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fukuzumiren
2018年12月1日 16:21
ラブドールの第一人者である「オリエント工業」の40周年記念展。1977年の創業以来、同社は幾度も技術的刷新を遂げた結果、ラブドールの造形的な完成度を飛躍的に高めてきた。本展は、歴代のラブドールを展示物と写真パネルによって紹介するとともに、その製作工程も写真によって公開したもの。一部のラブドールはじっさいに手に触れることができる、きわめて貴重な機会である。 男性の性欲処理のためのダッチワイフから
2018年12月1日 16:19
写真家、篠山紀信がラブドールをモデルに撮影した写真を見せた個展。山河や廃墟、あるいは映画館などを背景にした等身大のラブドールの写真と、それらの画像を編集した映像が展示された。 ラブドールの造形的完成度が高いことは、改めて言うまでもあるまい。その技術的達成は、ラブドールの意味を人間と人形の境界線上に押し上げた。それは人間そのものではないが、だからといって人形にすぎないわけではまったくなく、ある種
2018年12月1日 16:11
ラブドールの展覧会。同画廊は、この分野の最大手であるオリエント工業が制作したラブドールの展覧会を4回催してきたが、今回は美術史家の山下裕二を監修に迎え、日本画とラブドールのコラボレーションを実現させた。日本画家の池永康晟による《如雨露》に描かれた女性をモチーフにした作品をはじめ、7体のラブドールが展示された。 注目したのは、やはり立体造形の技術的な完成度。頭と首を接合するうなじに不必要な線が入
2018年12月1日 16:07
人造乙女、すなわちラブドールの展覧会。老舗のオリエント工業による3回目の博覧会である。 展示されたラブドールは6体。肢体はもちろん、肌や唇の質感、眼の表情など、きわめて高度な再現性に文字どおり度肝を抜かれた。顔の造作がやや一面的すぎるきらいがあり、アニメやマンガの強い影響力が伺えたが、それを差し引いたとしても、この造形力はずば抜けている。見ているだけで人肌のぬくもりが伝わってくるかのようで、そ
2018年12月1日 16:05
美術史家の山下裕二の監修による超絶技巧の企画展。明治工芸から現代アートまで、約130点の作品を一挙に展示した。同館をはじめ全国の美術館を巡回した「超絶技巧! 明治工芸の粋」(2014-15)の続編だが、「超絶技巧」というキャッチフレーズによって明治工芸を再評価する気運は、本展によってひとつの頂点に達したように思う。質のうえでも量のうえでも、本展は決定的な展観といえるからだ。 むろん、ないものね
2018年12月1日 15:56
台湾人コレクター、宋培安による明治工芸のコレクションを見せた展覧会。いわゆる超絶技巧を凝らしたそのコレクションの総数は、金工や牙彫から、漆工、陶磁、七宝、染織まで、じつに3,000点あまり。本展はそのなかから厳選した約130点を展示したもの。なかでも見どころは、全長3メートルを超える世界最大の龍の自在置物で、それを空中にぶら下げて展示することで、その迫力を倍増させて見せていた。 ただ、昨今の明
2018年12月1日 15:51
細密描写の超絶技巧で知られる池田学の個展。幼少時に描いた絵画から東京藝術大学の卒業制作、その後の代表作、そしてアメリカ・ウィスコンシン州で3年ものあいだ滞在しながら制作した新作まで、約120点に及ぶ作品によって池田の画業の全貌に迫る本格的な回顧展である。おおむね時系列に沿って作品を展示した構成は堅実だが、要所で資料や映像を見せるなど、ほどよく抑揚をつけているため、最後まで飽きずに楽しむことができる
2018年12月1日 15:46
三井記念美術館で7月13日まで開催中の「超絶技巧! 明治工芸の粋」展は、安藤緑山をはじめ並河靖之や濤川惣助、正阿弥勝義、柴田是真など、文字どおり金銀珠玉を集めた展覧会。現在ではほぼ再現不可能と言われる超絶技巧の粋を間近で堪能できる貴重な機会だ。 興味深いのは、そうした数々の逸品が、多くの場合、無名の職人たちによって制作されたという事実である。正体が謎に包まれている安藤緑山は別として、並河靖之は
2018年12月1日 14:21
鎧武者を造形する野口哲哉の個展。古美術や参考資料もあわせて100点あまりの作品が展示された。博物館が所蔵する古来の甲冑と野口の作品を並置することで、虚実がない混ぜになった世界観を巧みに演出していた。 見どころが鎧武者を精巧に造形する超絶技巧にあることは言うまでもない。だが、それ以上に印象づけられたのは、野口の鎧武者がある種のドワーフに見えたことだ。いずれも実寸より小さく、場合によっては手に乗る
2018年12月1日 14:10
根付とは、印籠や煙草入れ、巾着を帯から提げるための留め具。おもに木や象牙を材料にしながら動物や神獣、霊獣、植物、妖怪などを主題に造形された。提げ物の先端に取りつけるため、大きすぎず小さすぎず、手のひらに収まるサイズのものが多い。とりわけ江戸時代の文化文政(1804-1830)の頃に全盛を迎えたが、その後は和装や提げ物の衰退に伴い徐々に庶民の日常生活から姿を消していった。 本展は、約370点の根
2018年12月1日 14:05
宮川香山(1842-1916)は江戸末期に生まれ、明治から大正にかけて活躍した陶芸家。陶器の表面に写実的な浮彫を装飾する「高浮彫」(たかうきぼり)という技法によって国内外から高く評価された。本展は、没後100年を記念して香山芸術の全容を紹介したもの。陶器や磁器など、併せて150点が展示された。 「高浮彫」の醍醐味は何より大胆かつ緻密な造形性である。花瓶の表面を蟹が這う《高取釉高浮彫蟹花瓶》(1
2018年12月1日 13:57
これはすごい。いま「超絶技巧」という言葉は乱用されているきらいがあるが、それはこの人のためにこそ用いられるべきと誰もが思い改めるにちがいない。礫斎(れきさい・1884-1959)がつくり出したのは、文字どおり手のひらに収まる驚異のミニチュア。茶道具や香箪笥をはじめ、筆、箸、茶碗、火鉢、灰ならし、算盤、印鑑、パイプ、杖など、礫斎は日常的な実用品の数々を細部まで忠実に再現しながらサイズダウンしてみ