初めての熊野一人旅(1日目)
出発直前、急きょ主人が行けなくなり、婆が一人で行く事になりました。
忘れ物はないかな。
クレジットカードと、コンビニで無料引出しできる銀行カードと、
免許証と、ETCカードがあれば、とりあえず安心。
ゆうちょ銀行のカードも持っていったほうがいいかな。
コンビニのプリペイドカードも?
(カードばっかり)
まだ朝早いうちに、羽田直行のリムジンバスが出ている主要駅まで、
主人に車で送ってもらいました。
高速道路を通るリムジンバスなので、
事故渋滞などがあったら大変、と、かなり早く自宅を出、
始発か、その次ぐらいの便に乗りました。
羽田空港には順調に着き、
空港で何か飲みながら、ぼーっとひとりで待って、
飛行機に搭乗したあとは、大人しく座り、
「そう言えば、出発時刻ってどのタイミングなのかなー?
お客さん乗せて動き始めた時?
離陸滑走路の直線端っこからヨーイドン!と走り始めた時?
フワッと地上から離れた時?」
などとツラツラ考え、つきとめようと時計と睨めっこしていましたが、
あれっ?あれっ?と、結局わかりませんでした。
離陸後は、ちょっとだけ下が見えましたが、
あっという間に、雲で見えなくなり、
そしてあっという間に、着陸間近のシートベルトのサインが
ポンッと鳴る。
雲の割れ目から下界も所々見えてき、
かなり高度も下がってきたのか旋回しながら、いきなり視界から雲が取れ、突如ウワッと大海原と海岸線のコントラストが下界に現れ、瞬間ウワッと心が上がり⤴️浮き立ちました。
その後、着陸時の軽い衝撃と振動。これにも心が嬉しく騒ぎ、浮き立たせられました。
南紀白浜空港✈️
まだ午前9時前。順調に着陸。
到着ロビーを過ぎて、レンタカーの営業所へ。
手続きをして、鍵をもらい、
外の車の所に出て、うわ~♪南国って感じー♡
曇ってはいましたが、その場の気と、ヤシの木が、確かにいつもの日常とは違う感いっぱい。
旅に来たんだ~
営業所の方と車の目視確認後、
簡単な操作説明を受けて、いくつか操作の質問をして、
その後、婆一人になる。
ここからが、大変。
無駄な時間と思われる長い長い時間を費やしました。
まさか飛行機に乗っていたのと同じぐらいの時間?とまでは行っていませんが、その半分ぐらいの時間は…
とにかく、機械と名の付くモノに疎く、
取扱説明書と照らし合わせながら、
「ハザードランプのスイッチはどこにあるの?え~💦どこどこ?
・・・あった・・。」
「あれ、さっき営業所の人、何て言ってたっけ?こうだっけ?」とアセアセ💦
皆さん、レンタカー借りると、勘もあって直ぐ出発していき、婆みたいに最初から取扱説明書をじっくり広げて見入って全く動かない人、あんまりいないんじゃないかと思います。
運転自体は好きですし、結構どの車でも乗れると思うんですが、
婆の現在自宅で乗ってる車でも、いまだにわからないスイッチがあり、
困ってないから使わないってこともありますが、
運転中にわからないものを下手に押してみるのもこわく、
このまま最後まで知らない、使わないままっていうのも充分あり得ます。
今度ゆっくりおさらいしよう、と思っているうちに買い換えになります。
けっこう長い年月なのですが・・・。
(スマホもそうです。)
そもそも初日の最初は主人が運転するだろうと思っていたので、
旅行の始めから、運転席で汗をかきながら、取扱説明書片手に、あたふた無駄に貴重な時間が経っていくのがもったいなく
一瞬泣きそうになりました、気分が。
主人が得意だから、婆は端っからやらないと生きてきたツケが
こういうところに出ました。
やっと何とか見切りをつけて出発すると、弱い雨が降ってきたので、
空港近くに見つけたコンビニに立ち寄り、
強風でも折れないビニール傘と、
朝ご飯になるものと、飲み物を買いました。
旅先では、手軽に食べられるものでも、ご当地のものを食べたいと思っているのですが、
こんなに時間をロスしてしまって時間がもったいなかったし、
