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Uniswap-24歳無職が3000億円を集めるまで(第7話)

このnoteは第7話です。
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第6話で、とうとうEthereum財団から補助金が舞い込みます。
その補助金の使い道は...第7話を始めましょう。

Formalized Model

Ethereum財団からの補助金を受け取るったHaydenさんは、即座にRuntime Verification社(以下RV社)とコードの定型化(formalize)と監査の契約(formalize and audit)を締結しました。同社のDaejunさんYiさん、Xiaohongさんとは何度も電話を重ね、Uniswapの仕組みと最も大事な特性について詳しく説明しました。

同社は、Uniswapの定型化モデル(formalized model)を作り、その後に仕様書(CodeSpec)を作りました。この仕様書は、四捨五入の丸め誤差エラーの防止や、常にトレーダーよりもリクイディティプロバイダが選好されるようするなど、数学的なオペレーション部分に手が加えられていました。
RV社が、フォーマライズした結果はここで確認することができます。(英文)


その後HaydenさんはRV社から提示された仕様書に合致するようにコントラクトを修正しました。
続いて、RV社は高度なコードレビューを行い、コードの一貫性に関する複数の安全性チェックや修正、その他細かな変更をするよう推奨しました。
改善点の一覧はここで確認できます(英文)。



最後に、Uniswapのコントラクトコードをフリーズ(プログラムの更新を止めること)を行い、RV社は正式に契約履行の部分(contract implementation)が、仕様書上の所用の性質に合致するかを検証しました。これは、RV社の作業の中で最も時間がかかりました。

監査の最中、HaydenさんはCallilさんを請負社員として雇い、Uniswap製品版のトレード画面の作りこみを始めました。デモ画面のインターフェースはしっかりと機能したものの、最終製品にしてはとても分かりにくいように感じていたためでした。

受取人"recipeint!?" 🤦

Uniswapはまだ公には発表していませんでしたが、完全に極秘という訳でもありませんでした。9月には、ETHISという香港で開催されたブロックチェーン カンファレンスのイベントのパネルディスカッションに呼ばれました。
(厳密にはカンファレンスで話すのが初めてという訳ではありませんが、)招待されて話したのはこれが初めてでした。

香港では、Vitalikさんと再会することができました。彼は、Uniswapのコードの最終版を確認してくれました。すると、なんとRV社でさえ見逃した1つのエラーを見つけてくれました。受取人"recipient"のスペルミスをおよそ20箇所で起こしていたのでした😅。("recipeint"としていました。)

そしてその後、偶然ですが、Ethereum財団のETH2.0に関するインタビューにひょっこり出没したところ、初めてミーム(meme)のネタにされてしまいました(笑)。
(恐らく、写真の中央がVitalikさん、右側がHaydenさんだと思います。)

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            (Uniswapサイトより)

Haydenさんは、ブログに「ブランクのテンプレートを置いておくので、使いたい人は使ってみてください」とコメントしています。
(↑当方的には、いまいち使いどころがわからない...ですが、Haydenさん的にはとても素敵な体験だったのかなと思います。笑)

香港滞在後、Haydenさんはニューヨークに戻る前に、上海ブロックチェーンウィークで3日間を過ごしました。

ローンチの準備

ニューヨークに戻った後、HaydenさんはUniswapのリリース日をプラハで開催されるDevcon4のイベント当日に(可能な限り)することを決めました。
イベントの開催日まではたった5週間ほどしか無い。人生で最も忙しい5週間の始まりでした。

さて、第7話はここまで。
次の第8話はとうとう最終回(になると思います!)。Devcon4でのUniswapローンチのお話です。

第8話[終]は、11月16日(月)公開予定

■参考文献:Uniswap History

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