【遺族の気持ちは誰にもわからない】 グリーフサポートの大切さ
人により考えが違う「家族の死」
葬儀担当者(葬祭ディレクター)の仕事は「葬儀進行を滞りなく行うこと」であり、とても大事な仕事です。
一方、葬儀の現場に何度も立ち会ってきましたが、「人の死に慣れる」ことはありません。
もし、本当に慣れてしまう葬儀担当者がいるのであれば、その方は葬儀担当者にはふさわしくないのかもしれません。
当たり前ですが、同じ人が亡くなることはありえません。
そして、故人に対する気持ちも個々で異なり、故人に対し同じ感情を持つ人も当然いるとは思いますが、異なる方もいらっしゃいます。
実際、私が今まで担当を行ってきたご遺族様にも、色々なお考えの方がいらしゃいました。
故人に感謝を伝え、温かい気持ちで送り出す家族。
後悔ばかりで、故人に対し「謝罪を繰り返す長男」
何十年も故人と会うこともなく、亡くなった故人に対して、恨み辛みを述べる子どもたち」
子どもが突然亡くなったことが衝撃すぎて、現実を受け止められない両親
変わらないのは、どのような状態の家族であっても「依頼を受けた葬儀担当者」は寄り添い、支えとなる点です。
しかし、葬儀ディレクターはどこまでいっても「家族ではないため、ご遺族の本当の気持ちを理解をすることが出来ません」
私自身、葬儀ディレクターが行えることはたかが知れていると思っており、非常におこがましいのではないでしょうか。
ご遺族の本当の悲しみを葬儀ディレクターは受け止めきれません。
グリーフサポートの重要性
ご遺族の悲しみ、立ち直りは「そのご遺族様自身」が向き合わなければ、気持ちの整理がつくことはありません。
悲しみに暮れているご遺族の状態を「グリーフ」と言い、周囲の人がこれらのグリーフ状態の方を支えていくことを「グリーフサポート」と言います。
人が故人を亡くした悲しみから立ち直るには、時間差や個々の考えが強く影響いたします。
極端な話、
大往生で老衰で亡くなったおじいちゃんと、
突然事故で亡くなってしまった10代の子どもで、
残されたご遺族の向き合い方、心の衝撃が同じわけがありません。
これは極端な例ですが、人が亡くなる際の、状況や心の向き合い方は人それぞれ全く異なります。
ゆえに、個々に応じて葬儀が終わったあとの「グリーフサポート」を行うことは大切であり、グリーフサポートに時間を使う必要があります。
すべての悲しみを受けきれないからこそ
葬儀ディレクターや、グリーフサポートを行うスタッフは、ご遺族すべての悲しみを受け止めることはできません。
最後はやはり、ご遺族様自身が乗り越えることであり、個々により時間差も当然あります。
葬儀ディレクターやグリーフサポートスタッフは、「ご遺族が必要な時」に近くに少しでも寄り添い、いつでも相談ができる役として、居続けることが大事であると思います。
ご遺族のすべての悲しみは受けきることはできない。
しかし、ご遺族が必要な時に寄り添うことはできる。
今後は、葬儀ディレクターは【葬儀を取り仕切ることだけが役割ではない】時代が来ると思っています。
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