お店、売っている所もわからなかったし。
主人がいたら、一人が運転、一人が検索と出来たのでしょうが・・・。
それに時間ロスがあったとは言え、まだ朝の時間帯だったし・・・。
女性で、運転しながら、なんて、しかもこの歳で恥ずかしいですが、
運転しながら片手で一口で食べられるアイスクリームのピノと、あとピノぐらいの大きさのパンなどを買って出発しました。
気分も復活してきて、小雨の中、気持ち良く運転しながら、
まずは、大まかに予定を立てていたように、
熊野本宮大社に向かいます。
初日の今日は、
熊野本宮大社→大斎原→つぼ湯(湯の峰温泉)→宿(わたらせ温泉)の計画。
熊野本宮大社と大斎原はすぐ近くだし、
宿も熊野本宮大社に近いということで選んだので、
かなり時間的には余裕のある計画です。
明日からは、けっこうタイトに詰め込まざるを得なかったので、
本当は、ゆっくりその土地を味わうって良いなぁ…..と思っているのですが、
やっぱり初めて行く所は、あれもこれも、とりあえず有名な所は網羅したいと、つい詰め込んで計画してしまうものですよね。
何回か来れれば良いのですが、最初で最後かもしれないし・・・。
道はナビに全面的に頼り、
そうだ、音楽でも聴こうかとFMラジオを、運転しながら何とかつけました。
何の原因かわからないですが、うまく電波があっていないのか、
アンテナに問題があるのか、少しザーザーと雑音が入っていますが、
婆には対処できません。
すると!
雑音と共にいきなり流れてきたのは、その時たまたま和歌山地元FM局で企画してやっていたらしい『松任谷由実セレクション』。
しかも、初期の頃の作品にスポットを当てていたみたいで、
ユーミンの懐かしい曲が流れてきました。
ユーミンと言えば、
高校1年の時に友達から『流線型 ’80 』のアルバムを借りて以来、
その前のアルバムも遡って網羅し、
そこから先のアルバムも、しっかりフォローしてきて、
高校卒業後は車で聞くことが多かったんですが、
結婚して子供ができてからは、車で聞くのはもっぱら
童謡とか、ポンキッキの歌とか、アニメ主題歌とか..…、
は~るよ来い、は~やく来い、あ~るき始めたミーちゃんが~~♪とか、
歩こー♪歩こー♪、私は元気ー♪とか、
ウルトラの父がいる♪ ウルトラの母がいる♪、そしてタロウが~♪
とかになってきたので、
また、それらの歌を卒業した後は、今度は婆が仕事で車を使い始め、
道路情報を聞くために常に地元のFM局に合わせていたので、
だいぶご無沙汰していました。
それで、何だか自分でも変だ、と思ったのですが、
雑音に混じったユーミンの歌を聴いていて、いきなり涙が出てきてしまったのです。
しかも、とめどなく流れる涙という大量レベルで。
運転しながら、ぼろぼろ泣いていました。
泣いているというより、勝手に涙が出ているという状態。
慣れない道を運転していて、すぐにそうそう目が拭けないので、
瞳がみるみる潤んで、洗車機で洗車中のフロントガラスの様な視界に忽ちなってしまい、
大人になって泣いた事は過去何回もありましたが、普通は大人はその辺にある物ですぐ目を拭けるので、
こんな、目を見開いてウルウルいつまでも滲んだ光景は、本当に子供の時以来だ、という事に気がつきました。
それでも大変危ないと思い、…とは言え一時停止できる道でもなく、それなりに手の甲で素早くササッと拭ってはいましたが、
心はもちろん涙が出るような精神状態ではなく、むしろ旅程中で嬉しく楽しく、フラットなのです。
・・・そう言えば以前、仕事で地元の自動車専用道路を走っていた時、
ラジオから山口百恵さんの歌う『秋桜』が流れてきて、
たまたま娘が結婚した後だった為か、涙が出た、という体験がありましたが、
理由もなく、なんて、自分でもこんなことは初めてで、
訳が分かりません。
涙が出て、涙から何か余計なモノが流れ去って浄化する?、浄化している?のか何だか、曲の力も相まって、懐かしいだけでなく不思議な感覚になりました。
これは、何なんだろう?
