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【ふなログ372】主語が「自分」だけにある限りは、恋愛もビジネスも上手くいかない


新型コロナワクチン3回目接種後の副反応で
布団でゴロゴロしながら、
数年前から積読していた

『「ない仕事」の作り方』みうらじゅん著 (文春文庫)

を、昨日ふと取り出して読んでみました。


普段の自分は、
ITエンジニアというお堅そうなお仕事に携わっており、
こんなエキセントリックなロン毛のオジサンが書いている
「ない仕事」だなんて、
きっとオレには関係ないんだろうな・・

などと思って、
購入した2年前の当初は一瞥してポイッと放置して
失礼な話、積読状態にしていた本でした。


ところが、
昨日この本を読んでみたら、
色々な内容が自分とシンパシーを感じた上に
刺さりまくってしまいました。

サッカーが始まった途端、全員が中継に夢中になってしまう。私はその”誰もが同じことをする状態”が子供の頃から苦手で、強い拒絶反応を示してしまいました。

このくだり、
もっと若い頃の私と同じ過ぎて納得してしまいました。
それよりも「楽しいこと」が
自分の中にあったからですよね。

どんな仕事でもそうかもしれませんが、すぐに成果が出ないこと、それどころか最後まで形にならなかったことが私にもあります。
たとえば私は、20年ほど前から、「海女」ブームがくるに違いないと思っていました。それは高校時代、よくエロ映画で見ていた3本立ての中に「海女」シリーズが含まれていたからです。童貞高校生にとって縁遠いことこの上ない海女が苦手で仕方なかったのですが、
(中略)
こうした「気にはなるが、好きではないもの」には、自分洗脳は必要です。半年、1年とかけて、海女がいい、海女がいいと呪文のように唱えていました。
(中略)
そこにはグッとくるネーミングも必要だと考え、航空会社のように、「AMA(エーエムエー)」と呼ぶようにもしていました。
しかし、私のマイブーム活動を持ってしても、いつまで経っても、AMAがブームになる兆しはありませんでした。
(中略)
そして2013年、そう、NHKの朝ドラで『あまちゃん』が放映されたのです。ここで一気に本当の海女ブームが訪れました(AMAブームではなく)。
ブームにさえなればそれでいい。今回、私は発信者ではなく、予言者としてそう思ったものです。
そのブームに便乗して、日活ロマンポルノの「海女シリーズ」がDVDで復刻されることにもなりました。
めぐりめぐって、しかもかなり小規模な仕事ではありましたが、そのDVDの推薦コメントの依頼を頂きました。これも、ずっと「AMAがマイブーム」と言い続けてきたからこその結果だと思います。
仕事を得るためには、そのときすぐに結果が出なくても、いつまでも飽きずに言い続けることが大切なのです。


このエピソードには度肝を抜かれました。
20年越しにブームが来るまで、
「気にはなるが、好きではないもの」
に対する執念で発信し続けてお仕事を頂いてしまう・・

フツーの人であれば、
そこまでしないでしょう。

私も、ソッチ方面ではありませんが、
それなりにこだわりがあるものに対して、
そこまでの執念で取り組んだことはありませんでした。
→例えば、昔パソコンでハマったゲームなど。トレンディドラマ全盛期だった当時、それだけでオタク視されて、モテ要素全くゼロでした。

「好きかどうか」は大切ではありますが、
執着していることに「狂い続ける」ことで、
世の中から振り向いて貰える、
ということがあるのだと思います。

私が若い頃に間違ってたから気づいたことです。私の「したい仕事」は世の中にあると思い込んでいました。しかし、どうやら、ない。だったら自分で作るしかない。しかしそこで自己主張してしまうと、世の中からすぐに「必要がない」「欲しくない」と気付かれてしまう。そこで自分を消し、あたかも「なかったもの」が流行っているかのように、主語を変えてプレゼンしてみる。すると、人々は「流行っているのかな?」と、ようやく目を向けてくれるようになる。


