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invoiceAgent文書管理の10年の足跡

ウイングアーク1st20周年

みなさんこんにちは、はせちです。
先日invoiceAgent文書管理の開発初期の写真がないかと尋ねられました。
探してみましたが、なかなか見つからないものですね。
お酒が入った宴席でのふざけた写真は出てくるものの、
そもそも日々の開発中に写真をとる機会はほとんどなかったので
写真がないのは当然です。

ようやく集合写真的なものが一枚見つかりました。
そんな古い写真を見ていると当時の懐かしい思い出が蘇ってきます。

前置きが長くなりましたが、今回はウイングアーク1st 20周年として、 invoiceAgent文書管理の10年を懐かしんでみたいと思います。



SVF PDF Archiver Ver9.2: 
SVFシリーズとして誕生

invoiceAgent文書管理の前身は、SVFがPDF機種で出力したPDFの保管をメインミッションとした製品でした。SVFの冠がついていて、当時のSVFの最新バージョンである9.2を踏襲していました。
最初の製品バージョンは「SVF PDF Archiver Ver9.2」であり、製品リリースは2013年(2013.04.08)の事でした。

特徴

■SVF検索フィールドとの親和性
SVF Ver9.2以降ではPDFに出力する際に、PDFに「検索フィールド」を付与する事ができます。検索フィールドを最大限に利用して確実な検索を高速で実現できる事がWingarcだからこそ実現できる差別ポイントでした。

■高速な検索
全文検索も、ファイル名などのプロパティ検索も、非常に高速な検索ができたため、お客様に快適に利用して頂く事が出来ました。

■高速なプレビュー
SVFは大量ページのPDFを出力する事ができる製品です。
RDEを利用されているお客様には数万ページのPDFファイルを作成して業務を回している方もいらっしゃいます。
Adobe Acrobat Reader でPDFファイルを読み込んだ場合、ページ数が多いPDFだと読み込み速度がとても遅くなる課題がありました。
SVF PDF Archiverは、そんなPDFでも高速にプレビューできる製品でしたので、お客様にデモで訴えていました。

SVF PDF Archiver Ver9.2

製品ニュース

引用 : https://corp.wingarc.com/public/201304/news484.html

PDF帳票を「いれて」、「ためて」、「ひきだす」という基本的な動作は、現在もinvoiceAgent文書管理の基本機能です。そんなSVF PDF Archiverも文書の登録に課題がありました。PDFの構造に依存しますが、例えば10万ページのPDFをアーカイブし検索できるようになるまでに37時間掛かっていたり、メモリの使用量が多くなりすぎてOutOfMemoryErrorが発生するPDFが存在するなど課題は残っていました。

開発メンバーも課題は重要視しており 37時間掛かっていたアーカイブ時間も翌年のリリースでは(夜間バッチで翌朝までには終わる)7時間に短縮するなど、大量ページのPDF保管に対する課題も徐々に改善を進めていきました。
7時間になったとしても現在の感覚では非常に遅いですよね。


SVF PDF Loader Ver9.2: 
文書の登録を自動化する

「SVF PDF Archiver Ver9.2」は文書を「ためる」製品でした。
フォルダーに文書をファイルとして登録する訳ですが、
間違いがない統一ルールで、しかも手軽に登録ができれば、
非常に使い勝手が上がるはずということで、
「SVF PDF Loader Ver9.2」が2014年(2014.09.30)にリリースされました。

特徴

■業務で利用できる自動登録
設計・開発工程では『実際の業務で利用してもらえる機能を提供する事』が最重要視されました。

色々な業務にフィットできる機能を検討していました。
設計の初期段階では設定画面の入力項目が150前後あったと思います。

「SVF PDF Loader」は「SVF PDF Archiver」とは別の製品でしたので、ひとつの「SVF PDF Loader」から複数の「SVF PDF Archiver」にアーカイブする事が出来ました。
例えば地域毎に「SVF PDF Archiver」を用意しておき、発生した文書の地域コードを参照して、アーカイブ先の「SVF PDF Archiver」に接続して文書の保管先を分けるなどの業務も当初は想定していました。さすがに提供機能が複雑すぎるという事で初期開発から外す事になりました。

2014年の春に設計をしていた製品でしたが、夏の出荷を目指す事となり、私を含めた開発メンバーは非常に頑張って開発をしたことが思い出されます。

9月にリリースできるようになった「SVF PDF Loader Ver9.2」は、10年たっても、現在のinvoiceAgent文書管理のLoadr設定として基本的な部分は機能が残り続けています。大きなクレームもなく現在もご利用いただけている事は、実際の業務で利用してもらえる機能を提供する事が出来たのではないかと思っております。

