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病気の原因の中に「ストレス」というものをよく見かけるのではないでしょうか。
原因がストレスと言われてしまうと、確かにそうではあるけれど、じゃあどうすればいいの?と言いたくなります。

このブログでもストレスが原因などと書いたこともあります。
実際そうではありますが、具体的な対処法などはあまり紹介してきませんでした。

今回は休養学という本から具体的な方法を紹介したいと思います。
表紙にもあるように多くの人が疲労を取るため、ストレスを減らすために行っていることが、逆効果になっていることがあるようです。

読んでいて非常に興味深く、休み方を積極的に考えるきっかけになりました。


休養学とは

誰しも毎日の生活の中で「疲れたな」と感じることはあると思います。仕事や家庭、デジタルデバイスに囲まれた現代社会では、心身ともに疲労を感じることが増えています。常に疲れている訳ですからそんな時こそ、休養の大切さに目を向けるべきです。

その中でも、なぜ疲れるのか、疲れて休まずにいるとどうなるのか、どんな休み方をすれば効果的に疲れがとれるのかなどといった内容を科学的にみていくものと言えます。

休養を科学的に研究する「休養学」についてお話しし、日常生活に取り入れられる実用的なアドバイスをご紹介します。

現代社会が抱える問題点

私たちが暮らす現代社会は、情報や仕事に追われる「ストレス社会」です。長時間労働、常に接続されているスマートフォン、そして競争の激しい環境などなど。これらが私たちの心と体に大きな負担をかけています。さらに、多くの人が十分な休養を取れず、疲労が蓄積しやすい状態にあります。その結果、うつ病や心血管疾患など、深刻な健康リスクに直面することも少なくありません。

厚生労働省の調査によると、疲れていると答えた日本人は約25年で6割から8割に増えています。また日本リカバリー協会の調査結果によると、男性は76.8%が疲れている、あるいは、慢性的に疲れていると答えています。一方 女性は80.1%が疲れている、あるいは、慢性的に疲れていると答えているので、女性の方が疲れていると言えます。
男女平均すると 78.4%であり、疲労による経済損失は約1兆2000億円に上ると推計されています。

これだけでも疲労が社会に与えてる影響が大きいことがわかります。

ストレスの種類

ストレスを与えるものを ストレッサーと呼びますが、大きく 5つに分かれます。物理的、科学的、心理的、生物学的、社会的ストレスにわかれます。

物理的ストレッサーは暑さや寒さなど五感に感じるもの。
科学的ストレッサーは公害や薬物、化学物質によるもの。
心理的ストレッサーは不安や緊張、怒りなどによるもの
生物学的ストレッサーは細菌や感染など。
社会的ストレッサーは家族関係や仕事、友人関係などです。

回避できなものと回避できるものがありますが、これらを出来るだけ少なくすることが大切になります。

疲労について

そもそも 疲労とは何でしょうか。
簡単にまとめると、体を動かしたり頭を使ったりすることで、本来の活動能力が下がった状態が疲労の正体です。
疲労は病気につながるサインでもあります。たかが疲労と思っていると大きな病気につながることもあります。

疲労の回復や体の修復にはエネルギーが必要です。その時に3大栄養素である脂質やタンパク質、糖質を ATP というエネルギーに変換することによって 疲労を回復していきます。またミネラルやビタミンなども疲労回復には重要です。つまり、バランスの良い食事が大切ということです。

また人間はこの疲労感を一時的に無視したり、切り捨てたりすることができてしまいます。それをマスキングといいます。一時的にコーヒーや栄養ドリンクで疲労感を隠してしまうことで、回復したような感じがありますが、元気を前借りしているだけです。そして疲労やストレスがかかり続けることでホルモンの分泌に影響が出て、免疫力も低下します。


このようにどんどん疲労が蓄積していき、やがて疲労が溜まって限界になると病気になります。


休養学の視点から考える解決策

では、どうすればこのような問題に対処できるのでしょうか?

ポイントは自律神経です。

自律神経は簡単に表現すると交感神経(アクセル)と副交感神経(ブレーキ)です。

このバランスを大きく4つに分けます。
A:アクセルもブレーキもばっちりなバランス良好タイプ
B:ブレーキがききにくい頑張り過ぎタイプ
C:アクセルがききにくいダラダラタイプ
D:アクセルもブレーキもきかないぐったりタイプ

Aは理想的です。
Bはリラックスが苦手なタイプであり、夜型の方に多い傾向かもしれません。
夜睡眠に入るまでの行動や入浴な方法などを見直すことで改善できる可能性があります。


Cはアクセルが弱いためなかなか活動的になれず、だらだら過ごしてしまいます。
交感神経のスイッチを入れるためには、朝の日光浴が効果的です。朝日を浴びてゆっくりとした呼吸を行うことで自律神経が整い、活動的に一日を始められると思います。

Dは疲労により自律神経の乱れが強くなっている状態です。
中には疲労の問題以外の場合もありますが、まずはこの後紹介する方法を試し、改善を目指しましょう。


休養を取るための戦略

日常生活でのサイクルは
活動➡疲労➡休養ではないでしょうか。
しかし現代人はこのサイクルだけでは十分に疲労回復できません。

理由は休養の時に100%充電できていないことです。


休養➡活動に向かうまでに100%にするためにはもう一つの要素が必要です。

それが『活力』であると、表現されています。

活力とは疲労回復する段階で軽い負荷をかけることです。

疲れているのに、負荷をかけるというのは、一見逆のことをしているように感じるかもしれません。

しかし、疲労を回復される過程においては、適度な疲労が回復をより大きくしてくれる可能性があります。

そしてその時に大切なことは、負荷のかけ方です。

負荷と言っても、強い負荷は逆効果ですし、やらされた運動ではストレスが溜まるだけです。


ポイントは
・自分で決めた負荷であること
・仕事とは関係ない負荷であること
・挑戦することで自分が成長できると感じる負荷であること
・楽しむ余裕のある負荷であること
です。

要するに、人にやらされているものではない、自分自身の趣味や、仕事とは関係ない個人的な目標や目的に向かって楽しく行えることを見つけることが大切であり、それが活力です。


活力を適切に与えることで、休養をより効率的、効果的に行うことができ、パフォーマンスや仕事の効率も上がります。


休養と聞くと、ネガティブで守りのようなイメージがあると思いますが、積極的に休養をする「攻めの休養」というイメージを持つことで、休みの日の過ごし方や行動が変わると思います。

そして休養学には7つの休養モデルがあります。

上記のように休養のタイプを7つにわけて考えています。

具体的な内容については次回に紹介したいと思います。