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「暦・カレンダー生活に関するエトセトラ」(第1回)「5月上旬~7月上旬についての小話」


「皐月」(さつき)

 古来の日本では、各月を季節感がわかるような和風月名で表現しており、その5番目の月を「皐月」としていました。

 現在の日本では、これを陽暦(新暦)の5月に当てはめ「皐月=5月の別名」として用いています。

 しかし、陽暦は陰暦から1か月ほど遅れているので、陰暦の5月は、陽暦の5月下旬から7月上旬頃、ちょうど梅雨の時期に相当します。

 ちなみに、「皐月」の意味・由来・語源については、よく知られている説がいくつかあります。

 さつきの「さ」を、「神に捧げる稲」の意味がある「皐(さ)」に置き換えたものだ、とする説もあります。

 ほかには、田植の月という意味の「早苗月」(さなえづき)が省略されて「さつき」になったという説や、早苗の「さ」自体に田植えの意味があるため「さつき」になったという説などもあります。


「八十八夜」(はちじゅうはちや)

 「八十八夜」とは、日本の季節を表す言葉であり、主に春の季節に関連しています。この言葉は、日本の農耕文化や季節の変化を感じるための重要なイベントとして知られています。

 「八十八夜」は、春分の日から数えて88日目の日を指します。具体的な日付は年ごとに異なりますが、通常は5月1日頃から始まり、5月2日あるいは5月3日になることが多いです。

 この日は、日本の農業において特に重要な時期とされています。春分の日以降、土地や気候の状態によっては作物の種まきが可能になり、農作業が本格的に始まるタイミングとされています。八十八夜の前後には、稲作や野菜の栽培など、さまざまな農作業が行われます。

 また、「八十八夜」は、新緑が美しい季節でもあります。植物が芽吹き、若々しい緑色の葉が広がる頃です。この時期には、自然の息吹を感じながら散策したり、自然の美しさを楽しむことができます。

 「八十八夜」は、日本の伝統や文化、農耕に根付いた季節の移り変わりを感じるための重要なイベントであり、多くの人々にとって特別な意味を持っています。

「立夏」(りっか)

 5月5日は「こどもの日」で祝日ですが、2022年の5月5日は「立夏」でもありました。5月5日といえば「春真っ盛り」のようの印象を受けますが、早くも暦の上では、すでに夏が始まっていることになります。


「5月病」(ごがつびょう)

 5月病は、特に春先に疲労感や落ち込み、集中力の低下などの症状が現れる季節性のうつ病です。以下に、5月病にかからないためのいくつかの方法をご紹介しますが、個人によって効果や好みが異なる場合もありますので、自分に合った方法を見つけることが重要です。

  1. 日常生活のリズムを整える: 睡眠、食事、運動のリズムを整えることは重要です。十分な睡眠を確保し、バランスの取れた食事を摂り、適度な運動を行うことで身体的な健康を保つことができます。

  2. 日光を浴びる: 自然光を浴びることは気分をリフレッシュさせる効果があります。外出して散歩をする、日中の明るい場所で過ごすなど、できるだけ日光を取り入れるようにしましょう。

  3. ストレスを軽減する: ストレスは5月病の原因になりますので、できるだけストレスを軽減するように心掛けましょう。適度な休息を取り、リラックスするための方法を見つけることが大切です。例えば、趣味に没頭したり、ストレッチや深呼吸などのリラクゼーション法を試してみることも良いでしょう。

  4. ソーシャルなつながりを持つ: 孤立感や孤独感は気分を悪化させる要因となります。家族や友人との交流を大切にし、積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。また、趣味のサークルや地域のイベントなどに参加することも社会的なつながりを広げる良い方法です。

  5. ポジティブな活動に取り組む: ポジティブな活動や目標に取り組むことは、心の健康に良い影響を与えます。自分の興味や関心のあることに時間を割く、新しいスキルを身につける、趣味を楽しむなど、自己成長や充実感を感じられる活動を積極的に取り入れましょう。

  6. 必要ならば専門家のサポートを受ける: 重度の5月病の症状が続く場合は、心理カウンセリングや専門家のサポートを受けることを検討してください。専門家は適切なアドバイスや治療法を提供してくれます。

 これらの方法を組み合わせて実践することで、5月病の症状を軽減することができるでしょう。しかし、自分自身の健康状態や症状に合わせて、個別に対策を考えることも大切です。


「小満」(しょうまん)

 2022年5月21日は二十四節気の第8番目にあたる『小満(しょうまん)』でした(「立夏」と「芒種」の間)。

 小満(しょうまん)は木々が青々しく万物の成長する頃を言い、立夏から数えて15日目に当たります。

「水無月」(みなづき)

 「水無月」は、日本の伝統的な暦や風習において使用される6月の異名です。この異名の由来や意味について説明します。

 由来: 「水無月」は、日本の旧暦(陰暦)を基にした暦法において、6月の呼び名として使用されていました。旧暦では、月の名称が月の満ち欠けや季節の変化と関連しており、6月は梅雨の時期にあたります。このため、「水無月」という異名が用いられるようになりました。

 意味: 「水無月」の意味は、「水の多い月」や「雨の多い月」と解釈されます。6月は日本の多くの地域で梅雨(つゆ)と呼ばれる、湿気の多い季節です。この時期には雨が頻繁に降り、農作物の生育にとって重要な役割を果たします。また、水の多い月という意味から、水辺での遊びや風物詩としても捉えられることがあります。

 梅雨はしばしば曇りや雨の日が続くため、日本の文学や詩においては、憂鬱な気分や切なさを表現する要素としても取り上げられることがあります。しかし一方で、梅雨の季節には新緑が美しく、梅の花も咲き誇るなど、自然の豊かさや美しさも感じられる時期でもあります。

 このように、「水無月」という異名は、日本の梅雨の季節を象徴し、その特徴や雰囲気を表現しています。

「梅雨」(つゆ)

日本には梅雨の時期があるのは、気象条件と地理的要因が関係しています。

梅雨の主な原因は、太平洋高気圧とシベリア高気圧という二つの気圧配置の相互作用です。夏になると、シベリア高気圧が北上し、太平洋高気圧と接触します。この相互作用により、湿った空気が太平洋から日本に流れ込むことがあります。

また、日本は東アジア周辺に位置しており、季節風の影響も受けます。夏季には、南西からの季節風が日本列島に向かって吹き、湿った空気を運ぶことがあります。

これらの気象条件により、日本では梅雨と呼ばれる雨季が形成されます。梅雨の期間は一般的に6月から7月にかけてで、雨が長く続き、湿度も高くなります。

地理的にも、日本は山が多く海に囲まれています。山地や海洋の地形が、湿った空気の上昇を促進し、雨雲の形成を助ける要素となっています。

このような気象条件と地理的な要因の組み合わせが、日本に独特の梅雨の時期をもたらしているのです。

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