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まいにち、「1+1=田」|ふあんクリエイターの推理日誌

「田んぼの『田』なんだぜ」

小学生のころ、ある時期

某児童 「1+1は、なーんだ?」

クイズがクラスで流行ったことがあった。

算数的な答えは「2」であるが、このクイズは一休さんのようなトンチ問題であった。「1+1=」を視覚的にとらえ、「1」と「+」と「=」を組み合わせるナゾナゾで、「2」と答えると

某児童 「ブッブー!答えは、田んぼの『田』でした〜っ!」

と罠にはめられてしまう。相手の嬉々とした表情。くやしいったら、ありゃしない。

ところが、別の機会に同じ問題が出されて、今度は騙されないぞとばかりに

わたし「知ってるよ、田んぼの『田』でしょ?」

と、したり顔で言い放ったところ、

某児童 「ブッブー!『2』でしたあ!算数もわかんねえのお?」

などと切り返される、詐欺まがいな問題であった。くやしいったら、もう!!

つまり、あらかじめ答えは二つ用意されているのだ。そういえば当時、「10歳=天才!」を名乗りだすブームもあったな。

|| || ||

ところでいま、ささやかな一つ一つのことを大切に、というようなスローガンめいたものを心に置いていて、「一つ一つ」とは「1+1」であり、日常とはこの「1+1+1+・・・」を永遠に繰り返していけたなら、よきものになりそうだなとの感覚がある。実りあるものにしたい。そうすると、かつての

某児童 「1+1は、田んぼの『田』なんだぜ」

はおそらく本当だったのだと、だいぶ時を経たいまになって気がついた。人生をたとえていたのか。

ありがとう、天才だ。

[つづく]

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