見出し画像

保育士が離職する原因は本当に人間関係ですか?

保育士の離職率は高い?

保育士は離職率が高いというイメージが強い。
だが、実際には、保育士だけが高いというわけではないらしい。
飲食、アパレル、医療関係等、保育士よりも離職率が高い職業はたくさんある。
だが、今回取り上げたいのは、離職率の高さではない。
その原因である。

原因は「人間関係」?

離職する理由で最も多いのが「人間関係」だと言われている。
その中でも特に、職員同士の人間関係が多いようである。

もちろん、金銭面による理由もかなり多いだろう。
だが、これに関しては事前に分かっている事である。
保育士という職業を選択する時点で、ある程度覚悟をしている方も多いのではないか。
だからと言って見過ごしていい要因ではないが。

人間関係については、入ってみないと分からない部分がある。
実習した園に勤めることになった場合は、ある程度雰囲気はつかめるだろう。
実際それで、実習園を避けた、という声も耳にしたことがある。
実習は、受け入れる側も値踏みされていることが分かる。

実習やボランティアなど、園の内情を知る機会がなかった場合、
短い時間の見学だけで、園の雰囲気はつかめないだろう。
入ってみて、「思っていた職場と違った」というケースは後を絶たない。


人間関係が悪くなる要因は?

職場の人間関係が原因で退職者が出た場合、問題視すべきはどこか。
良好な人間関係を築けない園長等の経営者か。
温かく後輩を受け入れられない先輩保育士か。
過度な期待をもって理想と違ったと宣う新入保育士か。

きっと、そのすべてなのだろう。
人間関係が上手く形成されていないとしたら、当事者全てに原因があるのだ。
直接的な関わりがあるとかないとか、そんなことは関係ない。
職場の人間関係を作るのは、その職場にいるすべての人間だ。

だから人間関係を理由に退職者が出た場合、無関係な者はいない。
もっと全員で問題に向き合うべきだ。
もう二度と同じ理由で退職者を出さないために。
それができない園は、きっと同じ理由で退職者が続く。
そもそも問題に向き合わないような環境だから人間関係がうまくいかないのだ。

人間関係は5領域の一つ

人間関係がうまくいっていない園があるとして、もう一つ残念だと思うことがある。
「人間関係」は5領域の一つである。
幼稚園教育要領にも保育所保育指針にも明記されている。
子ども達に人間関係について指導する立場でありながら、自分たちの人間関係は上手く形成できていないというのは、非常に残念である。

「お友達とは仲良くね」と子どもに言いながら、自分は同僚の陰口ばかり言っている保育士。
どういう心境なのだろうか。
保育者としての資質に問題があるのではないかと言いたくもなる。

人間関係よりも人間性

結局、人間関係とはつまり、個々の人間性のことなのではないか。
専門性があるとかないとか、給料が高いとか安いとか。
それ以前に、人間性に問題はありませんか、と問いたい。

曲がりなりにも、子どもの成長をサポートする仕事に就きたいと思った人なのだ。
子どもの前に立って恥ずかしくない大人であろうではないか。
まずは職員室で同僚や保護者の悪口を言うのをやめましょう。
あなた自身に問題があるのではない。
あなたの振る舞いと心持ちに問題があるのです。

そしてもう一つ・・・

ただ、この件について、さらに大きな問題が一つある。
人間性に問題があっても、辞められると成り立たない園もある、ということである。
保育士不足の問題はどこまでも付きまとうのだ。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?