超音波検査士レポート(泌尿器その⑥傍腎盂嚢胞)
どうもふるかぶです。
暑いですね…空調の効いた室内で仕事ができるのはありがたい限りです。
そんななか、レポートの提出期限が間近になり、嫌な汗をたらたらかいている人もいるのではないでしょうか…(うちの職場にもいます)
こういうのは何でもっと余裕をもってできないのか…と毎回思います。
このレポート紹介も今期のレポート提出期限までに20症例をアップしようと思っていたのですが、全然間に合いませんでした。少しでも見てくれる方のために紹介していこうと思います。
とにかく残り少ない時間を有効に使って、納得いくものを作成しましょう!
レポート紹介
超音波所見
スケッチ
今回もシンプルな症例で、傍腎盂嚢胞です。
しかし、傍腎盂嚢胞の正しい定義、説明できますか??
中心高エコーの内部にある、腎盂ではない無エコー域…
くらいしか答えられない人が多いと思います。
傍腎盂嚢胞(parapelvic cyst)とは…
傍腎盂嚢胞は腎洞部に発生する嚢胞のうち、単純性腎嚢胞が腎盂周囲の実質より発生し,腎洞へ拡大したものをいいます。
(Amis ES Jr, Cronan JJ. The renal sinus: An imaging review and proposed nomenclature for sinus cysts. J Urol. 1988;139:1151︲9)
また、腎洞のリンパ管が拡張して発 生したものは腎盂周囲嚢胞(peripelvic cyst)と定義されます。
ただし、傍腎盂嚢胞と腎盂周囲嚢胞は、どちらも傍腎盂嚢胞と混同して用いられているのが一般的です。
傍腎盂嚢胞の臨床的特徴
傍腎盂嚢胞はサイズが大きくなり腎盂や血管を圧迫するようになると、水腎症等を引きおこすことがあります。
腎盂周囲嚢胞では小さなものが多発することが多く、癒合して腎盂を取り囲むことが多いので、無症状に経過することが多いとされています。
傍腎盂嚢胞の超音波所見
※日超検 腹部超音波テキスト 第2版 より引用
中心部高エコー内に無エコー域
境界は明瞭・平滑
後方エコー増強
検査時に気を付けること
水腎症との鑑別
血管性病変(動静脈婁など)との鑑別
水腎症では個々の嚢胞様構造物が連続しているので、念入りに観察すれば鑑別は可能と思います。
血管性病変に関しては、カラードプラ法での観察を行えば、鑑別は容易と思われます。
レポート解説
上記の特徴を踏まえてレポートを記載しています。
嚢胞の超音波的特徴を捉えた所見を記載し、考察で臨床的特徴や気を付けることに記載した内容をリンクさせて記述しています。
ここでもう一度レポートを。
やはり鑑別疾患を挙げて、これだけ考えて検査しましたよ!とアピールするのがよいと思います。
スケッチは多断面での評価と血流評価が必要かなというところで、面倒ですが3枚画像を載せて描き描きしました。
本記事は
『これから腎泌尿器超音波を始める方のためのレクチャー:腎・泌尿器 初級 丸山 憲一』
を参考にさせていただきました。
もうあと1症例足りない!傍腎盂嚢胞の症例追加しておこう汗
なんて人の助けになればうれしいです。
ご意見、ご質問のある方はぜひコメントしていただけば幸いです!!
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