旅行に一人で来ているから、無意識に気持ちが高ぶっているのか?
熊野というスピリチュアルな土地だから?
いずれにしても、熊野に着いて一番に聞いた曲が、
婆の青春のユーミンなんて、
もしかしたら熊野の神様に歓迎されているんではないか?と、
自分の都合の良いように解釈して、よろこびました。
途中から聴いたので、4~5曲?ほどでおしまいになり、
「なんだ、もっと聴きたかったのに~。」
と思いましたが、
その後は、トークの番組になり、ザーザーも入って聞こえにくく、
それでも婆は対処できないので、そのまま走りました。
熊野本宮対大社
鳥居からして威厳を感じる。
ご神気。
雨はまだ小降りだった気がします。
鳥居ですでに感動して、厳かに一礼して・・・。
参道の階段を上る。
「えっと、真ん中の正中線は通らないように・・・っと。」と、気をつけて・・・。
普段、両脇に白い奉納幟がずらっと並んでいるらしいのですが、
その時は、これから来る台風に備えて?なのか、なかったと思います。
階段の途中、左側にある、祓戸大神のお社で祓っていただき・・・。
階段を上り終えて、手水舎で清め、
いよいよ本殿。
神門を入ると、そこからは撮影禁止です。
4つの社殿と、1つの社、で
5ヶ所で参拝します。
門に入る前に、参拝の順序の説明書きが看板に書いてあったので、
「一番最初はこちらで、次は・・・、」
と頭の中で反芻し
神門を入って・・・
ずっとそこに立っていたい気持ちになりました。
色彩の印象を受けました。
背景の中で、大きな部分となる『玉砂利』の色。
時の経過を物語る『社殿』の濃い木造の色。
背後の『木々』の緑。
この三色です。
【白(もしかしたら白めの灰色?)】【濃い茶】【緑】
さらに、屋根の上にある千木!
この千木に金色が施されていて、
先ほどの三色に、この金が凄い。
そして、『金』だけでなく、
この『千木』凄い。と思いました。
三色 + 金
シンプルな色彩と、そこに感じる何とも言えないご神気で、
神々しいとは、こういう事かと・・・。
日本中、どちらの総本社もそうですが、
婆のような凡人が、言葉で表現するのは、憚られます。
語彙力も少ないし・・・。
一言で言うと、『感じる』ことしか出来ない。
言葉で上手く表現できず、『感じる』、としか言えません。
感じ方も人によって違うでしょうが。
また、その日は台風前の小雨降りで、人の数も少なかったという面もあったかもしれません。
日常、人間の生活世界に存在する、いろいろな場所、いろいろな気。
神様のおわします所は、人間の住む所ではありませんが、
この気、この神聖な気を忘れたくない。
人間の生活世界に戻っても、この気を忘れたくない、思い出したい、と思いました。
参拝が済んでも、しばらく本殿の敷地内、門の中に立っていましたが、
そろそろ・・・、と門から出ると、
八咫烏のポストもあり、
八咫烏は、熊野の神様のお使いです。
サッカーの国際試合などでもよく見られる、三本足の八咫烏は、
日本サッカー協会のシンボルマークでもあるということで、
熊野のあらゆる神様のところに行っても、どこでもお札などに描かれています。
旅の間、たまたま電柱などにカラスを見かけると、
人間、都合のいいもので、いつもとは違った印象で見てしまい、
神様のお使いかしら、と好ましく感じられました。
参道の階段を下りて、歩いて河原に近い大斎原へ。
大斎原
大斎原は、熊野本宮大社が明治時代に現在の地に移られる前までの
旧社地です。
大昔の熊野古道をはるばる歩いて参拝していた人達は、
こちらの大斎原の方の熊野本宮大社を詣でていた訳です。
ですから、こちらの場所には長い年月の参拝の方々の祈りの思い、歴史が
存在するのだと思います。
こちらから先に、参拝する方もいらっしゃるみたいです。
婆は、途中にある『産田社』をお参りして、
そして、大斎原の大鳥居へ。
鳥居として、日本一の大きさだそうです。
一礼後、
うゎ~・・⤴️と口を開けて、そっくりかえって上を見て、鳥居を仰ぎながら通りました。
河原にも出て、川の水に手を浸してみました。
大斎原の記述は少ないですが、
実際は、こちらでも、ゆっくり時間を過ごしました。
その後、時間はたっぷりあったので、
そのあたりをのんびり車で散策していたら、
駐車場が大きいお土産屋さんがあり、
店内をぶらぶら見て、地元の『めはり寿司』の小さなパックがあったので、
さっそく買って、車の中で人目を気にしながらお箸で食べました。
美味しかったです♡
あと、自分へのお土産に買った赤紫蘇ドリンクが、
家に帰って頂いたら、とても美味しく、
なぜこれを買ったかというと、入っているものが
【青梅、てんさい糖、赤しそ、みかん果汁】と、
何とシンプル!
