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ものかきのおかしみと哀しみ

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すれ違った人たち
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2021年4月の記事一覧

noteの街を離れる人へ

noteの街を離れる人へ

べつに誰に頼まれた文章でもない。こんなタイトルをつけてるけど、特定の誰かにも向けてないし不特定の誰かに向けてもない。

自分の中で何人かの自分が「どうなんだろうね」と、思いを巡らせてるのを自分自身のためにテキストにしただけのもの。まとまりもない。

一応、そういう前提を理解してフラットに読んでくれる人が3人くらいいればいいなと思う。偉そうだなおい。ほんと、僕なんて全然偉くもなんともないただのヤギな

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人として話せるかどうか

人として話せるかどうか

たまに書いてるけど、僕は基本的に人見知り属性だと思う。ライターなのに。

どっちかと言えば、人の中にいるより山の中とか畑で樹々や野菜たちに囲まれていたい。

それなのになんでライターをやれてるのか。

端的には「ライターという設定」があるからだ。これもそこだけ切り取ると誤解を招く。そんな軽くやってるのかと。

もちろんそうではない。まあ、誰も興味ない話なので端折るけど、ちゃんと成立させるにはそれな

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真っ白なnoteを見上げながら

真っ白なnoteを見上げながら

noteって昔、ほんとにその名のとおり真っ白なノートだったな。

自由な白が目の前に広がってた。なにから始めてもいいし、なにを書いてもいい。なにもないのに、なぜかすごく静かにテンションが上がったのを覚えてる。まるで、これから旅に出るみたいに。

ほんの5、6年ほど前の話。

まあでも月日が流れ去ることドッグイヤーな(この表現も最近あまりしないね)ネッツの世界では遥か遠い気もするけど。

他のそれま

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僕にはくだらない悩みがある

僕にはくだらない悩みがある

まあ、きょうもいろいろあってへろへろ。そうなると思考が単純なものにしか働かなくなる。食べもののこととか。

人間、いろいろあってもとりあえず「食べたい」という気持ちというか意欲があるうちは大丈夫。誰かがそんなこと言ってた。

食べもののことを考えると、なんとなくHPが回復する。気がする。

それだけ古代から人間は食べもののことを考えてきたのだ。ホモ・サピエンス時代の人間は、きっといまよりもっと「食

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いろいろわかってないほうを選んでる

いろいろわかってないほうを選んでる

それなりに生きてきて、こんなことも知らないんだよなと自分に愕然とするときがある。わりとよくある。しょっちゅうある。

というか知らないことだらけだ。頭の中は結構パンパンな感じだけど、たぶんそのほとんどはどうでもいいもので埋まっている。その周りを「知らないこと」たちが入る隙間を探してうろうろしてるのだ。

この前は「中落ち」がわからなかった。

いや、イメージとしては認識してる。ほら、あれでしょ。鮪

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街に座り込むと見えてくるもの

街に座り込むと見えてくるもの

街に座り込む。通常の文脈では、それはおかしなことだ。

身体の具合でも悪いのか、あるいは抗議行動的な何かなのか。そのどれでもなく、ただなんとなく気分で街に座り込むのは「異質」だから見なかったことにされるか、排除される。

街は常にクリーンでフラットな状態を保たなければならないのだ。異物がないように。なぜかはわからないけれど。

それでも街に座り込んでみると(もちろん合法的に誰にも迷惑にならないよう

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振り逃げで生きている

振り逃げで生きている

そのとき、僕は追い込まれていた。おじさんの好きな喩えをすればツーアウト、スリーボール、ツーストライク。もう、あとがない。

僕の勤めていた会社にはクオーター(四半期)毎の人事評価制度があった。

そのクオーターでのチャレンジングなゴール設定を上司のマネージャーとすり合わせ、チームと個人の両方の軸で何をどれぐらい、どのように達成したかをプロセスと成果を含めて評価する。

まあ、べつに組織に属して働く

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スワンボート指導員の消えた午後

スワンボート指導員の消えた午後

ひょんなことから、スワンボート指導員になった。
人生ってわからないものだ。

スワンボートというのは、公園の池なんかにいる、お腹がくりぬかれて座席になった足漕式ボートのことだ。



その日は、川べりの公園で本を読むつもりでふらふらと歩いていたら、夜に降った雨のせいで、木製のベンチが湿っていた。陽に当たってはいるけれど、座っているとじっとりしてきそうな感じがする。

なにかベンチに敷くものでもあ

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