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世界レコード

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生きることを仕事にするときに考えたこと、出会ったものたち
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2020年1月の記事一覧

モバイルバナナはどこに消えたのか

モバイルバナナはどこに消えたのか

僕の記憶が間違ってなければ、モバイルバナナの自販機がどこかの駅にあった気がする。

たぶん東京メトロのどこかの駅。それも目立つ場所ではなく、他の路線との連絡通路っぽいところにポツンと置かれていた。

モバイルバナナといっても、ガジェット的なやつではなく本当に持ち歩いて食べるほうのバナナだ。

そういえば、一時期、バナナのかたちをしたUSBメモリとかあったね。いまもあるんだろうけど、そんなに見かけな

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僕たちはネットでタライを回す

僕たちはネットでタライを回す

電話の評判が悪い。ある調査では、オフィスで仕事の集中を邪魔されると感じる要素のトップが「オフィスにかかってくる電話」だった。

これだけ世の中がネットになって(この言い方も古い)も、やはりいまだに仕事上では電話が鳴り続けているのだ。

たしかによく考えると、宛先もなく「とにかく呼出音が鳴る」「出てみないと、何の用件かわからない」という電話のUXはほぼゲームだ。

中には地雷用件だって含

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一蘭のラーメンで仕事する時代

一蘭のラーメンで仕事する時代

一蘭で仕事してるみたいだな、と思うことがある。あの個別に仕切りのある「味集中カウンター」で黙々と食べる個食スタイルのラーメン店だ。

えっと、よくわからんという人は図書館とか塾なんかの隣の人が気にならない衝立がある自習室を想像してください。それのもっと狭いやつ。

べつに一蘭システムを揶揄してるわけじゃない。

あのスタイルに出会ったときは斬新だったし、いまではインバウンドの外国人にも人気になって

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なぜ、あの飲食店本を読みたくなるのか(その4)人生のセーフティーネットとしての飲食店

なぜ、あの飲食店本を読みたくなるのか(その4)人生のセーフティーネットとしての飲食店

ライターは妄想をよくする職種だ。しないよというライターもいると思うけれど、僕はする。

妄想といってもあらぬことではなく、たまたま目に入った何かについて、その「何か」が持っているヒストリーや現在、あるいは未来を勝手に妄想するのだ。

店をやるという選択肢が人生にあってもいいのかもしれない。そんな気になるbar bossa林さんの売れてる新刊『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』をめぐるインタビュー

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梅ぼしのように時間を使いたい

梅ぼしのように時間を使いたい

この10年で何がいちばん変わったか。そう問われて思い浮かぶのは「時間」だ。

このnoteもそうだけど、ソーシャルなコミュニティを含めたネットに使う時間は10年前の約3倍に増えた。情報通信白書からざっくり紐解くと。

のどかな2010年代(よく引き合いに出されるけど東日本大震災のときも、まだLINEすら存在しなかった)、時間は「自分」の中にあり、自分が時間を財布から出したり、入れたりしていた。

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