自然のもののみ!で、
梅と紫蘇、うんうん。
みかん果汁、え?
と、
和歌山特産みかん果汁が加えられた赤紫蘇ドリンクを味わってみたくなり、買いました。
美味しいので、薄める水や炭酸は、つい表示より少なめにして原液に近い状態で飲んでしまいます。
毎年夏になると飲みたくなり、
お値段は安くはないので、自分で作って、この味に近づけたいと思いましたが、多分出来ないでしょう。
(ぜったい)
赤しそドリンク500ml×1本(3~5倍に薄めてお召し上がりください)【常温】 - うめ・しそ・じゃばら、無添加食品の通販は熊野鼓動 (kumano-kodou.net)
さて、つぼ湯。
世界遺産として唯一入浴できる温泉、とのこと。
この、1つの壺形の小さな岩の温泉自体が世界遺産なんだそうです。
温泉が世界遺産なんてあるんだー👀と、へぇ⤴っと思いながら、
世界遺産の温泉って、どんな?!
と、当然入りに行きました。
すると、誰も並んでないのに、待ち時間3時間!の表示・・・。
これは、どういう事かと言いますと、
まず切符を購入、予約をして番号札をもらい、すぐに入れない時は、皆さんいったん出直しているみたいなんですね。
一組が30分の入浴制限時間ということで、
もし入浴中と入浴予約が5組いたとすると、
30分×5組で150分後。つまり自分の番は、2時間半後になる訳です。
でも、入浴の人が30分を目一杯入らないで、10分で出てきてしまう可能性もあるので、そこも考えて、現地に来てね、と切符売り場の人に言われました。
つぼ湯の横に、屋外ですが、小さな屋根と座るところがあるので、待つ所はあるにはあります。
うっかり遅刻して自分より後ろ予約の人が温泉に先に入っていた場合等々は
切符売り場に電話をしたら教えてもらえます。
(婆は記憶忘れしてしまいました。)
婆も、予約後、いったん宿に行き、時間を見計らって再度行きました。
体を洗うことはできず、浸かるのみです。
足の下からどんどん熱いお湯が出てくるので、そうなったらどんどん蛇口を開き、水を足して、湯かき棒 (又は自分の足) でかき混ぜながら入ります。
つぼ湯に入り終わり、外に出たら、さすが!ポッカポカでした♨️
近くに大きな無料駐車場がありました。
この後、時間もあったので、
明日の玉置神社早朝参拝の為、下見、というか、
ちょっと十津川村近くまで車で行ってみました。
なぜ下見までしたかと言うと、
台風も近づいてくるし、婆一人だし、
十津川村から先は、険しいと言われている山道だし。
それに何と言っても、ネットで玉置神社の参拝に行くまでの様々な不思議なエピソードがたくさん出ているので、
一応、ナビだけに頼らず、と思い、十津川村までは、実際に行ってみました。
地図上でも、しっかり道を確認しました。
2日目の熊野の旅は、神秘的だった玉置神社の早朝参拝からです。