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絵本をどう選ぶ?本好きの元保育士が教える、知って得する4つのヒント

「読み聞かせは教育に効果的」と言われる昨今。文字を覚えさせたい、語彙を増やしたい、そんな思いから絵本を探すママパパも多いのでは?

絵本が役立つ場面はそれだけではありません。

お子さんとのコミュニケーションを取るのが難しい……そんなときにも絵本はもってこいのアイテム。

初めてのお子さんだと、どんなふうにコミュニケーションをとっていくか、戸惑ってしまうものです。絵本は、そんなパパママの味方でもあります。


しかし、いざ書店に行ってみると絵本がたくさん。どんな絵本を選ぶか迷ってしまいますよね。

今回は、本好きの元保育士・こがふみが、絵本を選ぶための4つのヒントをご紹介します!書店・図書館で今すぐ使えるものばかり。ぜひ試してみてください。

ロングセラー・ベストセラーから選ぶ

ロングセラー・ベストセラーとよく聞きますが、どんな違いがあるのでしょう?

・ロングセラー=長期間売れ続けているもの
 今売れていて、かつ発売が1年以上前のもの
・ベストセラー=売れた数が多いもの
 一般的には10万部以上売れたもの

※一般的に言われている基準は上記のとおりですが、実際のところ、明確に定義されているわけではないようです。

定番と言われる絵本の多くは、ロングセラー・ベストセラーのものです。

絵本に苦手意識がある方、流行にとらわれず普遍的なテーマの絵本を取り入れたい方、絵本をプレゼントしたい方はロングセラー・ベストセラーから選ぶのがおすすめです。

ロングセラー・ベストセラーから選ぶメリット

ロングセラー・ベストセラーから選ぶメリットは、絵本への敷居を下げてくれること、親しみやすい題材であること。

絵本のロングセラーは何十年と売れ続けるのが特徴です。多くの人から支持されているベストセラーの中にも、パパママが幼い頃、手に取った絵本があるかもしれません。

絵本に詳しくない人でも、昔から知っている絵本なら親しみやすいのではないでしょうか?思い出話をしたり、感想を話し合ったり、お子さんと話が膨らみそうですね。

ロングセラー・ベストセラーを見分ける方法


ロングセラー・ベストセラーを見分ける方法はいくつかありますが、私の場合は、まず、奥付(巻末)に載っている「刷数」をチェックします。

作者や出版社の情報と合わせて「第◯刷」「第◯版」といった表記があります。この数字が大きければ大きいほど、たくさん重版している=ベストセラーである可能性が高いです。(※初版部数にもよるかと思いますので、あくまで目安にしています)

合わせて「初版年」もチェックしてみてください。
初版年が比較的古いもので「刷数」が多いもの=ロングセラーになります。

いちいち見るのは面倒、正確な情報をもっと知りたい、という方は、TOHANが発行しているパンフレット「ミリオンぶっく」でも調べることができます。「ミリオンぶっく」はインターネット、一部書店で手に入れられますよ!

参考:オンライン書店e-hon ミリオンぶっくHP

書店であれば、ポップや帯もチェックしてみてください。ロングセラー、ベストセラーと表記があるかもしれません。

たとえばこんな絵本 「こんとあき」

1989年出版、今も愛され続けている「こんとあき」。絵本が大好き!ではなくても、知っている人も多いのではないでしょうか。 

2022年2月現在、発行部数136万部。ロングセラーであり、ベストセラーの本書は、幼稚園や保育園の現場でも定番の一冊です。

月刊絵本を利用する

聞き慣れない人も多いであろう「月刊絵本」
雑誌の絵本バージョン、と言えばわかりやすいかもしれません。毎月出版される絵本雑誌のことです。

代表的な存在でいうと、絵本のパイオニア、福音館書店さんが毎月出版している「こどものとも」「かがくのとも」があります。幼稚園や保育園を通して買えることもあるので、知っている方もいるかもしれませんね。

参考:福音館書店HP こどものとも

月刊絵本から選ぶメリット

月刊絵本を利用するメリットは、なんといっても神コスパ!

出版社によっても違いますが、「こどものとも」は440円(税込)で新作を手に取れるのが嬉しいところ。

季節に合わせたラインナップ(ひなまつり、子供の日、お月見など)やお子さんの年齢にあった本が簡単に選べるところも忙しいママパパにぴったりです。

月刊絵本は、保育園・幼稚園で購入する他、書店でも手に入れられます。

たとえばこんな絵本 「ぐりとぐら」 「はじめてのおつかい」

福音館書店の場合、人気があるものは「こどものとも傑作集」として出版されています(それでも1000円しないの、お買い得すぎる)。

「こどものとも傑作集」がまた、名作揃い。

「ぐりとぐら」「はじめてのおつかい」など、数々の作品がここから生まれました。

「ぐりとぐら」は1967年、「はじめてのおつかい」は1976年の出版。人気の作品がいかに長く読み継がれているか、わかると思います。

作者から選ぶ

「絵本作家なんて詳しくないよ〜」って声が聞こえてきそうですね。
そんな方もご安心を!

絵本を描いているのは絵本作家さんだけではありません。

どういうことかというと、小説家、画家、イラストレーターといった方々から始まり、漫画家、芸能人など、いろんな人が絵本を描いているのです。

作者から選ぶメリット

なんといっても、親しみやすさが違います。知っている人の方が親近感ありますよね。

絵本作家さんとは違った視点も、おもしろいところ。書いている方の経験が生かされている絵本が多いように感じます。

たとえばこんな絵本 「空とぶラビ」 「テントウムシのミア、プレゼントだいさくせん」

「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」「ブラックジャック」などを執筆、「マンガの神様」と言われた手塚治虫さん。手塚さんが絵本も手がけていたのはご存知ですか?

