ふくま @数学 とぽろじい~大人の数学自由研究~

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記事一覧

固定された記事

「大学での数学の勉強例」という名の自己紹介

 今更ながら自己紹介(というより過去紹介)をします。数日前「やわらかくない?トポロジー」というnoteを書いたように、私の専門は幾何学の中の代数的トポロジーと呼ばれる…

N=22でした。毎日投稿振り返り(その3)

「毎日投稿」の22日分の記事を振り返る記事その3です。 今回は17日目~最終日の記事です。 17日目 「÷0」が登場する数学の理論「算数の間違い」や「プログラミングにお…

N=22でした。毎日投稿振り返り(その2)

「毎日投稿」の22日分の記事を振り返る記事その2です。 今回は9日目~16日目の記事です。 9日目 極限って何?「極限」という"言葉"の意味が高校から大学の専門レベルでど…

N=22でした。毎日投稿振り返り(その1)

1か月ほど前に始めたのが、noteの「毎日投稿」でした。 初日は「N日坊主のNに入るのは何になるでしょうか?」と話していましたが、このたびN=22であることが確定しましたの…

GPT-4oにいくつか数学の質問をしてみた ら意外な間違え方をした【毎日投稿22日目】

22日目です。 今話題のAIさんこと、GPT-4oに色々数学の質問をしてみたら面白い結果が得られました。 その1 高校レベルの数学(確率)GPT-4oに聞いた内容(スクリプト) 3つの…

マトリョーシカ積分【毎日投稿21日目】

21日目です。 過去にinstagramで100回ほど連載(?)していた数学の問題を振り返ります。 ちょっと変わった積分の計算問題です。 問題$${2×○^{2}-1}$$ の形がマトリョーシ…

「空間の有理化」でねじれを消す【毎日投稿20日目】

20日目です。 学生時代に勉強していた代数トポロジーのひとつの手法を紹介します。 アイキャッチ画像の背景にうっすら見える「Rational Homotopy theory」に関する話題です…

共通テスト形式の数学の作問【毎日投稿19日目】

19日目になりました。 今日は「作問」というビジネスっぽいお話です。 数学の作問方法はいろいろある数学の作問方法には 変数を増やして答えが綺麗になるように微調整す…

無限級数は青春【毎日投稿18日目】

18日目になりました。 3日坊主6人分です。3on3ができる人数まで来たかと思うと感慨深いようなそうでもないような…です。 さて、今回は「The 雑記」(言いにくい)というよう…

「÷0を認めちゃうぞ」こと輪論(Wheel theory)の勉強を開始【毎日投稿17日目】

17日目です。 今日は少し変わった数学の分野の紹介です。 ÷0は許されないはず…「2÷0=?」という問いには通常答えがありません。 なぜならたとえば 2÷0=A とおくと「か…

"やばい"空間を集めた数学の本【毎日投稿16日目】

16日目です。 今日は少し変わった本の紹介です。 Counterexamples in Topology"やばい"空間が集まっているCounterexamples in Topology を直訳すると「トポロジーの反例た…

「くじ絡みの確率」と無限級数【毎日投稿15日目】

15日目です。 3日連続の「くじの確率」の最終回です。 導入常に $${\dfrac{1}{n}}$$ の確率で画面に当たりが表示されるボタンを $${n}$$ 回押したとき、少なくとも1回画面…

1/nの確率で当たりが出るくじをn回引いてちょうど1回当たる確率【毎日投稿14日目】

14日目です。 これまで「毎日投稿」では、シリーズ物はありませんでしたが、今日はあえて昨日の続編です。 ぜひ昨日の記事と合わせてご覧ください。 問題常に $${\dfrac{1…

1/10000の確率で当たりが出るくじを10000回引いて当たる確率(微分を利用)【毎日投稿13日目】

13日目です。 今回は微分を使って確率の問題を考察してみようと思います。 問題常に1/10000の確率で画面に当たりが表示されるボタンを10000回押したとき、少なくとも1回画…

数学で1+1=0になるとき【毎日投稿12日目】

12日目です。 でも世の中には1日に複数投稿をされている方もいるということで自らの未熟さを感じます。 今回はタイトルにあるように「1+1=0になるのはどんなときか?」と…

対称式がらみの2変数関数の最大最小で困ったらx=yのときとすれば高確率で正解できる理由【毎日投稿11日目】

連続投稿ですが「書き溜め」はしていません(できていないだけです)。 今日は書き始めが23時すぎでしたので、時間との戦いでした。 さて、今回は「大学入試の数学の問題で…

