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Uniswap-24歳無職が3000億円を集めるまで(第8話[終])

このnoteは第8話です。
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第7話で、Uniswapのローンチ日を決めたHaydenさん。
とうとうリリースなるか。第8話を始めましょう。
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Devcon4での発表まで残り5週間。
Uniswapのコードベースの認証作業が進んでいましたが、並行して、ある大きなタスクを完遂させる必要がありました。Callilさんが作ってくれたフロントエンドのデザイン(サイトのデザイン)を正式版のコードベース(プログラム)に組み込む必要があったのです。
1ヶ月以内に組み込んでくれる請負会社がないか探ったところ、RickさんKyokanのCEOのDanさんを紹介してくれました。

コードベースはほぼゼロから書き換えられることになりそうでした。短期間で全機能が搭載されたUniswapのフロントエンドを作るには、チーム全体を雇う必要があると考え、請負会社を頼ることにしたのでした。
その代わり(といってはなんですが)、HaydenさんはKyokanの副社長のJackyさんと仕事が出来るようになりました。

JackyさんはUniswapを何も知らずにやってきたので、Haydenさんは長く詳細なフロントエンドの仕様を書き、早く理解してもらえるようにしました。その甲斐もあったのか、(KyokanのKennyさんにも少し手伝ってもらったものの、)Jackyさんは1ヶ月足らず、ほぼ1人でUniswapの正式版インターフェースを書き上げました。
因みに、この間Callilさんはインターフェースの全てに詳細なデザインを施してくれていました。

Devconの1週間前に、Haydenさんはドキュメントホワイトペーパーを書き上げました。ちょうどその頃、RuntimeVerification社の正式版の確認結果が届き、なんと!問題は見つからなかったとのコメントを得ました!
但し、UniswapはDAOハックで用いらた再エントランシー攻撃について熟慮されていないとの懸念も述べられていたので、HaydenさんはPhilさんに連絡しアドバイスを求めました。

Philさんも、Haydenさん同様に、Devcon4の発表準備に追われていましたが、それにも関わらず、Uniswapのローンチ前に再エントランシー攻撃についてスマートコントラクトを確認すると約束してくれました。

但し、直前のことであったので、書き起こした文章も無く、結果の公表もしていない内部監査となりました。

VO Uniシャツ -Devcon4限定版

並行して、Callilさんと契約し、カンファレンスで配布予定のUniswapシャツをデザインしてもらいまいした。ローンチを、皆が参加できる歴史的な"瞬間"にしたかったのです。シャツは皆が本当に着たいと思ってもらえるように、高品質なものでなければなりませんでした。

Devconの約1週間前(Haydenさんがドキュメントとホワイトペーパーを書き上げた頃)、Callilさんは弟のLeanderさんとのコラボで素敵なデザインを書き上げてくれました。

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            (Uniswapサイトより)

期日内に仕上げるため、このシャツは手作業かつシルクスクリーニングという方法で作る必要がありました。スクリーンを作るのにほぼ1週間近く、シャツを作るのに約8時間かかりました。

カンファレンス前日、Haydenさんはプラハに飛び、足りないものが無いか確認しました。Philさんと一緒にチェックインしました。Philさんから(再エントランシー攻撃に関するスマートコントラクトの確認については)既に1度コードレビューを行ったが、再度見直しておきたいとコメントを貰いました。
Callilさんは製造に最大限時間を取れるように、カンファレンスの初日に到着する飛行機のチケットを買いました。彼は、弟のLeanderさんと一緒に、徹夜でTシャツを作り続けました。

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                                     (上記画像3枚はUniswapサイトより)

Callilさんはシャツが完成するとすぐに箱詰めを行い、空港からプラハに直行しました。空港から会場まではタクシーを使い、HaydenさんにTシャツを手渡しました。

DEVCON4 

Day1
DEVCONがとうとう始まりました!Haydenさんはカンファレンスセンターでシャツを配って歩き、話を聞いてくれた人全員にUniswapについて話し、ローンチが近いことをそれとなく知らせました。

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                                  (上記画像4枚はUniswapサイトから)

午後、CallilさんとHaydenさんは、初めてJackyさんに対面しました。少し世間話をした後、UXを改善させつつ、目立つバグの修復を行いました。

Day2
半日ほど、カンファレンスとパネルディスカッションを見て回りました。午後はJackyさんとCallilさんの三人で打ち合わせをしました。Uniswapはトレードのインターフェースページの他に、ランディングページがあったほうが良いということに気づき、uniswap.ioというページをこの日だけ、たった1日で作り上げました。

Day3
とうとう、Devcon3日目にPhilさんが連絡をくれました。彼の分かりうる範囲で、Uniswapのコントラクトはトークンの交換機能が再エントランシー攻撃を許すように制作されない限り、再エントランシー攻撃がされることはないとのコメントを貰いました。

これは喜ばしい結果でした。もしも、Uniswapを攻撃することを目的に作られたトークンがあったとしても、そのトークンの流動性は盗まれてしまうからです。通常全てのERC20トークンは再エントランシー攻撃の影響は受けないのです。

Day4
2018年11月2日:Devcon4の最終日に、スマートコントラクトはEthereumのメインネットにデプロイされました。続いて、uniswap.ioapp.uniswap.org/#がデプロイされました。最後に、ローンチ時にリクイディティを提供したいと興味を示してくれた人皆に連絡をしました。

おおよそ3万ドルが一人の流動性提供者から入金され、3つのトークンに分割されました。これにより、約100ドルのスワップが出来るようになりました。これでもう何もすることは残っていません。

Haydenさんは約1時間ビーズクッションの上に座り、ローンチのツイートを書いては書き直すことを繰り返していました。幸運にも友達のAshleighが通りかかり、ツイートのレビューを手伝ってくれました。

Haydenさんはとうとうボタンをクリックしました。緊張していると同時に将来がどうなるのかと興奮していました。自身の想定を超えて、コラボレーション、アイディア、サポートが湧き出た後には何が起きるのか。

まあ、これはV1(バージョン1)のお話でした。またブログ書こうと思います。

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以上、Uniswap誕生の歴史でした。
この誕生から既に2年以上が経過しています。
今後またUniswap作者のHaydenさんから追記されるのを待ち、更新しようと思います。

因みに、「ボーナス」としてUniswapの命名理由なども公開されていたので、そちらも後日公開しようと思います。よろしくお願いします。

BONUS TRACKはこちら

■参考文献:Uniswap History


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