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フィンランド移住を5秒で決めた話

こんばんは。前回の自己紹介記事にスキ❤️をくださった皆さま、フォローをしてくださった皆さま、どうもありがとうございます!初めての投稿にこんなに反応してもらえるとは思わなかったので嬉しいです!

さて、今回はタイトルの通りフィンランドに移住することを決めた時の思い出を書きたいと思います。

今でも鮮明に思い出します。あれは2005年10月、大学四年の秋。藝大の大学院入試に落ちて、この先どうしようかな〜と少し悩んでいる時でした。

「このまま社会に出ても絶対食べていけない…ホルン下手だし。勉強を続けたいけど、どうしよう。」と悩める22歳でした。

そんな時に導かれるように、サントリーホールで催されたフィンランド放送交響楽団の来日公演を聴きに行きました。今まで全く演奏を聴いたことのないオーケストラでプログラムはベートーヴェンの交響曲第3番『英雄』。『運命』じゃないけど、これが運命的な出会いでした。

全く先入観なく聴き始めたんですが、曲が始まった途端、空気が変わりました。寒い!音が寒い!

そして景色がはっきりと映像で見えました。緑が深く明るい森の中を冷たい風が勢いよく吹き抜けていく、その風の動きも見えました。なんならユニコーンや妖精みたいなものが風に乗って走ったり飛んだりしていました。不思議体験に私は軽いパニック状態!

『ミスター味っ子』に代表される数々の料理アニメで、美味しさのあまり「うまいぞー!」って言いながら茶碗に花咲かせたり、食材と一緒に風に乗って飛んで行ったり爆発したりするような演出ってご存知かと思うんですが、実際あれに似た体験をしました。

料理アニメの演出は過剰じゃなかったんだ。

実際、魂に直接触られるような感動があると人って幻覚を見るんですね。いや、見るだけじゃく実際に寒かったし、風が頬をなでる感触までありました。もはや幻術にかけられたような感覚。曲が始まって幻術にかけられて5秒。

私、フィンランドに住むんだ。」と自然と思ったのでした。

さて、コンサートが終わりホールから出るとすぐさま母親に電話しました。


私「あ、もしもしお母さん?私、大学卒業したらフィンランドに住むわ。」

母「え?ちょ、ちょっとどういうこと?」

私「今、フィンランド放送響の演奏聴いたんだけど、すごく良くてね。フィンランドに住むしかないって思うから、住むわ。行くわ。」

母「え?そうなの?え、何?フィ、フィリピン?」

私「いや、フィンランド。北欧。」

母「フィンランドね。とりあえずお父さんに聞いてみて折り返すからちょっと待ってね。」

.....3分後

母「お父さんが良いって。頑張れって言ってるわ。」

判断が早い!この親にしてこの子あり、なのである。

そんな訳で、誰にも反対されず大学を卒業したらフィンランドに移住することを即決したのでした。

人生でたぶん大きな転機。でも特別に熱く強い思いや決心があった訳ではありませんでした。自然にストンと大した気負いもなく

あ、自分はフィンランドに住むんだな。」と感じたのでした。

不安や迷いは全くなくワクワクした気持ちだけがありました。人生の転機が訪れる時って案外そんなものなのかも知れませんね。

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ここまで読んでくれてありがとうございました!

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