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Uniswap-24歳無職が3000億円を集めるまで(第6話)

このnoteは第6話です。
リンク:第1話第2話第3話第4話第5話

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Richardさんの支援によって、Uniswapの秘められた課題に気が付いたHaydenさん(第5話)。第6話では、Ethereum財団の補助金の結果がいよいよ発表されます。

実現に近づいてきたぞ

この頃Haydenさんは、Uniswapを完成させたいという思いが日増しに強まってきました。テストネットではなくて、実環境で利用できるようにするために何が必要かを書き出しました。それは、以下5点でした。
 1.スマートコントラクトを完成させる
 2.使いやすいインターフェースを準備する
 3.セキュリティー監査を受ける
 4.ホワイトペーパーを完成させる
 5.開発者向けドキュメントを用意する
先にお話しした、Haydenさんの友達のPhilさんはブロックチェーンのセキュリティのエキスパートでした。彼のアドバイスと紹介で、(UniswapのFormalized Modelについて)高度なコードレビューをしてもらうための見積をRuntime Verification社に提示してもらい、更にはスマートコントラクトの一部を検査(ベリファイ)してもらうことが出来ました。高度なレビューをしてもらうための金額を踏まえ、Ethereum財団に5万ドル以上の支援を申し込むこととしました。

バランス社で得た、進捗報告の機会

2018年の夏は、Uniswapのスマートコントラクトをリファクタリングすること、ホワイトペーパーに取り組むこと、空き時間に仮想通貨イベントに参加すること、これらが頭から離れない状態で始まりました。その後2ヶ月間はインタビューを受けた後、支援金の交付結果を待ち続けました。

haydenさんは毎日Balanceのオフィスで働きました。Richardさんに加え、BalanceのチームメンバーのChristianさん、Jinさん、Mikeさんはとても親切で、Haydenさんにオフィスを使わせてくれたのです。Haydenさんの資金がほぼ底をついたことに気がついたRichardさんは、個人で支援金をくれるほど親切でした。

Haydenさんは、Balanceのオフィスで毎週開かれているホワイトボードウェンズデイというイベントに参加するようになりました。毎週水曜日に2時間、誰でもみんな、仮想通貨関連のプロジェクトに取り組んでいる人が招待されて、毎週の進捗共有をするイベントでした。

Haydenさんはほぼ毎週参加し、Uniswapについて多くの人に説明し続けました。この活動でHaydenさんは、参加者の属性に応じ、説明の仕方を変えることを実践し、最終的にはどんな人に対してもUniswapを説明できるようになりました。また、仮想通貨に関するツイッターにも取り組んでみることにしました。過去のPascalさんとの電話同様、ホワイトボードウェンズデイはHaydenさんは自身のプロジェクト進捗を説明する機会・責任のようなものを得ることが出来ました。何も報告することが無く、ただ2週間置きに出席するということは避けたかったと振り返っています。

Maker

夏が過ぎ去り、多くの時間を友人のAndyさんがCTOを務めるニューヨークのMakerDAOオフィスで過ごすようになりました。Makerは分散型ステーブルコインのプロジェクトで、この記事を読んでいる読者の方は既にご存知かなと思います。なぜ説明しているかというと、Uniswapにとって重要な人となるAshleighさんを含む何人もの人たちとMakerで友達になったからなのです。

BalanceとMaker双方のオフィスで働く機会は、いつも学ぶことがあり、面白い人々に出会えるという素敵な機会を与えてくれました。そうこうしているうちに夏は過ぎ去りました。スマートコントラクトは、Haydenさんができうる限り最大限最適化されていました。とうとう7月の終わりに、あるメールを受け取りました。UniswapがEthereum財団から補助金を受けられることになったのです!


とうとう補助金を手にすることが出来たHaydenさん。
さて、この補助金を何に使うのか。物語も終盤。第7話に続く。

第7話はこちら


■参考文献:Uniswap History

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