ここが、特に刺さりました。

自己主張をすれば仕事を頂ける、
成果が出る、世の中から振り向いて貰える。
という勘違い。そしてワナ。


「自分で仕事を作る=自己主張する」は、
一見、イコールの関係に見えながらも、
主語が自分に留まり続けている限り、
仕事ではなくなるんですよね。
必ず「誰か」に主語を渡す必要がある。

ここは模索中で、
まだ自分の中に解が定まっていないのですが、

「自分が狂い続けているもの」と
「世の中(=誰か)が求めているもの」を、
スクラップのように、編集し続けてきたもの・・が、
「自分で作った仕事」として、
振り向いて貰えるのかと。

先程の「海女」の話は、
「自分が好きだからきっと好きな人も居るだろう」
で終わるのではなく、
「海女がいい」で自己洗脳しまくって
「主語を変えてプレゼン」しまくった結果、
お仕事を頂いた
ということだと思います。


熱意と発信する主体は「自分」
しかし受け取る主語は「相手」。

これって、
もしかして恋愛と一緒か!?


などと、
過去の拙くハズカシイ恋愛経験を
思い出してみたりもしました。

恋愛が上手くいかない時は、
相手の事よりも
自分の事ばかり考えがちだからです。


「自分、人見知りだから」
「自分、経験不足だから」
「自分、コミュ障だから」
「自分、DTだから(注:男性限定)」

という、
自分のマイナス要素ばかり数え上げ、
目の前の相手の気持ちを考えず、
勝手に逃げてしまうか
踏み込めずに「イイ人」で終わったり。

または逃げなくても、
自分が傷付きたくない一心で
「自信なくてキモい」言動を取って
逆に引かれてしまうことも。


また、逆に
「オレ、年収こんだけあるぜ!」
「オレ、こんな仕事就いてるぜ」
「オレ、こんなに経験豊富w」
「オレ、こんなにキラキラした趣味持ってるぜ」

という、
「武勇伝」の自慢話だけで
目の前の相手の気持ちを考えず、
勝手にオラオラしてしまったり。
→筆者注:自分がこんな経験ないので、陳腐な事例ですが(笑)
→まあ、これで上手くいく人はいくかもしれないが


どちらにせよ、
「誰を主語にしてプレゼン」しているか?
が大事ですね。


時々(いや、結構?)
「恋愛とビジネスは一緒だ!」
と言う方がいらっしゃいますが、
ようやく
そんな境地が見えてきた気がします。

それも、
成功体験少なめで
失敗経験だらけであってもです。

以前は、
「恋愛至上主義」みたいで
キライな言説として
避けまくっていましたが。。


案外、過去の失敗だらけの
コミュニケーションとしての恋愛経験を
俯瞰して眺めてみたとしても、

「恋愛→コミュニケーション→プレゼン→ビジネス→収益とモテは同じ」

という図式が
成り立っていることに気付きました。
※モテはあくまで喩えで、不特定多数から好かれることだけを指していない


もちろん、
最初から上手くいきまくっている人は、
そういうプレゼンをすれば良く、
同一人種の間で盛り上がると思います。

しかし、
おそらく世の中の8割以上は
「そうでもない人種」ばかり
なので、
案外そういう失敗談を乗り越えたプレゼンこそが、
「見知らぬお客様の心をグッと掴むだろう!」
と、
我ながらワクワクしているのであります。


もちろん、
ただの8割全員を相手にすることでもなく、
その中でも限られた人種に
なってしまうかもしれませんが、
それでもいいじゃないですか。

自分が打ち出す熱意ある世界観を、
主語を変えながらお渡しして巻き込んでいく。

そんな活動を
来たる4、5月に向けて進めています。


もう一つの野望としては、
ITエンジニアという枠組みの中で
「ない仕事」を作っていくこと。


自分のしたい仕事が、
ITエンジニアの世界になければ、
主語を変えながらアプローチし続けて
新しい仕事を作っていくのみです。

「ITエンジニアらしくない」
人物像で攻めていきます。


熱意と狂気は
「自分」を主語に。

しかし
お渡しして喜んで頂くのは
「相手」を主語にした時です。

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