【手紙】永遠のあこがれへ

拝啓 
永遠のあこがれ様

寒くなってきてまいりましたが、いかがお過ごしですか。

夢に向かってじんわり進んでいますでしょうか。

進んでいらっしゃらなくてもいいんです。お元気ならばそれで。

わたしは、ほんの少しですが夢へ近づいて行っていると思います。でも、あなたへ顔向けできるような生き方はできていないと思います。

思えばあのころ、わたしの夢はあなたでしたね。

尊敬と憧れときらきらしたものが入り交じった何かを「愛」と名付けてあなたを困らせてしまいました。

思い返すとあれは「愛」でも「恋」でもなく、一方通行の、それも反撃できない、暴力だったかも知れません。

あなたが追うものを、あなたが見る先をわたしも一緒に歩みたかった。

それは事実であっても、押し付けでしたね。

この、未だに正解の分からない感情があなたを困らせ、傷つけてしまい、挙句の果てにはあなたとの一縷の縁まで切る事になるなんて、わたしにはわかりませんでした。

本当に大切に「愛している」のなら分かるべきでしたね。

あなたへの申し訳なさと、あなたがくれた思い出をここにしまって、今日もわたしは生きています。

どんな形であれ、あなたの夢が、人生が納得のいくように運びますように心からお祈り申し上げます。

敬具

追伸
もしどこかで、この先、出会えたら、この感情に名前が付くでしょうか。
それとも、「とわのあこがれ」と名付けても良いのでしょうか。
どうかお元気で。


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