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「くじ絡みの確率」と無限級数【毎日投稿15日目】

15日目です。
3日連続の「くじの確率」の最終回です。



導入

常に $${\dfrac{1}{n}}$$ の確率で画面に当たりが表示されるボタンを $${n}$$ 回押したとき、少なくとも1回画面に当たりが表示される確率を $${Q(n)}$$ とします。
このとき極限 $${\displaystyle \lim_{n\rightarrow \infty} {Q(n)}}$$ を2つの方法で求めます。

1つめの方法「余事象」

2つの方法で求めるとは言いましたが、「13日目」で方法の1つはすでに紹介しています。
$${\displaystyle Q(n)=1-\left( 1- \frac{1}{n}\right)^{n}}$$
から自然対数の底 $${e}$$ の定義により
$${\displaystyle \lim_{n\rightarrow \infty} {Q(n)}=1-\frac{1}{e}}$$
でした。

2つ目の方法「足し上げる」

常に $${\dfrac{1}{n}}$$ の確率で画面に当たりが表示されるボタンを $${n}$$ 回押したとき、ちょうどk回画面に当たりが表示される確率を $${P(n,k)}$$ とします。
$${\displaystyle Q(n)=\sum_{k=1}^{n}P(n,k) }$$
と書けます。

「14日目」では $${k=1}$$ の場合を考えました。
それと同様に
$${\displaystyle P(n,k)={}_{n}\mathrm{C}_{k}\left( \frac{1}{n} \right)^{k}\left( 1-\frac{1}{n} \right)^{n-k} }$$
と書けます。

したがって
$${\displaystyle Q(n)=\sum_{k=1}^{n}{}_{n}\mathrm{C}_{k}\left( \frac{1}{n} \right)^{k}\left( 1-\frac{1}{n} \right)^{n-k} }$$

2つの結果を合わせると…

$${\displaystyle \lim_{n\rightarrow \infty} {Q(n)}}$$ を考えることで

$${\displaystyle \lim_{n\to\infty}{\sum_{k=1}^{n}{}_{n}\mathrm{C}_{k}\left( \frac{1}{n} \right)^{k}\left( 1-\frac{1}{n} \right)^{n-k}}=1-\frac{1}{e} }$$

を得られます。
左辺は「2つ目の方法」、右辺は「1つ目の方法」に対応します。

まとめ

今回は確率から無限級数の等式を作りました。
明日からはまた別の話題に変わります!

普段はサイトで大学入試レベルや大学入門レベルの数学の記事を書いたり、気が向いたときにYouTubeに動画を投稿しています。
ぜひ、そちらもご覧いただけましたら幸いです。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。


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