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大根や人参だけでもOK!身近な農作物からみる薬膳の世界

こんにちは、農劇スタッフの平川です。
春が過ぎ、5月のさわやかな風が心地よい季節ですが、「なんとなくダルい」、「無性にイライラする…」といった病気とまではいかない体の不調に悩むことはありませんか?そうした不調の改善に「薬膳」が効果的と言われています。

いつも食べている野菜も「薬膳」になる!その理由とは…

薬膳とは、体調などに応じて適切な食材と生薬を組み合わせる料理のことで、食材が持つ性質や体への働きを知り、うまく活用しようというもの。

中国の伝統医学である「中医学」の考え方がベースにあり、簡単にまとめると「人間は自然の一部であり、旬の食材を取り入れよう」というものです(非常に強引にまとめています…^^;)。

薬膳といえば漢方薬の原料となる「生薬」のイメージが強く、薬膳=特別な食材を使う料理で難しいものと思われがちです。

でも実は「陰陽五行」など中医学の考えに則れば、大根や人参といった身近な農作物を組み合わせるだけでも薬膳を作ることができるのです。

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薬膳の基本〜食材の持つ効能を知る〜

まず知っておきたいのは、薬膳では食材を「食性」と「食味」という効能によって分類するということ。食性とは体を温めるもの・冷やすものといった食材の性質を表し、食味は食材の味が持つ作用を表します。

■食性(五性)

…体を強く温める(例:山椒、胡椒、唐辛子)
…体を温める(例:玉ねぎ、金柑、カボチャ、栗)
…穏やかな性質で体を温めも冷やしもしない(例:米、人参、キャベツ、さつまいも、いちご)
…体を冷やす(例:小麦、蕎麦、大根、茄子、キュウリ、ミカン)
…体を激しく冷やす(例:トマト、もやし、ゴーヤ、スイカ、バナナ、柚子)

■食味(五味)
辛味…血行をよくして発汗を促す(例:大葉、生姜、にんにく、唐辛子、ニラ)
甘味…疲労回復や栄養補給の他、痛みを和らげ、緊張をほぐす(例:カボチャ、キャベツ、トウモロコシ、大根)
酸味…汗や下痢、尿漏れ、咳などを抑える(例:リンゴ、トマト、梅、レモン、ミカン)
苦味…体の熱や余分な水分を排出し、イライラを鎮める(例:みょうが、ゴーヤ、パセリ)
鹹味(かんみ)…便秘やしこりなどを硬いものをやわらかくする(例:昆布、牡蠣)

こうした食材の特徴を知り、下痢の時には酸味の食材であるリンゴを食べる…というように少しずつ普段の食事に薬膳を取り入れてみてはいかがでしょうか。

身近な野菜や果物にどんな効能がある?

旬の食材にはその季節に合う性質を持っているものが多いことをご存知ですか?ここでは、今が旬の農作物にはどのような効能があるのかについてご紹介していきます。

■アスパラガス

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食性…微温性(やや温める)
食味…甘味、苦味

利尿作用があり、体内の余分な熱を冷ましてくれるアスパラガス。むくみ、高血圧、咳や痰といった症状の改善や新陳代謝を高めたり疲労回復に効果があるとされています。

■人参

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食性…平性(温めも冷やしもしない)
食味…甘味、辛味

消化を促進し胃腸の働きを助けます。また滋養効果が高く、体力のない方にオススメです。

■そら豆

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食性…平性(温めも冷やしもしない)
食味…甘味

利尿作用があり、むくみや便秘の解消に役立つそら豆は、体力を養い気力を漲らせる効果もあると言われています。

■ピーマン

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食性…温性(体を温める)
食味…辛味

気の巡りや胃腸の働きを整えるピーマン。イライラや血行不良の改善に効果的とされています。種にも栄養が豊富なので、丸ごと料理がオススメです。


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いかがでしたか?
いつも食べている食材が持つ意外な効果を知ると世界が広がりますね。ぜひ身近な旬の農作物で薬膳に気軽にトライしてみてくださいね。

最後まで読んで頂きありがとうございます。 気軽にコメントを残してくださいね。