固定された記事

「大学での数学の勉強例」という名の自己紹介

 今更ながら自己紹介(というより過去紹介)をします。数日前「やわらかくない?トポロジー」というnoteを書いたように、私の専門は幾何学の中の代数的トポロジーと呼ばれる分野でした。  実は昨日、メインサイトの方で「代数的トポロジーのロードマップという名の自己紹介」という記事を投稿しています。「また自己紹介するのか」と思われるかもしれませんが、メインサイトの方は「数学のどのような分野を勉強したか」という「数学を知っている人向け」でした(数式もありませんし、雰囲気だけなら数学をそ

N=22でした。毎日投稿振り返り(その3)

「毎日投稿」の22日分の記事を振り返る記事その3です。 今回は17日目~最終日の記事です。 17日目 「÷0」が登場する数学の理論「算数の間違い」や「プログラミングにおけるゼロ除算の処理」としてしばしば登場する「÷0」の話を数学の理論という観点から。 18日目 無限級数って青春ですね無限級数って楽しいから若いうちに楽しもう!みたいな内容…かもしれません(?)。 19日目 共通テスト形式の数学の作問って実は簡単?仕事でも作問をすることが多々あるのですが…「作る側の感覚」み

N=22でした。毎日投稿振り返り(その2)

「毎日投稿」の22日分の記事を振り返る記事その2です。 今回は9日目~16日目の記事です。 9日目 極限って何?「極限」という"言葉"の意味が高校から大学の専門レベルでどんどん拡がっていくことを書きました。 10日目 科学の中で数学は最も安全?某番組のタイトルみたいなジョーク記事です。 寛大な心でお読みいただければ幸いです。 「かがくのちからってすげー」 11日目 対称式がらみの2変数関数の問題で困った時のとりあえずの対処法大学入試で地味に使える"処世術"のようなものが

N=22でした。毎日投稿振り返り(その1)

1か月ほど前に始めたのが、noteの「毎日投稿」でした。 初日は「N日坊主のNに入るのは何になるでしょうか?」と話していましたが、このたびN=22であることが確定しましたのでご報告(?)いたします。 せっかくなので22日分の記事を振り返ります。 今回は1日目~8日目の記事です。 1日目 「趣味の数学の勉強」とは初回ということで自己紹介まがいの記事でした。 数学科卒の社会人の勉強例を書いています。 始まりにして頂点のアクセス数といいねでした(不穏)。 2日目 足し算を作問

GPT-4oにいくつか数学の質問をしてみた ら意外な間違え方をした【毎日投稿22日目】

22日目です。 今話題のAIさんこと、GPT-4oに色々数学の質問をしてみたら面白い結果が得られました。 その1 高校レベルの数学(確率)GPT-4oに聞いた内容(スクリプト) 3つのサイコロを投げて出た目の和が10になる確率を求めよ。 ↓ GPT-4oの回答の要約 ※一応権利的なものを考えて要約して掲載します。詳細が気になる方はぜひご自身で聞いてみてみてください! 全事象が $${6^3}$$ 通りであること 和が10になる組合せ+並び替えのリストアップ $${\

マトリョーシカ積分【毎日投稿21日目】

21日目です。 過去にinstagramで100回ほど連載(?)していた数学の問題を振り返ります。 ちょっと変わった積分の計算問題です。 問題$${2×○^{2}-1}$$ の形がマトリョーシカのように何重にも重なっている積分計算の問題です。 ちなみに今回は"4重"になっていますが、何重であっても同じ解法で解けます。 ヒント積分計算からいったん離れて式の形に注目しましょう。 $${◇=2×○^{2}-1}$$ という式の形はどこかで見かけたことがないでしょうか。 考え方

「空間の有理化」でねじれを消す【毎日投稿20日目】

20日目です。 学生時代に勉強していた代数トポロジーのひとつの手法を紹介します。 アイキャッチ画像の背景にうっすら見える「Rational Homotopy theory」に関する話題です。 空間にはねじれがある代数トポロジーでは、空間の特性を代数でとらえることが多々あります。 ホモロジーやホモトピー群などがその一例です。 結果的に代数的な対象としてねじれがあるものが出てくることがあります。 正確には、捩れて見える空間の特性としてねじれのある代数が登場することに由来する

共通テスト形式の数学の作問【毎日投稿19日目】

19日目になりました。 今日は「作問」というビジネスっぽいお話です。 数学の作問方法はいろいろある数学の作問方法には 変数を増やして答えが綺麗になるように微調整する 使う公式や定理をベースに問題を肉付けする 大学レベルの知識をもとにつくる などなど様々な手法があります。 問題に表立って現れないバックグラウンドや試行錯誤が潜んでいることが多いのです。 共通テスト形式は特殊「共通テスト形式」は次のような特徴があります。 流れがある 複数のアプローチに対する検討があ

