むー先生

私立の認定こども園で園長をしています。保育のこと、育児のこと、どうでもいいこと等、時折…

むー先生

私立の認定こども園で園長をしています。保育のこと、育児のこと、どうでもいいこと等、時折綴っていきます。 茨城県在住/ラーメン大好き/4児の父/ライブ・フェス/サッカー・フットサル/映画鑑賞

最近の記事

保育のプロを一言で表す言葉はないのか!

最近は、やれ不適切保育だ、やれ低賃金だと、ネガティブな話題ばかり目立つ保育士。 そもそも「保育士」に限定した話をしたいわけではない。 「幼稚園教諭」や「保育教諭」も含めての話をしたいのだが、便宜上「保育士」とするのが楽だと自分でも思ってしまっている。 保育の仕事をする人たちの名称がどうも定まらない。 これが非常に不便で面倒なのだ。 例えば、全てひっくるめて「保育従事者」といういい方もあるのだろうが、字面も良くないし、認知度も高くない。 また、「保育関係者」となると、どこか

    • 「不適切保育」という言葉の不適切さについて

      「不適切保育」という言葉。 どうもしっくりこない。 なぜなんだろう、とずっと考えている。 たぶん、誤魔化されている気がするからだ。 暴言や暴行を「いじめ」という言葉で誤魔化しているように。 日本という国はそういうのがお得意だから。 言葉から、問題の本質があまり見えてこない。 きっと違和感の原因はそこにある。 「不適切保育」と言うからには「適切な保育」も存在するはずである。 適切な保育の説明ができる人間がどれだけいるだろう。 そもそも、保育というのは「正解」がない。 B

      • 保育の一番の魅力は「うまくいかないところ」なのでは?

        保育という仕事は面白い。 奥が深い。 やりがいがある。 だが、その魅力を一言で表すなら、「うまくいかないところ」なのではないかと思う。 保育のことをよく知らない人からは 「子どもと遊んでいるだけでお金もらえていいよね」 などと言われることもある。 そう言われたらこう答える。 「どうぞ、やってみて下さい。この業界人手不足なので」 とかく、甘く見られがちなこの仕事。 やってみたら全然甘くないことが分かる。 保育ほどPDCAをフル回転させる仕事はない。 計画し(Plan)、

        • 保育士同士の人間関係構築に、飲み会・会食は必要か?

          保育士の離職の要因に人間関係が絡んでいることを書いた。 人間関係うんぬんの前に、まずは人間性を何とかしましょうよ、という趣旨でまとめたのだが、問題の解決方法までは追究しなかった。 飲み会が当たり前にあったコロナ前 私は昭和生まれの人間なので、酒飲んで腹の内をさらせば、人間関係なんて勝手にうまくいくと思っている。(とはいえ「飲みニケーション」という言葉はおじさん臭くて使いたくない天邪鬼な私) だが、令和の時代、そういうわけにもいかないらしい。 私の勤務園でも、忘年会、歓

        保育のプロを一言で表す言葉はないのか!

          保育士の社会的地位向上に、学歴は関係するか?

          以前の記事で、保育従事者の社会的地位について述べた。 その際は「男性優位社会」の弊害であると結論付けた。 今回は、前回の補足のようなものである。 問題は「なりやすさ」なのか? 保育従事者(以下、利便性を考えて❝保育士❞と表記)の社会的地位が上がらない要因の一つとして「なりやすさ」も関係しているのではないか。 保育は専門職である。 子育ての延長のように捉えられがちだが、本質は全く異なる。 そしてもう一つ。 命を預かる仕事である。 まさに、医者と同じなのだ。 医師免許を

          保育士の社会的地位向上に、学歴は関係するか?

          保育士が離職する原因は本当に人間関係ですか?

          保育士の離職率は高い? 保育士は離職率が高いというイメージが強い。 だが、実際には、保育士だけが高いというわけではないらしい。 飲食、アパレル、医療関係等、保育士よりも離職率が高い職業はたくさんある。 だが、今回取り上げたいのは、離職率の高さではない。 その原因である。 原因は「人間関係」? 離職する理由で最も多いのが「人間関係」だと言われている。 その中でも特に、職員同士の人間関係が多いようである。 もちろん、金銭面による理由もかなり多いだろう。 だが、これに関して

          保育士が離職する原因は本当に人間関係ですか?

          保育の仕事って、思っている以上に国語力が必要なのでは?

          保育の仕事はとにかく文章を書く 保育の仕事を始めて気づくことがある。 文章を書く機会が非常に多いのである。 連絡帳、クラス便り、保育日誌、週案、日案・・・etc。 毎日のように長い時間何かを書いている。 文章力は個人次第 保育の養成校では、専門的な知識を学ぶ。 だが、正しい文章の書き方をじっくりと教えるところはないのではないか。 そうなると「文章を書く」という行為は、個人の能力次第、ということになる。 元々苦手ではない者は、短時間で、さらりと書き上げる。 だが、苦手

          保育の仕事って、思っている以上に国語力が必要なのでは?

          保育従事者の社会的地位はなぜ向上しないのか

          保育従事者とは、ここでは幼稚園教諭、保育士、認定こども園に勤める保育教諭と定義する。 保育従事者の現在地 保育従事者は、かねてより社会的地位があまり高くないとされてきた。 一般的なその他の職種に比べて、賃金が低いという印象が強すぎるというのもあるだろう。(徐々に改善されつつあるが、まだ十分とは言えない) 近年、特にコロナ禍においては、医療従事者同様、保育従事者が社会においてどれだけ必要な存在か注目されるようになってきた。 某男性タレントが保育士資格を取得するなど、インフ

          保育従事者の社会的地位はなぜ向上しないのか

          「見守る保育」の勘違い

          誤った「見守る保育」の誕生「見守る保育」という意味を、正しく捉えられていない若い保育者が多いようである。 そもそも見守る保育という言葉が頻繁に使われるようになったのは、「主体性保育」が大事だと言われ始めてからのことだ。 保育所保育指針の改訂をきっかけとして、「子どもの主体性」や「主体的な学び」という考え方が瞬く間に広まっていった。 保育というのは能動的な働きかけである、と教えられ実践してきた保育者は大いに戸惑った。 「子どもが主体的に動くということは、自分からは何もするべ

          「見守る保育」の勘違い

          幼稚園と保育所はなぜ資格が異なるのか

          幼稚園と保育園(保育所)は働くための免許(資格)が異なる。それはなぜか。 幼稚園の管轄は文部科学省、保育所の管轄は厚生労働省。 幼稚園は教員免許が必要で、保育所は国家資格(保育士証)が必要となる。 これは、「事実」であり、「理由」ではない。 どちらの施設も、多少の差はあるものの、業務内容はさほど変わらない。 わざわざ資格を分けるほどのことではない。 例えば・・・ ・どちらも「先生」と呼ばれる ・どちらも「子どもの健康と安全を守る」 ・どちらも「遊びを通じて学ぶ」 そもそ

          幼稚園と保育所はなぜ資格が異なるのか