2018年、「おかあさんのむかしむかしシリーズ」が新装版となって発売されました。その一冊が「空とぶラビ」です。手塚治虫が幼い頃に、母から聞かせてもらったお話から生まれた絵本なのだそう。

虫好きで有名な俳優、香川照之さん。なんと絵本もプロデュースされています。INSECT MARKETシリーズから出ているのが「テントウムシのミア、プレゼントだいさくせん」。

ちなみに、2022年4月4日(月)からアニメも放送されるそうです。香川さん、すごいな……。

アニメ・映画の原作から選ぶ

アニメ・映画なら、好きなお子さんも多いはず。
普段、絵本にあまり触れていなくても、アニメ・映画の原作は入り込みやすいですよね。

日本を代表するヒーロー「アンパンマン」だって、元々は絵本でした。

「アニメ=漫画」のイメージがあるかと思いますが、「ピーターラビット」「おさるのジョージ」「はなかっぱ」「ミッフィー」など、身近なキャラクターは、意外にも絵本から生まれています。

アニメ・映画の原作から選ぶメリット

普段、絵本に興味がないお子さんでも手に取りやすいのが良いところ。

キャッチーなものが多く、お子さんにも好まれやすいです。ワクワク!楽しい気分で読みたい!一緒に爆笑したい!そんなときは、アニメ・映画の原作から選ぶのがおすすめです。

シリーズものになっていることが多く、1冊読み始めたら、しばらくは絵本を選ぶのに困らないのも嬉しいところです。

ちなみに、アニメや映画から絵本になるパターンもあります。
小説で言う、コミカライズ・ノベライズ版と同じですね。

たとえばこんな絵本 「ひとまねこざる」 「となりのトトロ」

アニメ「おさるのジョージ」の原作がこちら。日本語訳になると、タイトルが「ひとまねこざる」になるんですね。

アニメから絵本になっている例がこちら。ジブリの代表作「となりのトトロ」も絵本になっています。

映画ではなかなか細部までじっくり見られませんが、絵本だと気に入ったシーンを繰り返し読めますよね。

書店・図書館でおすすめ本から選ぶ

「いろんなものを見たけれど、結局どれにしよう?」と悩むなら、書店や図書館を頼るのも大いにあり!です。

書店では人気のあるものや新しいものが平積みになっています。図書館では、大体の場合、新着コーナーがあり、月ごとに特設コーナーも設置されています。

図書館で定期的に開催している、子ども向けのお話会に参加してみるのも良いです。普段は隠れている、思わぬ絵本に出会えるかも。

書店・図書館でおすすめ本から選ぶメリット

新刊コーナーでは、新しい絵本が並びます。

新しい絵本には、新しい価値観や情報を取り入れやすいというメリットが。特に、科学や自然分野では研究が進んで見解が変わりますよね。新しい絵本の方が、最新の情報に触れられます。

今ならではの話題、例えば、コロナウイルス、ジェンダー、SDGsなどについてさりげなく伝えたいときも絵本は役立ちます。言葉で説明するのは難しいけど、触れておきたい話題をさらっと取り入れられるのも、絵本のいいところです。

先にお話しした、ロングセラー・ベストセラー、月刊絵本なども揃っています。

ただし図書館では、人気の絵本は予約・リクエストをしないと手にいれられないケースもあります。1冊の絵本に予約が殺到することもあるので、気になる本は事前に目星をつけておくのがおすすめです。

事前に、図書館のHPでお目当ての本があるかどうかを確認しておくと、借りるときにスムーズです。

たとえばこんな書店・図書館に行ってみよう

書店の中でも、絵本に特化した書店があります。豊富なラインナップから、じっくりと絵本を選べるのが利点です。

ちなみに私は、東京都・大阪府に店舗を持つ「クレヨンハウス」、神保町「ブックハウスカフェ」によく行っています。大型の書店でもなかなか見ないような絵本や絶版になった絵本も見つかるので、選択肢が広がりますよ!

専門店がないわ、という方でも、近所に行きつけの書店を作って定期的に通ってみるのがおすすめです。売り場の変化がわかると、新しい本と出会いやすくなりますよ!

また、子ども向けの図書館も存在します。すべての市町村にあるわけではないですが、地方にも意外にあるようなので、お住まいの近くにある方はぜひ利用してみてください。

絵本をコミュニケーション手段として役立てよう


今回は、初めて絵本に触れる人にも、一目でわかりやすい選び方をご紹介しました。

絵本は、子育てのさまざまな場面で便利なツールです。私自身、保育士として働いていた時期に、絵本にはたくさん助けられました。

たとえば、みんなで集まるとき。集団活動ができる雰囲気を作るのに絵本を活用していました。

お昼寝の時間にも、読み聞かせの時間を設けていました。
毎日、決まった時間に読んであげることで、子どもたちは「絵本が終わったら、お昼寝だな」と時間を意識できます。行動の切り替えのタイミングでも、絵本は大活躍でした!

また、読み聞かせの時間は、親子のコミュニケーションの時間にもなります。

忙しくて昼間はなかなか遊ぶ時間を作れない、そんなときにも夜、1冊、絵本を読むことで親子の時間を楽しんでみませんか?

ぜひ、1つのコミュニケーション手段として絵本を役立ててみてください!

※この記事は、2021年6月9日公開の以下の記事を再編・加筆したものです。


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