わた

あなたの気持ち...よ〜くわかる

この連休中、友人ご一家とランチを共にした。

友人ご一家とは、家族ぐるみで
仲良くさせて頂いている間柄だ。

お互いに年末年始はバタバタするので、
落ち着いた頃の、この小正月辺りに
いつも新年の初顔合わせをするようにしている。

友人は、色々と気を使うタイプの人間だ。

自分にも同じような気質があるためか、
彼女とは、とても気が合う。

家族ぐるみで初めて食事をした時のこと..

お互いに示し合わせたわけではないのに、
お互いの子供たちにと....
お菓子を手土産に持参してきたのだった。

お互いがお互いの子供たちを思う気持ちが
重なり合い、

その瞬間、なんとも言えない..とっても嬉しい気分に
なったのを今でも鮮明に覚えている。

それ以降、お互いに会う際は、
手ぶらで、気を使わないようにしよう
いうことに決めた。

ただ、小正月に会う時だけ、
お互いの子供たちにお年玉を500円ずつ
渡し合うことにした。

それも、ちょっとお互いに手間なのだが、
100円玉5枚ずつと...

友人の子供たちは、まだ保育園児だ。

お札をもらうよりも、
キラキラ光ったコインをいっぱいもらった方が
喜ぶ。

うちの子供たちは、もうみんな小学生だ。

だが、みんな私に似て100円ショップが大好きで、
時々100円ショップに行っては、各々が好きなお菓子を買う。

4個で100円のお菓子だったり、2個で100円のお菓子だったり・・

毎回、お店に足を運ぶたびに、新しいお菓子たちがお目見えしていて、
もう子供たち以上に私のほうがワクワクしている感じだ。

そして、みんな各々で選んだお菓子の入った小さなカゴを
覗き合いっこするのだ。

なるべく、みんな、買うお菓子がかぶらないように
している。

なぜなら、お菓子の種類が多ければ多いほど、
色んなお菓子たちをみんなで楽しめるからだ。

・・・と、

こんな感じなので、うちの子供たちも、
小学生とはいえ、お札よりもコインのほうが
喜ぶのだ。

昔々の話になるが....

私には二人の弟がおり、
一人は3歳違い、もう一人は10歳離れている。

その、10歳離れた弟が、
まだ3〜4歳の頃だっただろうか....

正月に親戚の叔父さんさんから、お年玉をもらい、
嬉しさのあまり、その場で袋を開けたのだ。

そして、弟がとっても残念そうに一言・・・

「これだけ?・・・」

私はその頃はもう、すでに中学生。

そんな不謹慎な言葉を放っていいわけがない!

...ってことくらい、わかっている。

私は・・もちろん両親も、
弟のその一言で、一瞬かなり焦ってしまった。

叔父さんがくれたお年玉の袋の中には、
5,000札が入っていた。

100円玉にしたら、50個ってことだ。

だが、

当時の幼い弟には、そんな換算なんかできない。

ただの紙切れにしか見えなかったのだろう。

父が笑いながら、叔父にこう言った。

「うちの子は、ジャラジャラした銭の方が
価値があるって思ってるから、
そんな大金もらっても、まだ良さがわかってないんだよなぁ〜
笑っちゃうよなぁ〜
大学生になっても、ジャラジャラした銭がいいって
言ってもらいたいもんだぁ」

って...

父のその言葉に、どっと笑いが起こった。

・・これもまた、子供の頃の思い出話になるが、

今は亡き母方の祖母は、
私たちが祖母の家に遊びに行くたびに、
100円、50円、10円、5円、1円と細かいお金が
入れてある飴玉の缶をタンスから取り出してきては、
帰る時に私たちの手のひらにジャラッと置いて
握らせてくれるのだった。

・・そんなこともあり、
弟にとっては、高価なお札をもらうよりも、
ジャラジャラしたコインをもらうほうが楽しみであり、
何よりも嬉しかったのだろう。

毎年、お年玉シーズンになると、
この弟の逸話を思い出す。

そして、我が子や友人の子供たちのお年玉袋に
100円玉をジャラジャラと詰めながら、

"子供たち、みんな喜ぶだろうなぁ..."

って、一人でニヤニヤしてしまう。

案の定...
友人の子供たちも、うちの子供たちも、
お互いの親からお年玉をもらい、

「開けてみていいよ〜!」

の合図で、みんな一斉に袋を開けて覗き込み、
中身がジャラジャラした銭であることを確認すると、
目をキラキラと輝かせながら喜んでいた。

お年玉って、子供のロマンだと思う。

たとえ袋の中身がいくら入っていようが、
あのお年玉袋を大人から差し出された時の喜び、
ワクワク感といったらない。

私はもう大人で、お年玉をもらうことは、
残念ながら、なくなってしまったし、
逆にお年玉をあげる立場になったわけだが、

お年玉を渡した時の
子供たちの嬉しそうな表情を見ていると、
まるで自分がもらったかのような嬉しい感情に
包まれる。

だから、この..
お年玉をお互いの子供たちに渡すやり取りだけは、
友人とお互いにいつまでも続けていきたいな・・

...って、
友人と微笑みあいながら、
子供たちの喜んでいる姿を眺め、
そう思うのだった。



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