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いってらっしゃいエルマー (elmer50mm f3.5)

6月、入り用になりelmer50mm f3.5 (ノンコーティング)を手放しました。
やや残念な気持ちもありつつ、こうして文章にすることで消化しようと思った次第です。
そう、いいレンズだったんです。



買った理由は3つ

エルマーの購入に至ったのは明確に三つの理由がありました。

1.すごい軽い

エルマーは110gのめちゃ軽レンズです。
例えば、僕がフルサイズではじめて買った単焦点レンズ、Z nikkor50mm f1.8sは440gあります。
ボディが630gなのでエルマーを使うと、800gくらいなのですが、純正のレンズを使うと、1kg超えます。結構差がでかい!僕はスナップが好きなのですが、小さくて軽い方が、ラフな写真を撮れるんじゃないか・・・と考えました。
ちなみに見た目はこんな感じです。(撮り忘れてて別リンク飛びます。友達が違法建築って言ってて面白かった。)



2.f値が大きい

ガッツリぼかすという撮影に飽きたのですが、一方で絞ってしまうとカリカリ(ざっくりですが線がくっきりシャープになるという意味です)になってしまう写真はちょっと違うな・・・という感じで探していたときに発見しました。
50mmの単焦点って、結構f値が小さいですよね(まあ小さい方がいいですよね!!!f1.0とか使ってみたいですわ!!!)
そんな感じでいたら目に止まったのがエルマーだったというわけでした。
ちなみに、f2.8という少し大型化しているモデルもあるのですが、今回はあんまりボケてほしくなく、絞りたくもないという危篤な理由で選択肢には上がりませんでした。

開放でも後ろがよくわかる


3.ライカってどんなの?

ライカといえば、現行機種を新品で使おうと思うと200万円近くいっちゃいます。
売る前提で買うなら、リセールバリューが高いので買値と同じ額で売るのもできるのですが、普通に買うとなると、正気の沙汰ではないですよね。
でも、そうなら使ってみたい、と思うのは人の性・・・
そんな時、エルマーくんは、超手頃なのです。
3万〜15万円くらい、ライカはコレクション性があるのでバージョンや製造年代によって価格の上下があるのですが、ライカの中ではやすいんです!
(※レンズ沼という言葉があるのですが、カメラを買い始めると金銭感覚がバグります。そうなったらもう・・・稼ぐしかないよネ・・・)
ライカを使う人は、エルマーに始まりエルマーに終わると言われるらしいのですが古くてもいいから一度は使ってみたい!という気持ちがありました。
なお、カタカナでライカと書いているのは、エセユーザーだからです。
Leicaユーザーが恐ろしいのです。(身の回りの人はやさしいです!!)
ちなみに同様の条件では、ニコン Nikkor L5cm F3.5とかキヤノン
L 50mm F3.5
とか結構選択肢があります。L39マウントと調べてみると出てくるので、興味があればぜひ!かっこいいですよ!

そんな感じで、1934年生まれのエルマーさんをお出迎えしました。近所の友達と同い年だぜ。


作例

結構4:3にトリミングすることが多いんですけど、ライカといえば3:2かなと思って、そういう写真が多いです!



これも開放
アダプターをつけてよると、ボケます

描写を言語化できるほど熟達していないのですが、
近距離で撮ると湿度が高く、遠いものを撮るとドライだな・・・という感想でした。
完全に主観ですが、この線のゆらいでる感じと光の広がり方が好きなんですよね・・・

そして、モノクロの描写は本当に素晴らしいです。
僕が買ったエルマーが生まれたのは、まだモノクロ写真が中心の時代です。
黒から白までのグラデーションの豊かさがレンズの表現力として直結していた時代だからこそ、掴める光があると思います。

中央の立体感と背景のボケ感が、くどくなくていいなあと思いました。
陰影の感じがお気に入り

基本尾道で撮った写真なんですが、他の人が撮る尾道と違いすぎて心配になりますね笑
モノクロ、すごいクセになります。ポートレートもあるのですが、そっちもめっちゃいいです。
開放で撮っても、ピントの合っている箇所はキリッとしつつ、ボケすぎた時にあるようなくどさがない感じ。



なんで売ったのか?

撮影体験としては、なかなかに楽しかったのです。
なので入り用でなかったら売らなかったかもしれませんが、
使用頻度がだいぶ下がっていったのもまた事実でした。
理由としては大まかにあげると3つ理由があります。

1.重い

何言ってるんですか?という質問もあると思います。しかし、意外と重かったのです。というのも、レンズを交換するタイプのレンズは、重量のバランスがレンズによって変わるんですね。例えばめちゃくちゃ重いレンズだったら前側が重すぎてレンズを支える左手がだいぶ苦しくなります。
それと同じで、レンズが軽すぎた結果、ボディ側に重量が偏りすぎてだいぶ重さを感じてしまったのです。オートフォーカスだったら構えればすぐだったのですが、マニュアルなこともあって、思ったより重い、むしろ400gのレンズつけてた方が軽くね?と感じました。
なお、普通エルマーを使う時はf値を10とかにして、広範囲にピントが合うように設定して、何も考えずに撮るのが正解と思われます。ライカというカメラの性質上、シビアなピント合わせには不向きなので、開放でピントを必死で合わせる使い方は邪道に近いのもあると思います・・・

まあピントあってなくてもいい感じなんですけどね!


2.50mmが意外とラフに使えない

またもや何言ってんの案件なのですが、50mmって、例えば目の前に座ってる友達を撮るとなると距離が足りないことが多いんですよね・・・いや知ってたんですけど、ラフに撮りたいという動機で買ったのに、ちょっと椅子をひいたりとかしないといけないのが億劫で・・・画角が広かったら後からトリミングすればいいんですけど(もちろんその画角のレンズでしか撮れない写真があるというのが基本で、50mmが好きだから買ったんですけど)それもなかなかできないこともありました。
書いてるとだいぶ滑稽ですね笑

3.現像がちょっと難しい

今回載せた写真は、基本的に現像ソフトで編集している写真なのですが、モノクロ用のレンズだからか、色のりが悪いんですよね・・・それが味になると思って買ったので、狙ってはいたのですが、実際に使ってみるとちょっと物足りず・・・
時代も全然違いますが、愛用しているAI AF Nikkor 50mm f/1.4Dだと、取り込んだ時点で😃となるんですが、エルマーだと🤨となることが多く・・・モノクロ専用と割り切ると全然okだったんですが。
あとは、基本的に現像は簡単に済ませたいのと、そもそも技術不足ということもあると思います。ラフに撮りたいという動機がここでも足を引っ張っていますね・・・


いつか腕前が上がればまた買いたい

自分が好きなトーンとか表現したい空気感とか、写真を始めた頃とは大きく変わっている部分が結構あって、時間が経ったら買い戻す可能性もあるなと思っています。そういう意味で、エルマーに始まりエルマーに終わるという言葉は重い。またちゃんとライカを使っていた友達が、
特に改めてみると、コントラストのつき方が本当に美しく、モノクロ時代の諧調表現を意識したレンズは素晴らしいなと思いました・・・

買う時にあたって作例を調べていたのですが、自分のような使い方をしようとしている人間は滅多にいないようで、もし参考になればと思います。

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