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グラフィックデザインとしても秀逸な、子供も楽しい絵本8選

こんにちは!デザイナーのfurukawaです。
子供の絵本といえば、『桃太郎』や『花咲じいさん』など、昔から日本にあるお話が浮かんでくるかと思いますが、子供の絵本を選んでいて、グラフィック的にも秀逸だ!と思う作品が多くあることがわかりました。

レイアウトやデザインがステキだなと思った作品をご紹介します。


【ちいさなうさこちゃん】作:ディック・ブルーナ

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キャラクターとしても人気のあるミッフィーシリーズです。
作者のブルーナ氏はグラフィックデザイナーとしても活躍しており、
絵本の配色も『ブルーナカラー』と呼ばれる6色で作られています。
(※白、黒を除く)

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それぞれの色に意味を持たせ、絵本の中で情報整理されています。
暖色系には嬉しい感情を持たせ、緑は自然を表現していますが、
茶色やグレーはミッフィーのお友達を表現するための色として使用され、
主役と差別化することで、ミッフィーの魅力が惹きたちます。


【しろくまちゃんぱんかいに】作:わかやまけん

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こちらの作家も元々はグラフィックデザイナーとして活躍されていましたが、その後絵本作家となった方です。
ミッフィーと配色は似ていますが、フォルムの作り方がアシンメトリーになっており、ミッフィーよりも動きを感じます。
食べ物のお話も多く、2~3歳の子が喜んで食べるものを扱うことで、
親子で作ってみよう!みんなで食べてみよう!など、行動を起こさせるような内容になっています。


【スイミー】作:レオ・レオニ 訳:谷川俊太郎

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ペールトーンの水彩で描かれ、もはや芸術作品としてみてしまう絵本です。
スイミー以外の魚たちはスタンプで表現されており、スイミーの『一人だけ黒い個性』を表現しています。

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このスタンプの風合いもグラフィック的な良さを出しています。
今回はデザイン的な要素の紹介ですが、内容も『個性を大事にする』がコンセプトの絵本で今の時代に合っているので、改めて読み聞かせたい絵本です。


【BROOCH 】絵:渡邉良重 文:内田也哉子

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グラフィックデザイナー、イラストレーターとしても活躍されている渡邉氏のイラストが絵本になっています。
鉛筆、色鉛筆で描かれ、自然の濃淡が優しい印象を感じます。
この絵本の1番の特徴はトレーシングペーパー(透ける紙)に印刷された絵本です。

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トレペに印刷されたページをめくるたび、透けて見える次のページへと物語が続いていく構成は、
物語の展開を追うというより、渡邉氏の絵そのものを楽しむという、新しい提案をしています。


【おうさまのこどもたち】作:三浦太郎

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イラストレーターとしても活躍されている三浦太郎氏の絵本です。装丁にもこだわりを感じ、紙の肌触りもよく、通常の4色印刷に加え、特色も使用しています。(どおりで他の絵本に比べて少しお高い・・・)
メインのこどもたちは、下絵を描いた水色の紙を切りぬいて台紙に貼り、スキャンしてパソコン上で色をつけるという、非常に手の込んだ作業ですが、
紙をカットしたラインが不思議な風合いを出しています。

この本のもうひとつの面白さは、小さくですが、実際にある小物や食べ物を
コラージュしているところです。

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ぱっと見は目立たないのですが、それを探すのもまた面白みの一つです


【はらぺこあおむし】作:エリック・カール

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アメリカの有名な絵本作家で、この他にも代表作がたくさんあります。
この独特な風合いは、色や模様をつけたトレーシングペーパーを切って貼りつけていった作品です。
描いたときのトレペの歪みや、色の滲みかすれが、他にはない世界観を作り出しています。直線がない、人の手で切り出した曲線のカットは、今にも動き出しそうな雰囲気を出しています。
ひとつのパーツに何色も乗せることで、平面なのに立体感を感じさせます。


【Un grand jardin】絵:ヴァンサン・グラヴェ 作:ジル・クレマン

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世界的な庭師で、ランドスケープデザイナーのジル・クレマン氏と
コミック出身のイラストレーターのヴァンサン・グラヴェ氏が手掛けた絵本です。
絵本というより、画集です。
細いペンで繊細に描き、独特な雰囲気のタッチと相まって、本の中に引き込まれてしまうようなイラストです。
とにかく細かい!!


【MAPS】作・絵:アレクサンドラ・ミジェリンスカ ダニエル・ミジェリンスキ

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これは大人も欲しくて買ってしまう子供版世界地図といったところです。
縦37cm×横28cmセンチという大きなサイズの見開きに一国ずつ描かれています。首都や人口、面積を始め、産業や動植物、建築物、食文化や偉人、伝統芸能まで多彩なイラストが掲載されており、新たな発見もできる絵本です。

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いかがでしたでしょうか。
今回は元グラフィックデザイナーや、異業種の方が手掛けた絵本も紹介しました。デザイナー目線で作られた絵本は、装丁へのこだわりや、見せ方のこだわりなど、それぞれの分野からのセンスが感じられます。
つい部屋に飾ってしまいたくなるような、子供も大人も楽しめるこだわり一冊を見つけてみてください。


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