無限級数は青春【毎日投稿18日目】

18日目になりました。 3日坊主6人分です。3on3ができる人数まで来たかと思うと感慨深いようなそうでもないような…です。 さて、今回は「The 雑記」(言いにくい)というような内容です。 自身の高校時代を振り返ると…学校の授業をそっちのけで"ドヤ顔"で自由研究をしていました。 その内容は多種多様(ボツも多い)ですが、特に力を入れたのは以下の2つのテーマです。 ➀関数のグラフの対称性を微分積分を用いて調べる ②数列の異なるk項の積の総和とその極限 ちなみにこれらは大人に

「÷0を認めちゃうぞ」こと輪論(Wheel theory)の勉強を開始【毎日投稿17日目】

17日目です。 今日は少し変わった数学の分野の紹介です。 ÷0は許されないはず…「2÷0=?」という問いには通常答えがありません。 なぜならたとえば 2÷0=A とおくと「かけ算・わり算」の関係から 2=0×A という等式が出来上がってしまうからです。 そして、これは小学校の算数、中学校・高校の数学だけでなく大学で学ぶ数学の分野のおそらくほぼすべてでも同じことです。 以前書いた記事のように「様々な種類の"数"」を扱うとしてもです。 むりやり÷0を定義してしまう上のwi

"やばい"空間を集めた数学の本【毎日投稿16日目】

16日目です。 今日は少し変わった本の紹介です。 Counterexamples in Topology"やばい"空間が集まっているCounterexamples in Topology を直訳すると「トポロジーの反例たち」。 あらゆる「空間」("図形"と読み替えても構いません)で成り立ちそうな性質に対して、反例としてその性質が成り立たないことを言うために用意される空間が紹介されています。 しかし、もともと「あらゆる空間で成り立ちそう」と思われていた性質であることから分か

「くじ絡みの確率」と無限級数【毎日投稿15日目】

15日目です。 3日連続の「くじの確率」の最終回です。 導入常に $${\dfrac{1}{n}}$$ の確率で画面に当たりが表示されるボタンを $${n}$$ 回押したとき、少なくとも1回画面に当たりが表示される確率を $${Q(n)}$$ とします。 このとき極限 $${\displaystyle \lim_{n\rightarrow \infty} {Q(n)}}$$ を2つの方法で求めます。 1つめの方法「余事象」2つの方法で求めるとは言いましたが、「13日目」で

1/nの確率で当たりが出るくじをn回引いてちょうど1回当たる確率【毎日投稿14日目】

14日目です。 これまで「毎日投稿」では、シリーズ物はありませんでしたが、今日はあえて昨日の続編です。 ぜひ昨日の記事と合わせてご覧ください。 問題常に $${\dfrac{1}{n}}$$ の確率で画面に当たりが表示されるボタンを $${n}$$ 回押したとき、ちょうど1回画面に当たりが表示される確率を $${P(n)}$$ とする。このとき極限 $${\displaystyle \lim_{n\rightarrow \infty} {P(n)}}$$ を求めよ。 こた

1/10000の確率で当たりが出るくじを10000回引いて当たる確率(微分を利用)【毎日投稿13日目】

13日目です。 今回は微分を使って確率の問題を考察してみようと思います。 問題常に1/10000の確率で画面に当たりが表示されるボタンを10000回押したとき、少なくとも1回画面に当たりが表示される確率はどれぐらい? 関数の導入求める確率は $${\displaystyle 1-\left(1-\frac{1}{10000}\right)^{10000}}$$ で表されます。 $${x}$$ を $${0\lt x\lt 1}$$ を満たす実数とします。 $${\dis

数学で1+1=0になるとき【毎日投稿12日目】

12日目です。 でも世の中には1日に複数投稿をされている方もいるということで自らの未熟さを感じます。 今回はタイトルにあるように「1+1=0になるのはどんなときか?」ということをお話しします。 ちなみにれっきとした数学の話で、哲学的なお話などではありません。 整数や実数の世界ではなさそう整数や実数など普通の数の世界で当然 $${1+1=2}$$ ですし、$${1+1=0}$$ では算数のテストで×をつけられそうですね。 そのため、普通の数の世界ではないわけです。 剰余の

対称式がらみの2変数関数の最大最小で困ったらx=yのときとすれば高確率で正解できる理由【毎日投稿11日目】

連続投稿ですが「書き溜め」はしていません(できていないだけです)。 今日は書き始めが23時すぎでしたので、時間との戦いでした。 さて、今回は「大学入試の数学の問題で困ったときのあるある対処法」について解説します。 焦ったせいかタイトルが長くなりました。 具体例と反例正しい解き方は多種多様あります。 しかし、今回は「解き方が分からなくて、とりあえず答えを書いておくなら?」という視点で考えます。 早速、 $${x=y}$$ としてみましょう。 このとき、$${x^2 +y^