ/ディーリア・オーエンズ

な】
汝、星のごとく/凪良ゆう

は】
いのちの車窓から/星野源

ま】
コンビニ人間/村田沙耶香
はつ恋/村山由佳
すべて忘れてしまうから/燃え殻
カラフル/森絵都

や】
自転しながら公転する/山本文緒
BUTTER/柚木麻子
方舟/夕木春央
月とコーヒー/吉田篤弘
水晶萬年筆/吉田篤弘
おるもすと/吉田篤弘
ブランケット・ブルームの星型乗車券/吉田篤弘
キッチン/吉本ばなな
海のふた/よしもとばなな
うたかたサンクチュアリ/吉本ばなな
とかげ/吉本ばなな
白河夜船/吉本ばなな
アムリタ(上)/吉本ばなな
アムリタ(下)/吉本ばなな
「違うこと」をしないこと/吉本ばなな
ハゴロモ/よしもとばなな
デッドエンドの思い出/よしもとばなな
TUGUMI/吉本ばなな
王国その1/よしもとばなな
王国その2/よしもとばなな
王国その3/よしもとばなな
みずうみ/よしもとばなな
小さな幸せ46こ/よしもとばなな
どんぐり姉妹/よしもとばなな


わ】
ひらいて/綿谷りさ

(2023.6.27)

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