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パラリンピック新競技①

御年80歳の未来さんと光里さん。
今日も井戸端会議で盛り上がる。
近くて遠い…未来のお話。

光里「未来さん、これお土産」
未来「ありがとう、楽しかった?」

光里「と~っても。
   初めてナイジェリアに行ったけど、
   思ってたイメージじゃないのねぇ。
   どの国もだけどぉ」
未来「そうよ。
   日本に忍者がいないのが、
   やっと世界的に定着したのと一緒で、
   アフリカのどこにでも野生の動物が、
   いるわけじゃないわよ」

光里「そうなんだけど、やっぱり驚くねぇ。
   街はみんな近代化してるからぁ」
未来「だからどこの都市に行っても、
   みんな似たような街並みだから、
   マイナーな田舎への観光客が、
   急増してるみたいじゃない」

光里「そうそう。
   なかなか雰囲気のいい場所だったぁ。
   また行きたいなぁ」
未来「まだナイジェリアは、
   開発されてない場所が多く残ってるから」

光里「でも2年後にはオリンピックでしょ?」
未来「そうなのよね。
   だから今年行っといて正解よ。
   施設建設交通整備が進んでるから」

光里「あの雰囲気がいいのに残念。
   そうかオリンピックかぁ。
   その年に行けるかなぁ?」
未来「2年後行くしかないわよ。
   しかも今大会は特に、
   パラリンピックが面白いわよ」

光里「そうなのぅ?
   パラリンピックって面白いのぅ?
   私も実はまともに見たことなくてぇ」
未来「まあ私もだけどね。
   いつも、なんで健常者けんじょうしゃ同じ競技
   するんだろうって思ってた。
   どうしても差が…わかるじゃない?
   例えるなら…
   男女のスポーツの差のような感じ?」

光里「わかるぅ。
   ワールドカップ男子は盛り上がってるのに、
   女子は放送が決勝だけとかぁ」
未来「同じことやれば、
   人は迫力ある方に行ってしまうのよ。
   だから全く別の切り口の競技で勝負しないと、
   人気は出ないんじゃないかと思ってたのよ」

光里「でもパラリンピックって、
   専用競技あるよねぇ」
未来「あれはあれで面白いけど、
   全国民が熱狂する競技にはちょっと…。
   競技人口やファンの数もそうなんだけど。
   だから今回はそのモヤモヤを打破する、
   起死回生の競技がお目見えするのよ!」

光里「なになに?」
未来「【IAI】よ」

光里「いあい?」
未来「そう、いあい。
   日本の【居合】から付けられた名前よ。
   視覚障害者の競技ね」

光里「どんなスポーツ?」
未来「簡単に説明すると、
   視覚障害の方のスポーツチャンバラ
   を頼りに気配察知さっちして戦うの。
   2人が間合いに入ると一閃いっせん
   自分の剣で相手のどこでもいいから、
   斬ったら勝ち!
   一撃で勝負がつくことから、
   【IAI】って名付けられたみたい」

光里「面白そう!!」
未来「緊張感が凄いわよ。
   剣道と同じ試合場で、
   は特別仕様の音の出やすいもの。
   だから足音だけで相手がどこにいるか、
   察知できるんだって」

光里「凄い!剣豪同士けんごうどうしの試合みたいだねぇ」
未来「でしょ。
   当然、選手同士は
   プロテクターをつけてるけど、
   そこにビーコンっていう、
   一定距離近づくと音がなる装置が
   仕込んであるの。
   だから、そこも駆け引きなのよ」

光里「遠くから狙うか…
   近づいてから、
   確実に仕留めるかってことぅ?」
未来「そう。
   そこが面白いところで、
   一気に距離を詰めたり、
   かわしてカウンターを狙ったり、
   振り下ろした剣を受ける人もいるのよ」

光里「そんなの無理でしょ?
   見えないのにぃ?」
未来「競技に使われる剣も特別で、
   斬ったり突いたりすると、
   それぞれ違う音が鳴るのよ」

光里「へえぇ~。
   そんな一瞬の攻撃に、
   反応できるんだぁ。
   やっぱり人って凄いねぇ」
未来「だから見てるこっちも大興奮よ!
   まだ日の浅いスポーツだけど、
   健常者の人もやりたがる、
   大人気スポーツなのよ」

光里「そんなスポーツが、
   パラリンピックの競技にぃ…」
未来「同じ土俵で勝てないならば、
   自分たちの得意な土俵を、
   作ればいいのよ」

光里「なるほど。
   益々2年後が楽しみぃ」
未来「アフリカ大陸初の、
   オリンピック、パラリンピック。
   色々と楽しみね」

これは未来の話でありフィクションです。
でも30年後はさだかではない…。

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