Uniswap-24歳無職が3000億円を集めるまで(第3話)
このnoteは第3話です。
第1話はこちら、第2話は、こちらからご覧ください。
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第2話ではデモ版Uniswapの完成から、Ethereumの開発者向けイベントDevcon3での露出についてお話ししました。第3話ではいよいよ最初の支援者が現れます。
貯蓄を切り崩す中で現れた救世主
勉強して数ヶ月で作り上げたUniswapのデモがDevcon3のイベントで紹介され、知名度が上がり喜ばしい。一方で、この頃のKarlさんの経済状況は良いと言える状況ではなかったようです。この頃Karlさんは5ヶ月間無職の状態が続いていました。彼はこの5ヶ月間、幸運にも2017年の頭に購入していた少しばかりの仮想通貨を売却することでなんとか暮らしていました。
彼にとってUniswapは、開発の過程でスマートコントラクトの書き方を習得出来たという一点で成功でした。しかし、このままでは生計がたたない状態だったようです。この頃彼は、そろそろ仕事を探すべきタイミングかもしれないと考えていました。ただ、Solidityなんてプログラム言語が必要とされる仕事なんて存在するんだろうか。と悩んでいたようです。
そんなことを考えていると、Devcon3でKarlの発表を見ていた参加者のPascalさんがHaydenさんに連絡をくれました。
PascalさんはずっとEthereum上のAMM(Automated Market Makers/自動マーケットメーカー)の動向を注視していたようで、Karlの頑張りを支援したいと伝えてくれました。なんとPascalさんは、実際にHaydenさんに来月1ヶ月分の研究費の支援をしてくれました。その後PascalさんとHaydenさんは進捗確認のために毎週電話会議の場を持つことになりました。
会議の中でPascalさんは、Haydenさんに様々な新しい考えを持ち込んでくれました。それに加えて、電話会議を開くことで、自分の仕事の進捗を体系化し説明する機会を持てたことが良かったとHaydenさんは振り返っています。
なお、この頃のUniswapは2つの未解決の課題がありました。そこでHaydenさんは、自身のエンジニア的な考え方で解決に挑戦することにしました。
未解決の課題は以下の2つでした。
⑴1つのETH/ERC20トークンのペアでしか動作しないこと
(Ethereum以外の仮想通貨も交換できるようにしたいよね)
⑵1つのリクイディティプロバイダ(LP)でしか使えないこと
(超訳:他の色々なサービスと連携して使えた方が良いよね!)
Haydenさんを魅了したEthereumの価値
この頃、HaydenさんはEthereumのまだ見ぬ無限の可能性に完璧に心を奪われていました。Haydenさんが注目していた特性は次の4つです。
・検閲耐性があり、誰も止めることができないこと。
・分散化されており、誰も支配できないこと。
・許可なく自由に、誰でも使えること。
・安全であり、誰しもが処理を確認できること。
けれど、このころのEtherは何かおかしくなっていました。Ethereum上で動く有名なプロジェクトはどれもEthereumの特性のいくつかを活用していたものの、全ての特性を使っているものはほぼ無かったのです。
複雑過ぎて使うのが難しかったり、中央集権的な仕組みで問題が起きると動かなくなったり(Central points of Failure)、検閲に引っかかりそうな怪しいプロジェクト(Censorable applications)だったり。このころ流行していたDAPPsは、本来トークンは不要なアプリケーションに如何にトークンを組み込むか考えようといった本末転倒な感じになっていたようです。
そしてHaydenさんは「Uniswapを自分自身の勉強用途だけでなく、他人のために使えないか」と考えるようになりました。Haydenさん自身は、「リアル」なプロジェクト(2017年の夏に、2000万ドルに加え1.5億ドルを集めたやつ(*恐らく某有名な猫さん))と競えるような製品は思いつきませんでしたが、本質的にEthereumに紐づいたアプリケーションを作り、事例提供することは出来るかもしれないと思ったそうです。
さて、第3話はここまで。
第4話でHaydenさんは、「Mesh Meetup」というイベントに参加し、いよいよメディアデビューを果たします。
第4話はこちら
※参考文献:Uniswap-history
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