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#5 外資系企業で活躍するための環境の選び方 ー Vol.2 上司選び編 ー 自分はどのような上司なら成果が出せるか?

前回#4では、自分が勝てる(=活躍できる)職場をどのように選ぶかについてお話ししましたが、今回は、ヒトの面、つまりどのような上司のもとなら自分が成果を出せて活き活きと働くことができるかを知り、どのようにしてそのような上司を選んでいくかについてお話しします。

外資系企業では、直属の上司が人事権を持つことが多く、人事考課にも非常に大きな影響力を持っています。つまり、直属の上司とうまくいかない場合、その職場ではキャリア的に非常に厳しいイバラの道が待ち受けています。そのため、上司といかにうまくやっていくか(=相性)が外資系企業でのキャリア形成では非常に重要なポイントになります。
一方、外資系企業の採用面接では、hiring managerが直属の上司ですので、必ず直属の上司になる人と早い段階で(1次か2次面接)面接します。つまり、事前に上司になる人と面接で直接話す機会がありますので、応募者(=こちら側)側も、その面接で(少なくとも最初の)直属の上司を選ぶことができるわけです。(もちろん入社後すぐにその上司が転職や異動でいなくなるケースも稀にありますが、それはこの段階では分からないので仕方ないですね。)

私が外資系企業のポジションへの応募を検討する際、まず直属の上司となる人がどのような経歴を持つ人なのかをリサーチします。リクルーターにhiring managerのお名前を聞いて(大抵のリクルーターは聞けば教えてくれます。)、ビジネス系SNSのLinkedInでそのお名前を検索してプロフィールを拝見し、どのような学校を出て、今に至るまでどのような会社(業界)でどのような職種を経験されてきたか、今の会社の在籍は長いのか短いのかをチェックします。外資系企業に勤務されている方は多くの方がLinkedInに登録されていますので簡単に検索することができます。(私の場合は、LinkedInで今までにほぼ100%の方を検索することができました。)hiring managerのお名前が分からなくても、企業名+ポジション名で検索すると該当する方が出てきます。

私の場合、今までに転職10回、11社に勤務してきましたので、どのような上司が自分と相性が良いか、どのような上司を全力で避けるべきかについては割と熟知しており、事前リサーチや面接で上司となる人との相性を厳しくチェックします。
以下、私が、上司となる人が自分と相性が良いかどうかを判断するチェックポイントになります。

  1. 誠実で、人格者であるか。

    • 人として温かみがあって尊敬できそうか、これはマストです。その定義は以下2.〜4.でお話しします。

  2. 高圧的、威圧的、権威的でないか。

    • 応募者に対する話し方が上から目線でないか、高圧的、威圧的でないか、度を超えて偉そうでないか、ですね。私はこういう人とは気持ちよくお仕事できませんし、おそらく自分の言いたいことも言えないのでこういう人のもとでは成果も出せないでしょう。

  3. 嫌味でないか、人の揚げ足を取るような質問や言動がないか。

    • 面接での質疑応答で、嫌味を言ったり、揚げ足を取ってマウントを取るような言動がある人は、実際の仕事の現場でも部下に対して同様の態度を取りますの要注意です。

  4. 応募者の人格や経歴を蔑視、否定、批判しないか。

    • 面接の場で初対面の応募者の経歴や人となりを堂々と否定し、バカにするような差別的発言を平気でするような面接官は人間的に問題ありなので論外ですね。

  5. マイクロマネジメントをしないか。

    • これは私にとっては人格の次に重要な点です。私自身、信用されて仕事をまるっと任せてくれる上司、ある程度自由度と大きな裁量を与えてくれる上司と非常に相性が良く、そういう上司のもとで成果を出しやすいタイプなので、何から何まで細かく監視して指示してくるような、また重箱の隅をつつくような質問を毎日してくるような上司とは全く合いません。面接で神経質そうでないか、マイクロマネジメント臭が少しでもしないかどうかを厳しく見極めます。

  6. 応募しているポジションの業務に変に詳しすぎないか。

    • これも個人的に非常に重要視している点です。これは事前リサーチの際にLinkedInで面接官の経歴をチェックして判断します。面接官が、自分が応募しているポジションの業務について長年の経験があり熟知している場合、入社後、仕事のやり方について細かく口出しをされたりして仕事がやりにくくなる可能性があります。私の場合、上司となる人が、他の分野からその業界/業務に移ってきて間もない、または全く知らないという状態の方が仕事がしやすく自分の価値を発揮しやすいので、そういうタイプを選びます。

実際には、ある程度知名度のある外資系企業で、ある程度のポジションにまで出世してきている人の場合、企業で採用面接のトレーニングを受けてきている人も多いので上記2〜4に当てはまるようなおかしな方は非常に少ないと思います。ただ、私自身過去に面接した、ある世界的有名外資系企業のシニアディレクターの方は、まさに上記2〜4すべてのアンチを体現した凄い方だったので、稀にそういう人格者とはかけ離れた方が出てきた際は撤退の注意が必要です。(万一そういう方が出てきた場合はリクルーターに報告しましょう。)

私自身、面接官(社長や役員である場合が多いです。)が自分の抱えている業務上の課題解決について、私に非常に熱心に質問してきて、それについてお互い熱い議論を交わす、といった面接を何度か経験してきており、それはそれでタフで疲れはしましたが非常に清々しく後味の良い面接でした。やり取りが多少白熱して激しい感じになりますがこういう面接、そして面接官は私は個人的には好きですし、こういう上司のもとで働きたいとは思います。

上記の5、6は私固有のチェックポイントです。私は、長年の試行錯誤から自分がどのような上司とならうまくやって結果を出していけるかについてよく知っていますので、ここは譲れずブレずに、自分に仕事を操縦させてくれそうな度量のある上司かどうかを面接や事前リサーチで厳しくチェックします。

外資系企業では、直属の上司との相性がキャリア形成に非常に重要になりますので、転職の際は、せめて入口の上司くらい自分と相性のいい上司を面接で選びましょう。(もしかしたら長い付き合いになるかもしれませんしね。)そのためには今までの経験を思い返し、自分はどういった上司だったらうまく成果が出せたか、活き活きと仕事ができたか、また逆にどういった上司とは合わなかったかについてポイントを把握しておくことをお勧めします。


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