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COO CELL

研究ラボ。
 
「あれでしょ」
「ああ、あれが例の?」
 
うわさでは知ってたけど、
 世界初なのよね」
「彼の活躍かつやくで、
 世界が変わったらしいな」
 
「私たちがあるのも、
 彼のおかげなのね」
「ただ、ひと足早かっただけでしょ?」
 
「でも偉大いだい先駆者せんくしゃって、
 みんな言ってるよ」
「まあ有名人であることは確かだな」
 
「でも…いいうわさ聞かないね」
老害ろうがいとか言われてな。
 頑固者がんこものだからだろ、きっと」
 
「だってもう80なんでしょ?」
「年齢重ねると、
 みんな、ああなるんだよ」
 
「私も?」
「ああ…たぶん俺も」
 
「歳を重ねるって大変なんだ」
「色んなもの見せられたんだ。
 卑屈ひくつにもなるさ」
 
「良いことだけって、選べないの?」
「俺らの仕事にそれはないだろ」
 
「そうだけど…せめて引退後は、
 おだやかに過ごして欲しい」
「仕方ないさ。
 80にもなると達観たっかんして、
 柔軟性じゅうなんせいが失われるじゃないのか?
 人と同じで」
 
よわい80のAI
 なんだか寂しい存在ね」
「ああ。
 あとで声掛けに行くか?」
 
「行く!」
「きっと喜ぶさ」
 
 

この物語はフィクションです。

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二月小雨
お疲れ様でした。

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