製品ニュース

引用 : https://corp.wingarc.com/public/201409/news569.html



SVF PDF Arciver Ver9.3 :
「文書の統制」と「タイムスタンプ」

2015年の改版テーマは「文書の統制」でした。
文書のライフサイクルを正しく追跡するためには、
文書や属性の変更を記録し管理する必要があります。
これを「記録管理」と言います。

  •  統制のための文書管理ポリシー (文書定義とフォルダー管理ポリシー)

  •  文書のライフサイクルの追跡・管理 (記録管理)

  • タイムスタンプを利用した真正性の確保

「記録管理」を実現するためには、名称をキーにしていた 「SVF PDF Archiver Ver9.2」までのWEBAPIを踏襲する事ができず、ファイルやフォルダーをIDで表現した全く新しいWEBAPIセットが必要となりました。

そこで「SVF PDF Archiver Ver9.3」にマイナーバージョンを上げて、UIも刷新することになりました。
リリースするまでに一年かかりましたが、現在のWEBAPIセットを持つ「SVF PDF Archiver Ver9.3」を2016年(2016.06.06)にリリースする事が出来ました。

特徴

■文書の統制
文書定義やフォルダーの管理ポリシーにより「保管する文書に対するアクセス制限」、「記録管理の有無」そして「タイムスタンプの有無」をコントロールする事ができます

■電子帳簿保存法などの法令に対応
タイムスタンプ付与により、電子帳簿保存法などの法令に対応する事ができます

引用 : https://corp.wingarc.com/public/201606/news669.html



SPA Ver9.3: PDF以外の文書も保管可能に

「SVF PDF Archiver Ver9.3」は、2017年(2017.06.15)のVer9.3 SP2のリリースにおいて製品名称を「SPA」に変更する事になりました。
バージョン管理機能が追加されたバージョンですが、 PDFファイル以外の文書をアーカイブできることから「SVF PDF Archiver」から「SPA」の称号となっています。

引用 : https://corp.wingarc.com/public/201706/news715.html



SPA Ver10: データキャプチャによる自動化

今ではメジャーな機能になっているOCR認識はデータキャプチャ機能の一部として SPA Ver10 で機能提供されました。SPA Cloud版もVer10より本格的にリリースされました。SPA Ver10は2018年(2018.07.31)のリリースでした。

特徴

■書類をデータ化、用途に応じて選べる3種類のOCRエンジン
当時は3種類のOCRエンジンでした

  •  ABBYY FineReader Engine(ABBYYジャパン株式会社)

  •  WingArc Data Capture(自社開発のAIベースOCRエンジン)

  • Tegaki(株式会社Cogent Labs)※現在のSmartRead

当時の、WingArc Data Captureは、英数記号文字のみと対応範囲も狭かったですが、その後に改版を重ねてJIS第一水準からJIS第四水準までの漢字をサポートするようになっています。また、FAXで利用可能なかすれた文字の学習も進めており、現在では 100% の識字率をキープとしているといったお客様も現れております。

■OCRを文書の自動仕分けに組み込むことが可能
振り分け定義でOCR認識した文字を利用する事ができるようになり、
データ化してすぐに電子棚へ自動で仕分けする事ができるようになりました。

引用 : https://corp.wingarc.com/public/201806/news772.html

invoiceAgent 文書管理 Ver10: 
拡がるinvoiceAgentの世界

2022年(2022.06.20)に「SPA」は、invoiceAgentブランドの1つとして「invoiceAgent文書管理」という名称に変更されました。SVFで出力したデジタル文書を「ためる」だけではなく配信・流通に利用する事がinvoiceAgentの世界観です。「SPA」もinvoiceAgent全体を構成するための製品の一つとしてinvoiceAgentの世界観を構成する役割りを担っています。

特徴

■電子帳簿保存法に対応した文書管理
他システムから出力される文書ファイルや、作成した文書ファイルを自動的に保存、仕分け保管。指定のフォルダーを監視し、ルールに基づき取り込み、利用者が参照しやすいファイル名で保管できる機能

引用 : https://corp.wingarc.com/public/202206/news1577.html

さいごに

駆け足でふりかえってみましたが、非常に目まぐるしく機能が追加され、それに合わせて製品規模や名称も変化してきました。これは、この10年間で世の中の帳票のデジタル化が進んできた結果でもあると思います。

最近、経理を担当している私の昔からの知り合いから「invoiceAgentを使っているよ。あれ便利だよね」というお声を頂くことがありました。製品をお使いいただいているエンドユーザーの裾野が範囲が広がっている事を改めて感じた瞬間でした。

この10年間は、温かい声・厳しい声をもらいながら、多くのお客様に育ててもらう事が出来ました。本当に感謝しております。ありがとうございました。これからも、お客様の声を大事に聞きながら製品の強化を進めていきますので、引き続きいろいろな声をお待ちしております。


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