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「マーケット創造型不動産投資」 / ビジョンをいかに拡散するか。

 前回の不動産投資のコラムの続編である。
 今回は「マーケット創造型不動産投資」におけるビジョンについてである。


「マーケット創造型不動産投資」におけるビジョンの重要性

 前回のコラムでも書いたが、人口増加時代においては「マーケット依存型不動産投資」で対応可能だったが、人口減少時代においては、マーケットに依存すると不動産自体が余っている状態の中で埋没し、失敗してしまう。だからこそ、新規のマーケットを創造する不動産投資術が重要になるというコラムだった。

 前回のコラムとも重複するが、「作ってから売れ!」から「売ってから作れ!」の「マーケット創造型不動産投資」において、「マーケットを自分でつくるクリエティブな企画」が必要である。
 クリエイティブな企画と合わせて、企画当初から共感や賛同者を集めるビジョンも求められる。

従来の
アパート企画→賃料決定→設計→建設→入居者募集→完成→引き続き、入居者募集→入居

ではなく、

アパート企画→ビジョン&賃料相場決定→入居者募集→入居決定→具体の設計→建設→入居

 後者のプロセスの場合、具体の設計の前に共感や賛同者を集め、ビジョンを共有し、入居者を先決めして進めていくことになる。

 ビジョンを打ち出す際に、僕自身、2つの鉄則を設けている。

鉄則1
ビジョンを明確に示す1枚

 ヒトをワクワクさせる圧倒的な1枚のイメージ。僕は、何かを始める時、絶対にヒトを惹きつける1枚のイメージを描く。建築設計だと「パース」だったりするが、僕の中で「パース」とは異なっていて、概念像に近いものと考えている。今まで何枚も自分で描いてきたが、最近はプロジェクトも増え、スタッフが描くことが増えてきたが、それでも、どんな絵にするかの下絵を描いたり、アイデアは自分で出すようにしている。
 過去、公務員時代でも仙台市の都市ビジョンとして「せんだい洛中洛外図」を描き、今回のアパート事業においても「館下ライフスタイルビジョン」を描いている。

仙台市職員時代に描いた『せんだい洛中洛外図』(2015年)
仙台の都市空間を洛中洛外図の絵画手法を用いて、一枚の絵に圧縮した。また、仙台市が持つ豊かな公共空間(定禅寺通・青葉通・錦町公園・西公園)や公共施設(せんだいメディアテーク)、仙台の裏通りの民間建物やコインパーキング、広瀬川などの自然資源、六郷堀や旧奥州街道沿いの文化資源などを最大限に生かした未来ビジョンを仙台市職員時代に描いた。
apartmentBEAVER『館下ライフスタイルビジョン』
apartmentBEAVERで暮らす楽しさを描いた

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